ガチャ1060回目:スキル配布優先度
『マスター、ただいま~』
泉の検証を終え、ルミナスのところへと戻ってくると、遅れて別行動組も戻ってきた。
「おう、おかえり。収穫は済んだのか?」
『ええ、大満足よっ』
「これだけあれば栽培にも困らないと思いますー」
「最初のと合わせて、ヤシの木は10本になりました」
「ふーん。けど、普通はダンジョンに生えてる木って持ち帰りできないもんだよな?」
それが俺の中での常識ではあったんだが。
『本来はね。けど、この島やあのカメは特殊な存在だったもの。もう少しすればこの島はダンジョンに定着するはずだけど、定着前の今のタイミングなら、肉と同じように持ち帰る事ができるのよ~』
「なるほどな。……じゃあ、今の段階で収穫したものって、定着後もダンジョンでは再生されないってことだよな?」
『そうなるわね。だから、ヤシの実とかも根こそぎは取らないように注意はしたわよ』
「そっか、それならいいんだ」
今後このダンジョンを完全攻略してこの階層をリフォームする際、採取物を限界まで搾り取られた残り滓みたいな島が残ったところで、扱いに困るしな。これが元はカメでしたなんて情報があっても、その名残なんてどこにもないんだし。
『キュー、キュキュー♪』
砂浜で皆に撫でられるのが心地よかったのか、ルミナスはへそ天していた。よしよし。
さて、これから中央島でメダルの成果を確認して、拠点で休んだら第四層以降に進むわけだが……ルミナスはどうしようか? 軽く聞く限りだと地上でも生活はできるみたいだし、水系統の魔法を活用すれば地上だろうとどこでも水で囲んだ空間を作り出して割と自由に移動できるみたいだけど……。
「ルミナス、これからの予定なんだが――」
『キュキュ?』
◇◇◇◇◇◇◇◇
『キュキュー! キュキュ! キュキュキュキュ!!』
色々確認してみたところ、ルミナスはこれからもずっと付いてくるそうだ。俺としてはダンジョンの攻略が完了するまで、この階層で待機してもらうつもりで提案したんだが……どうやら置いていかれると思っちゃったらしい。そんなつもりは毛頭無かったんだがな。
そもそもルミナスの場合、基本的に生活ベースは水中だが、地上だろうとどちらでも生きていけるらしく、動きに制限が掛かるだけで地上にいることに何ら抵抗は無いそうだ。
そこんとこは、普通のアザラシと一緒みたいだな。
そうしてルミナスの意思を確認した俺達は、そのまま真っ直ぐ中央島を目指して行動を開始し、相変わらず溢れている雑魚敵連中を蹴散らしながら海流の外側にまで到着した。
んで、肝心のレアⅡの数は……。
「……21体と」
『マスター様、4の倍数は超えてしまいましたが、どう致しましょう?』
「別にいいや、増やさなくて。とりあえず、始める前に今のレベルはスキルに還元しておくかな。……あー待てよ? アズ。今って結局スキルは何個になったんだ?」
『えっとねー、生み出した総数で言うと『解析の魔眼』が11個で、『魔眼適性』が13個ね』
「ほー。結構作ったなー」
てか、『魔眼適性』の数の方が多くなっちゃってたのか。
ふむ。となると改めて『解析の魔眼』の方から先に作っていったほうが良いよな? アズとイズミとシルヴィには『スキル共有』システムがあるから不要として、他のメンバー分は用意しておくべきだろう。元々はもっと配る相手を厳選する予定ではあったけど、この際だ。限界まで身内に配る場合どうなるか考えてみるか。
①【第一チーム】ミスティ、クリス、テレサ、マリー、シャルの5人。
②【第二チーム】イズミを除いたカスミ、ハル、ハヅキ、レンカ、イリーナの5人。
③【第三チーム】シルヴィを除いたエス1人。
④【拠点待機組】アキ、マキ、アヤネ、アイラ、サクヤさんの5人。
⑤【家族組】エンキ、エンリル、イリス、セレン、アグニの5人。
⑥【ペット組】アズを除いたイクサバ、キュビラ、タマモ、リリス、ルミナスの5人。
⑦【スキルポイント稼ぎ隊】ベリアル、ガラン、ゼルヴィの3人。
【合計】29人分。
スキル配布優先度としては、①⑥②③⑤④⑦ってとこだが、初期に決まっていた配分を考えると、現状で①と③は完了してるんだよな。そして、このリストに問題があるとすれば⑤なんだよなぁ。人工物の4人と、スライムボディに『眼』のスキルなんて、果たして効果があるのか? でも『視界共有』はできちゃうしなぁ。
……うーん、謎だ。
『ねえねえ、マスターの『運』は今どのくらいまで増えたの?』
「そういや見てなかったな」
えーっと、『ステータス』は……。
*****
名前:天地 翔太
年齢:21
レベル:744
腕力:53484(+51992)
器用:53488(+51996)
頑丈:53472(+51980)
俊敏:53357(+51865)
魔力:53246(+51756)
知力:53322(+51832)
運:93988
*****
「――のようだ」
『もうちょっとね♪』
「ん。ルミナスに会った時よりも、6000くらい増えた?」
『キュ~??』
「目標値に近付きましたわね」
「魚フィーバーのおかげですねー」
「普通じゃあり得ない数のレアⅡを討伐してきたものね」
「勇者様の心が限界なので稼ぎはしばらく無いとしても、このダンジョンで目標の達成はできてしまいそうですねっ」
「ショウタ様、拠点に戻ったらゆっくりお休みくださいね。いっぱいマッサージしますから」
「ああ、楽しみにしてる」
さて、それはさておき目の前のレアⅡの群れだ。こいつらを処理して、今日の『運』稼ぎは締めくくるとするかな~。
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