表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1099/1158

ガチャ1032回目:謎の疲労

 スケールドールの登場に彼女達は顔を見合わせていた。先ほどまでそれなりに激しい戦いを繰り広げていた相手が、等身大で目の前にいるのだから、なんとも不思議な気分だ。説明文的になんともいつ吹き飛ぶか心配になるが、そういやダンジョン内は基本無風だったか。


「わたくしがショウタ様の戦いに初参戦させていただいたスタンピード戦でも、同じような逸品を目にする機会は御座いましたね。あの時はあまり違いを確認する余裕は有りませんでしたが、改めてみると本物と見間違うほどに事細かく造られていますわね」

「そうね。あんな存在がダンジョン外に現れたら結構な騒ぎになると思うけど、そんなものを人形にして造ろうだなんて、頭おかしいんじゃないかしら」

「芸術を突き詰めると、妙な方向に走り出す方が一定数いらっしゃるとは聞きますが……これはその究極でしょうね」

「それにしても、よくみると可愛いフォルムをしてますねー」

「ん。問題はどこに飾るか」

「結局あのカメは、あのまま式場に飾りっぱなしなんだよな」


 エンキの作った見様見真似ドラゴンも、あの場に放置されてたと思う。


『この大きさなら、お庭の一角……噴水のオブジェとして置いてあってもさほど違和感もないですし、威圧感もないのではないでしょうか』

「んー……」


 まあカメやドラゴンに比べればマイルドな存在だし、子供もビビったりはしないだろうけど……どうなんだろう。


『置き場がなければサキュバス風俗街で預かってもいいですよ』

「あー……」


 先日稼働を始めたサキュバス風俗街は、その名の通り50人のサキュバスが住まいと職場を合体させたような場所だ。なので、建物も1つや2つではなく、土地もかなり膨大な面積を協会から貰い受けたので、それなりに巨大なコミュニティと化していた。

 なのでこういったオブジェの置き場もそれなりにあるとは思う。思うっていうのは、稼働してからまだ現場を見てきてないからなのだが。立場上視察はするべきだとは思うんだけど、多分ただの視察じゃ終わらないと思うんだよなー……。アズやリリスの主人という立場ではあるが、サキュバスの本能的に俺は極上の餌らしいし。素通りとはいくまい。

 話は戻して、この人形……。見た目はゆるキャラっぽく見えるんだよな。

 品格が上がれば上がるほど、存在としての耐久性は上がっていく傾向にあるから、透明の軽い素材で作られて羽のように軽くても滅茶苦茶丈夫なはずだ。となると、子供達のオモチャとしても使えなくはないということか。


「とりあえず、保留で。サクヤさんやアイラとも相談だな」

『『はいっ♡』』


 さて、特別報酬もゲットはしたが、まだこのクリオネエリアでやる事は残っている。レアⅢ単独撃破と、レアⅡ単独撃破×3のメダル確保だ。

 ……と、言いたいところだが。


「ふぅ……」


 なんか、めっちゃ疲労が溜まってるんだよな。


「ん。ショウタ、お疲れ?」

「なんだか元気ないわね」

「珍しいですね、狩りは始まったばかりですのに」

「もしかして、新技の影響ですか?」

『マスター様、モフモフされますか?』


 キュビラの尻尾が目の前に来たので、とりあえず揉み込む。


『♡』

『まさか、昨晩のアレが……?』

『そっちじゃないわよリリス。でも、マスターがこうなるのも当然と言えば当然よね』

「アズ様、何かご存じなのですか?」


 アズはこの症状に心当たりがあるようだ。何かしたっけ、俺。


『マスター、さっき消費が5000もする『武技スキル』を連続で使用したでしょ』

「ああ。……もしかして、連続使用が何かいけなかったのか? 弓用の『連殺剣』系のスキルを持っていないからとか? いやでも、そもそも『紫電の矢』も『雷鳴の矢』も、今まで連発はしてきたけど反動なんてものは無かったような……」

『そりゃそうよ。弓の『武技スキル』に再使用時間なんてほとんど存在しないもの。マスターが疲れてるのはそれとは少し違うわ』


 そうなのか。

 けど、それなら一体……。『根源の矢』がそもそも連続使用するには不適切というか、調整ミスだったとかか?


『ブブー。それも違うわ』


 指をクロスさせてバッテンを形作った。

 可愛いなーアズは。


『んふ。答えは簡単よ。5000消費なんて大技を連発した事で、魔力切れとは別の精神的な疲労を感じてるだけよ。いきなり大きな魔力を連続使用したんだから、魔力を通す専用の器官がオーバーヒートしたような感じね』

「ほぉ」

『だから、しばらく休んでいれば回復するわ。魔力が尽きている訳じゃないんだもの』

「そうだったのか。て事は、アズも経験あるのか?」

『ええ。だって『ダンジョンボス』の時のあたし、魔力∞よ? 向こうではできなかった大技を連発だってしてみたわよ』


 そんで今の俺みたいにフラフラになっちゃったと。やっぱり可愛いなアズは。


『んふー♪』


 そうして氷上の足場で、皆といちゃつきながら数十分休んだところで、攻略を再開できるくらいにはメンタルが回復してきた。


「よし、そんじゃ――」


 だが、心配した彼女達が待ったをかけてきた。


「ショウタ様はここで休んでいてください」

「あたし達が代わりに集めてくるわ」

「ん。ショウタはここでのんびり待ってて」

「それでは勇者様、行ってきますね」

『それじゃ、あたしも行くわね。キュビラとリリスは、しっかりマスターを癒しておくのよ』

『『はいっ!』』

「それでは皆様、3手に別れていきましょう!」


 そうしてクリス・アズ・他4人の組み合わせで彼女達はそれぞれで別行動を開始。そして十数分後、各々異なる形で戻ってきた。

 クリスは巨大な水の球を生け簀のように見立てて、内部に100体以上のクリオネを閉じ込めたモノを3つ揃えた状態で登場。それぞれの球の内部はだいぶキモイ事になってる。

 続けてアズは黒い鎖を撃ち込まれたレアⅠを引きずって登場。まるで泳がせ釣りみたいだな。釣られるのは俺なんだが。

 そして最後にやって来た4人組は、しっかりとレアⅠを2体湧かせた状態で戻ってきた。ミスティとシャルが1体ずつ湧かせてきたのかな?


「わたくしもレアにしてから持って帰るべきだったでしょうか……」

「皆にできなかった芸当を見せてくれただけで十分だよ」


 そうしてその場でクリスの300体を撃破してレアを湧かせて撃破し、レアⅡを3体同時討伐。その後レベルをスキルに変換してからのレアⅢ単独討伐で、レベルは112⇒320になったのだった。

 これで、レアⅢの用事は完了だな。あとは今いるレアⅠ、3体の処理だな。

読者の皆様へ


この作品が、面白かった!続きが気になる!と思っていただけた方は、

ブックマーク登録や、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★へと評価して下さると励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版第四巻 12月20日より好評発売中!
レベルガチャ1巻表紙絵 2巻表紙 3巻表紙絵 レベルガチャ4巻
コミカライズ第二巻 12/15より発売決定!予約受付中!!
コミカライズ1巻 コミカライズ2巻
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ