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ガチャ1041回目:久々のモンスター

 嫁達が初めて感じる『解析の魔眼』を通した視界に四苦八苦している中、煙に反応があった。中から生まれ落ちたのは……。


*****

名前:シャープ・サーペント

レベル:255

腕力:2200

器用:2800

頑丈:2100

俊敏:3000

魔力:2300

知力:1800

運:なし


(ブースト)スキル】剛力Ⅴ、怪力Ⅴ、阿修羅Ⅳ、俊足Ⅴ、迅速Ⅴ、瞬迅Ⅳ

(パッシブ)スキル】身体超強化Lv5、体術LvMAX、剣術LvMAX、水泳LvMAX

(アーツ)スキル】チャージアタックⅤ

(マジック)スキル】水魔法LvMAX、海魔法LvMAX、濁流操作LvMAX

★【(エクス)スキル】ぬめりアーマーⅣ、水泡弾Ⅳ、氷の吐息、幻視の魔眼


装備:なし

ドロップ:サーペントの白身肉、サーペントのブレードテイル、ランダムボックス

魔煌石:中

*****


 お、久々にドロップリストに宝箱があるな。しかもサーペントとなれば、その中身には期待せざるを得ない。


『シャアアアッ!!』


 海の中でも関係なく奴の声が聞こえて来た。

 てか、ダツからカジキまで『(エクス)スキル』は無かったから『ぬめりアーマー』は2層と海流の内側だけの物かと思ったが、そうでもないらしい。

 とりあえず、厄介そうなスキルは全部『(エクス)スキル』くらいのもので、他は驚異的な魔法は無さそうだな。『(マジック)スキル』の中では割と上位に存在する『海魔法』も、クリスに聞いたところ地上では猛威を振るうぶっ壊れスキルではあるが、海中では何の効果もないらしい。

 海の中に海を召喚したところでだもんな。さて、戦い方だが――。


「ここは、久々の『二刀流』で行ってみるか」


 水中では槍の取り回しは水の抵抗で少なからずパフォーマンスに影響が出るし、大剣はここの所皆勤賞。弓もさっき活躍の機会があった訳で、拳はリーチの問題と『ぬめりアーマー』の相性の悪さからパス。となれば、ここ最近出番の少なかった片手剣の出番だろう。


「まずはあいさつ代わりに……」


 武器を持った腕を高く上げ、交差させる。


「『閃撃・剛』!」


 振り下ろした剣からは、Xの字にクロスした剣閃が飛翔。それは海底を斬り裂きながらサーペントへと突き進んだ。これだけでもある程度のモンスターは一撃で煙に変える威力はあるんだが……。


『シャアアッ!!』


 奴の口から大量の冷気が噴き出し、巨大な氷塊を作り出した。その氷塊は剣閃と激突、轟音を轟かせながら大破。氷塊も元はダンジョン内で生成された海水のためか、破壊の影響で一部が煙へと変質し、氷塊と剣閃が見えなくなるほどの粉塵が海水を満たした。


「ふむ。……相打ちか」


 煙が晴れたそこには俺の『閃撃』はどこにもなく、崩れ落ちた氷塊が海底に沈んでいくところだった。相手の氷塊も完全に破壊しきれたようで、俺と奴との間を遮る物はなにもなかった。

 流石はレアⅢ、小手先の技は通じんか。それに、よく視れば周囲の水が奴の周囲4カ所に集まっているな。今の隙に次の武器を装填していたか。

 やっぱレアⅢの格は伊達じゃないな。


『キュ? キュキュキュー?』

『だめよルミナス、マスターの邪魔しちゃ』

『キュ~』


 ルミナスから心配という気持ちと、手伝いたいという感情が届いた。

 まあルミナスには、まだ分からない事が多いだろうからな。特に、俺の考え方とかその辺りが。


「んじゃ次は~」

『シャアアアッ!!』


 サーペントから極太の水のレーザーが4本発射された。狙いは勿論俺だ。

 なら、今度はこっちが迎え撃ってやろう。


「『双連・無刃剣』!!」


 ほぼ同時に展開された無数の剣筋が、水のレーザーを全て斬り捨てた。

 やっぱ、戦いの原点である『二刀流』は戦ってて楽しいな。技のレパートリーもそうだが、なんというか動きの自由度が高い。大剣だとどうしても、武器の振るい方ひとつで身体の動かし方に制限ができちゃうんだよな。重さによる重心の傾きは『重力操作』でなんとかなるんだが、剣身がデカすぎてな……。


『……!!』

「おいおい、何怯んでんだ? もっと遊ぼうぜ!」

『シ、シャアアー!!』



◇◇◇◇◇◇◇◇



「いやー、楽しかった。」


 結局、『二刀流』でできる技、ほぼ全部を試してしまった。


【レベルアップ】

【レベルが44から360に上昇しました】


 意外だったのは、発動すらしないんじゃないかと思っていた『紅蓮剣』や『鳳凰』、『灰燼剣』がしっかり発動した点だな。ただ、高熱が凄すぎて周囲の海水が沸騰して、蒸気熱によるダメージが俺の身を焼いたのは完全に想定外だったが。

 一応『業魔灰燼剣』を撃てばどうなるか気にはなったが、結局奴は『灰燼剣』の効果で海の中に居ながら焼け死んだからな。試すことはできなかったのだ。


「まあ試したら試したで、蒸発した海水が俺にどんな被害を与えるか分からんし、やらないで済んで良かったかも」


 『完全耐性【炎】』と『完全耐性【水】』も、マグマのように煮えたぎった海水には効果無かったしな。 


『ゴトッ!』


「おっ」


 水中に出現した氷の足場の上に、今までのドロップアイテムやスキル、そして宝箱が一斉に出現した。そしてそこには予想通り、記載されていた『ランダムボックス』分と思われる 『アダマンタイトの宝箱』と、レベルのない『青の宝箱』が並んでいたのだった。

 そういや、奴が持っていた『幻視の魔眼』は結局何だったんだろうか? 遊びに夢中になっていたせいもあるが、発動したのかすら分からなかったぞ。

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