ガチャ1033回目:ガチャをしない思惑
さてと。肝心のレアⅢの宝箱だが……。
名前:青の宝箱【クリスタルノーチラス】Lv――
品格:≪遺産≫レガシー
種別:モンスタードロップ
説明:190ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★特殊なモンスター枠のためレベルは存在しない。
見える情報に変わりなしと。となれば中身も……。
名前:知恵の欠片
品格:≪伝説≫レジェンダリー
種類:秘宝
説明:全てを集めた者には大きな知恵の一部が与えられる。
「全く同じか。番号が割り振られる訳でもなく、何個集まったとかの母数表記もないと」
欠片同士で合体もしないし……。
主観で全部集め終わった後、何の反応も示さなければショックを受けるだろうなぁ。真に全回収しないと結果は得られないと。実にいやらしい仕掛けだ。
『ピピィ!』
『ピピピィ!』
『マスター、そろそろお願いできるー?』
「ああ、すまんすまん」
アズ達が連れてきたレア連中の処理をしなきゃな。まあ避けるだけなら彼女達でも何ら問題は無いし、なんなら彼女達でレアとレアⅡを撃破しちゃってもいい訳なんだが、律儀に俺に任せる判断らしい。
というわけでアズのレアから順番にレア、レアⅡと処理をして宝箱を獲得。続けてミスティとシャルを狙うレアを実験的に同時に撃破し、そのままレアⅡも同時撃破してみる。すると、結果としては当然の流れというか、レアⅢに変わる事なく宝箱を2つドロップするだけだった。イレギュラー判定はレアⅢでないと発生しない訳だな。
「んじゃ宝箱はっと」
名前:青の宝箱【クリオネ】Lv5
品格:≪最高≫エピック
種別:モンスタードロップ
説明:190ダンジョンでのみ出現する特殊な宝箱。
★最高位の報酬しか入っていない最高レベルの宝箱。
変化なし。中身も……。
名前:メダル【クリオネ】
品格:≪最高≫エピック
種類:トリガーアイテム
説明:グラスノーチラスを討伐した証。
★しかるべき場所に奉納することで道が開ける。
3つともメダルと。2体同時撃破でもメダルが出るなら、場所と相手によっては多少の時短はできるかな? まあ本当に多少だけど。
「んで、メダルの指し示す場所は……」
その線は島の反対側を指し示していた。島を横断している関係上、それが海流の外側なのかは判別がつかない。だが、角度的に海の中でも地上でもなく、水面ギリギリっぽい感じが……ん?
「ちょっと動いてるな。クリスの土台が動く訳ないから、向こうにある台座ポイントが上下に……いや、横にも動いてるな」
距離が距離だからか、その動きは本当に小さなモノだったが、0.01ミリとかそんなレベルで動いている。
「外側には島なんて当然無かったし、モンスターの背中とかか?」
「レアモンスターに運ばれる台座ですか。魔眼なしでは発見自体無理ではないでしょうか」
「ん。無理ゲー」
「こんなに広大ですもんね」
「ただでさえ海流の外側は調べられてないんでしょう?」
「不可能だと思いますわ」
「ここまでぶっ飛んだ難易度だと、どこかにヒントぐらいは有りそうなものだがな」
696ダンジョンのワープゲートみたいなさ。そして発見されていればヒントは崩れ去るとかそういう。
そして今まで俺がそれを見つけられていないのは、すでにどちらも発見済みだったからとか、そんな理由かもしれない。
「クリス、後で第一層や第二層、それとこの三層以降にも、過去にそういったヒントがなかったか支部長に確認しておいてくれるか?」
「畏まりましたわ」
「んじゃ、いい時間だし中央の島に戻って飯にしようか」
「「「「「『『『はーい』』』」」」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇
昼食後。
食後の休憩中、嫁達を順番に愛でていると、ミスティが何か考え込んでいた。
「どうした?」
「ん。……ちょっとショウタのガチャの事で気になった」
「そうか。なんでも言ってみ?」
「ん。最近ショウタはスキル変換を優先して、全然ガチャ回してない。今回は『強奪』の件が絡んでるから仕方ないとしても、何ヶ月も前からそうしてる気がする。気のせい?」
「気のせいではないな。あえてそうしてる」
「ん。理由を聞いてもいい?」
雑談していた他の嫁達も、この話題が気になるのか視線が集まっていた。
「良いぞ。といっても、これは『直感』がどうのというより、一種の賭けみたいなもんなんだが……。まあ、無駄足でもそこまで損にはならない賭けだな」
「ふんふん?」
「ガチャの結果ってさ、今のところ俺のステータスやガチャのバージョンでもそうだけど、『運』によってレア度が違うガチャだったり、良いスキルが出る傾向にあるだろ?」
「ん。そうかも」
「だから、どうせなら『運』が10万を超えるまではできるだけ引かないようにしてるんだ。これと言って急いで回す必要がないっていうのもある」
急いで『四神』と戦わなきゃいけないとかなれば、話は変わってくるんだろうけどな。
「ん。理解した! 良いものが出ると良いね」
「何企んでるんだろって思ってたけど、そういう事だったのね」
「なるほどですねー」
「10万……途方もない数字ですが、ショウタ様であれば夢ではないですね」
「ショウタ様、つかぬことをお聞きしますが、今の『運』はおいくつなのですか?」
「えーっと……87158だな」
レベル200につき『運』が400上がってくれるから、『伝説』スキルをあと……32回分オーブ化すれば到達できるな。32回かぁ……そう考えるとそう遠くない様な気がして来たぞ。今あるレベルをオーブ化すれば『解析の魔眼』が10個目になるから、嫁達全員の『解析の魔眼』と『魔眼適正』をスキル化すればほぼほぼ丁度良い感じになるんじゃないか?
「ん。それなりに間近?」
「このダンジョン、結構強いレアモンスターが多いから、ここだけで行けちゃうかもね」
『ステータス10万かぁ。流石にその域になると、向こうでも一握りの領域ね。しかもそれが『運』ってのがまた、マスターらしいわ♪』
『マスター様、陰ながら応援いたしますっ♡』
『わたしもですっ♡』
「おー、ありがとなー」
さて、一休みできたし、海流の外側を目指すとしますか。
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