ガチャ1045回目:もう1つのアーティファクト
「とりあえず、これから海系のダンジョンは増えていくだろうし、陸地のダンジョンでも『海王種』は出現することもあるだろうから、ある程度量産した方が良いよな」
「あるだけ便利ではありそうですわね」
『キュー』
ルミナスが不安そうな声を上げた。
まあでもそうだよな。メダルを飲み込んだら反射的に見覚えのないアーティファクトを吐き出すんだから、自分の身体がどうなってるのか不安にも思うだろう。
「大丈夫だぞルミナス。ダンジョンに組み込まれていたからお前の身体はそうなってるだけで、『テイム』された今、その機能は徐々に失われていくはずだ。このダンジョンから出れば、普通の身体になっているさ」
『キュ。キュキュー!』
「それはそれとして、使えるものではあるから今日のところは我慢してくれな」
『キュ~』
さて、ルミナスの許可が降りたところで、もう1つのアイテムについて見ておこうかな。こっちが有用なアイテムならルミナスの負担も減るだろうし、なんなら『海王種』3体を討伐しきるまでに雑魚を何百……下手すれば千単位で殲滅する羽目になるかもしれないわけで。
となれば、副産物は美味しいとはいえ、使えない物とセットよりかは良いもの単独で出た方が嬉しいからな。
【アイテム】
【アイテム】
「んじゃ、下をタッチと」
箱を開けてみると、そこに入っていたのはオーブだった。
名称:海水の宝珠
品格:≪遺産≫レガシー
種別:アーティファクト
説明:周囲の液体の総量を計る機能と、周囲の液体を海水へと変質させていく機能を併せ持つ。液体に漬け込んでいた場合、同時に2000万リットルまで変質させられるが、それ以上の液体があると機能しない。
★再充電には極小魔石の場合50個か、小魔石の場合10個か、中魔石の場合2個が必要となる。
「水を海水へと変換するアーティファクトか。……まあ需要は無い事はないか」
『キュ~』
「以前手に入れられた『真水変換装置』の真逆版ですね」
「ん。こっちは大量入手することができるけど、あっちはまだ確実な入手ルートはないよね」
「出るモンスターは分かっていましたよね。確か『クラーケン』だったはずですわ」
「1097や1099に行けば手に入れられそうですけど、あそこに挑みにいく人は、今のところいないですもんねー」
「ショウタのおかげで地盤が整ってきて、国全体で見ても日本の冒険者の質は上がって来ているはずよ。とはいえ、あの手のダンジョンは一般の冒険者にはまだまだ厳しいところだと思うわ」
『未探索とはいえ、クリア済みのダンジョンだからか、マスター的には優先度というか魅力が激減してるみたいだし、攻略されるのはまだまだ先だと思うわ』
『お話によれば良いアイテムが眠ってるとされてるみたいですけど、それでもいかれないんですかー?』
『ダンジョン攻略の華であるボスがいませんからね。マスター様にしてみれば、魅力半減なのだと思います』
『はぇー』
『キュー』
嫁達がそうこう話している間に俺は残りの宝箱を全て開封。結果としては、6:6で半々とした。正直役に立たないわけではないが、絶対必要というわけでもないため、『海水の宝珠』は一旦この6個として、後はアイラやサクヤさんの反応待ちかな。どうせこの後も宝箱は出てくるんだし、その辺は帰ってから改めて所感を聞いてから中身を確定させるとしよう。
「ルミナスー」
『キュー』
ルミナスの口に5枚のメダルを放り込み、排出される『海王種探知機』とメダルを回収。あとは『海水の宝珠』と同梱してどちらが良いか手紙も添えておくか。
「そんじゃ、そろそろ再開しようか。クリス、今の時間は?」
「15時過ぎですわ」
「ふむ。今日も夜までコースかなー。まあ、長くなりそうなら途中中断も挟むとは思うけど、ひとまずこの先にいる『クラーケン』の顔を拝みにいこう」
『それは良いけどマスター、上と下どっちから行くの?』
「海底コースで行こうかな。雑魚は全員好きにやっちゃっていいよ。レアが湧いたら適当に狩っていこう。ああそれと……そろそろ水着が見たい」
「「「「「……♪」」」」」
『『『……♡』』』
その言葉を待っていたと言わんばかりに皆がその場で装備を脱ぎ始めた。
「お? お?」
『キュキュ~??』
まさかまさかと期待したら、案の定というか皆下着代わりに水着を着用していた。
この光景は、先ほど聞いたようなルミナス伝説並みの宗教が発生しそうなくらいの威力があるな。一般人にはとてもじゃないが見せられない。死人が出る。
まあ、見せる気もないんだが。
「なんだ、もう着てたのか」
「ん。実は昼食後にさっと着替えてた」
「海流の外に人は来ないとクリスからお墨付きをもらっていましたからね~」
『甘えて下さってる最中、気付かれてしまわないかとヒヤヒヤしました……』
「ですが、ショウタ様が乗り気でないのに脱ぐわけにもいかず……」
「ずっとショウタの呼びかけ待ちだったって訳」
「なんだ、そうだったのか」
「ショウタ様の意識が完全にダンジョンに向いていましたから、今日のお披露目は延期になるかと思いましたわ」
「それはごめん」
『んふ。マスターも堪能したいでしょうし、進軍時は一番後方で良いわよ♪』
「……そうさせてもらおうかな」
『それで、どうですかおにいさん。わたし達の水着は』
「ああ、最高に似合ってるよ」
皆まだ暴れたりないって顔してるし、それに甘えるとするか。
そんじゃ、それなりの速度で進軍しつつ、後ろから堪能させてもらうとしますかね。
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