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ガチャ1028回目:柔らかモンスター

『ピピピ!』

『ピピピィ!』


 目の前に迫ってくる水の刃を片手で防ぎつつ、クリオネ達を屠っていく。そんな俺の頭上では、幾つもの雷光が煌めき、水中を一瞬明るくした。

 海面上ではクリスがレアの動きを封じながらも同時に水面を操る事で奴らを牽引し、俺への敵愾心が消えてしまわないよう付かず離れずの距離で上手く運んでくれていた。そして他の嫁達も、クリスの代役をしっかりと果たしてくれているようで、俺が撃破した事で散らばる各アイテムを1つも漏らす事なく集めてくれていた。


「よし、これで600!」


『斬ッ!』


 目の前に6体目の『シーエンジェル』が誕生。それを思いっきり海面へと蹴り上げると、クリスが反応して半身を氷漬けにして水中へと逃げられないようにした。俺もそれを追いかけ海面へと飛び出すと、いくつもの雷光が押し寄せてきた。


『バリバリバリッ!』


「うおっと」


 咄嗟に『空間魔法』で足場を形成して2段ジャンプを行い攻撃を回避する。まさか出て来たばかりの俺を狙って攻撃されるとは思わなかったが、突然の機転も利くようになってきたなぁ。昔の俺だったら絶対被弾してただろ。


「ショウタ様、ナイス回避ですわ」

「おう」


 後は『水歩き』のスキルで水上歩行しつつ、海上で倒すだけだな。


『ピピ!』

『ピピィ!』


 にしてもコイツらの状態、かなり酷い絵面だな。

 下半身を氷結された事で発生する浮力とクリスの操作能力で、ぷかぷかと水面に浮かぶしかなく、『水魔法』と『雷鳴魔法』で固定砲台になるしかないのだ。まあクリスが本気を出せば生きたままその攻撃能力すら奪い去る事も可能そうだが……。これも、昨日の件からの学びでできる限り作業にならないよう工夫してくれてるのかもな。


「ショウタ様、トドメを刺されますか?」

「そうだな。終わらせてやろう」

『ピピィ!』

『ピピピ!』


 何かを感じ取ったのか、連中の弾幕が強まる。だが、『水魔法』は片手ではたき落とせば良いし、『雷鳴魔法』も水中でなければ直線的だから回避は容易い。時折連携をして雷を纏った『水魔法』を使ってくる事はあるが、本来の『雷鳴魔法』より速度が遅いのだから、見てから回避も余裕で間に合う。多少のバリエーションを見せてくれるのは面白くはあったが、脅威はまるで無いな。


「よし、そんじゃここは久々にコレで行くか」


 武器庫から取り出したのは、ここのところ使い所があまりなくなってしまっている『クピドの黄金弓』だ。最近は大剣が主流であり、予備武器もグングニル。さらに稀に片手剣二刀流などがあるせいで、弓の出番なんて滅多にないんだよな。武器の品格としても他が『幻想(ファンタズマ)』やら『高位伝説(ハイ・レジェンダリー)』なのに、こいつだけ『伝説(レジェンダリー)』だから見劣りするというのもあるが……。まあ雑魚狩りとかでは、俺のスキルラインナップを思えばまだまだ現役ではあるんだろうけど、どうにもここ一番の貫通力というか、破壊力での魅力は数段落ちるんだよな。

 それもこれも『一刀両断』のスキルとその派生スキルが便利かつ派生の余地がありすぎるのが悪い。あれも元は『巨神の剣』についていた付属スキルでしか無かったはずなんだがなあ。


「んじゃ、『重ね撃ち』『雷鳴の矢』」


『バチバチバチバチッ!!』


 雷が迸る6本の矢がつがえられる。その雷光は連中の放つものとは、内包されている破壊の力に明確な差があった。


『……ズパァン!』


【レベルアップ】

【レベルが159から160に上昇しました】


 氷漬けになっていない上部が弾け飛び、全て煙へと変わっていく。

 こういう柔らかい連中なら、多少高さにズレというか、矢の角度を調整すれば一列に並んでいなかろうと一度に確殺できることを考えれば、使いどころはあるように思えるんだがなぁ。それも多少のズレ程度なら『閃撃追連・一刀連断』でカバーできるようになっちゃったんだよな。

 うん、ほんとあのスキルは融通が利きすぎるのが悪い。どうにか新スキルを開発せねば……。ガチャから何か出たりするかな? いや、でもなぁ……。


「ショウタ、終わったの?」

「ん。考え事?」


 皆が水中での仕事を片付けて海面に上がってくる。そういえば皆、まだ他の人と遭遇する可能性があるからって普段着のままなんだよなぁ。ちょっと勿体なくはあるか?


「勇者様、えっちなこと考えてます?」

『マスター、視線が露骨よ~?』

『おにいさん、もうですか!?』

「いやー、はは。皆の水着が早く見たいなと思って」

「なるほど。そういうことでしたか」

『確かに、マスター様のマップでもこの階層で活動する冒険者はほとんど見かけませんでしたね。今も……特にいないようですし』

「ショウタ様、着替えて来ましょうか?」

「ああいや、まだ戦闘中だから後ででいいよ。でも、楽しみにしてる」


 そんな風にのんきにおしゃべりしていると、煙が膨れ上がり6つの生物が煙から生まれ落ちた。


『ドチャドチャドチャッ!』


 それは本来水中で本領を発揮するタイプなんだろうけど、クリスが煙の直下に氷の地面を生成した事で、水の中に潜れず氷塊に激突。そいつらは見た目としてはゼリーのような半透明の身体をしており、内臓らしき器官が丸見えだった。そして今の激突だけでかなりのダメージを受けてしまったようで、ヨロヨロと顔を上げる姿にクリスはちょっと申し訳なさそうな顔をした。


*****

名前:グラスノーチラス

レベル:168

腕力:800

器用:1200

頑丈:100

俊敏:2000

魔力:3000

知力:2000

運:なし


(アーツ)スキル】水深圧殺Ⅲ、水泳Lv8、水の鉄壁Ⅲ

(マジック)スキル】念動力LvMAX、水魔法LvMAX、雷鳴魔法Lv3、水流操作Lv8、水の鎧Ⅲ、魔力回復LvMAX

★【(エクス)スキル】ぬめりアーマーⅣ、絶縁体Ⅱ、水泡弾Ⅲ


装備:なし

ドロップ:グラスノーチラスの皮膜、グラスノーチラスの肉

魔石:極大

*****


 ガラスの船? まあ言わんとしてることは分からんでもないが……。滅茶苦茶脆いし。

 でもどちらかというと、ゆるかわ系の動物っぽい感じの顔つきだな。なんか、どっかで見たような……。嫁達が雑誌か何かを見て可愛いって言ってたような……なんだっけ、この生き物。


『マスター様、ゾウクラゲです』

「ああ、それそれ」


 そっか。そんな名前だったっけ。ゼリーみたいな長い鼻が特徴なんだよな。

10/10よりコミカライズ2巻の予約が開始されました。

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=188675392

よろしくお願いしまーす!!

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