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ガチャ1027回目:完全耐性検証Ⅰ

『ピピ!』


 クリオネが必死な様子で羽のような腕を羽ばたかせ、水を集め始めた。こいつより弱ければこの行動にも驚異を感じるんだろうけど、なんというかまあ、愛らしいモンスターだな。

 それに、コイツが使う攻撃手段って『水魔法』と『水流操作』。それから『念動力』だろ? ってことはつまり……。


『ピピピ!』


 顔面目掛けて飛んできた水の刃を、特に避けるまでもなく片手で防いだ。


「ふむ」


 ぶつかった衝撃はあるが、痛みはまるでない。結局、『完全耐性【水】』がどの程度の水を防げるか試す機会はそんなになかったんだよなぁ。バトルアリーナで軽くセレンと戯れる事はあったけど、なんとなくでしか実験できなかったのが悔やまれる。クリスに俺を攻撃しろなんて頼んでも嫌な思いさせるだけだろうしさ。


「ショウタ様、如何ですか?」

「全然平気だ」


 ペット組以外の嫁達がほっとしている。この辺は、スキルとの付き合いの違いというか、信頼度の差が出ているな。あっちは生まれた時から世界に存在しているけど、こっちは発見されて10年かそこらだもんな。

 しっかし、いつまでも未検証じゃいられないよなぁ。『炎の大精霊』との戦いも残ってるわけだし、『完全耐性【炎】』の性能検証はしっかりしておきたいところだ。けど、水と比べて炎は人体への影響が目に見えて分かる分、実験で撃つ方も忌避感はあるだろうし、回復役がいるとしても俺に撃つのは良い気分はしないだろう。

 今度の『知恵の実』で、その手の検証がしやすくなるような機能を『バトルアリーナ』に追加できたりしないかなぁ……。


『ピピ!』

『ピピピ!』


 なんてことを考えている間も、集まってきたクリオネ達から『水魔法』の応酬を受けるが、そのすべてが俺に何の影響も与えることはできなかった。

 いや、何もなかったというのはそれは少し語弊があるか。改良型バブルアーマーが多少削られたかな? 行動しやすくするために極限まで軽量化したから、外からの衝撃には弱いんだよな。片手じゃ全ての攻撃に対処できずに当たってしまった。

 まあ、だからといって被害は……貼り直しの際に濡れたことくらいか? とりあえず『完全耐性【水】』の検証はある程度できたから、こいつらはさっさと斬り捨ててしまおう。


『斬ッ!』


 付近に集まっていたクリオネ達を全て切り伏せ、俺はそのままマップを再チェックする。


「ふーむ……」


 さっきクリスに聞いた通り、海流の内側ゾーンで蠢く赤点は全てこのクリオネ達で間違いないらしい。海流の外にはあんなに特殊レアが蠢いてるんだし、内側にももしかしたらとは思ったんだが……当てが外れたか。


「それじゃ、100体狩るかー」



◇◇◇◇◇◇◇◇



 100体目のクリオネ斬り捨てると煙が発生し、中からレアモンスターが出現した。


*****

名前:シーエンジェル

レベル:90

腕力:680

器用:480

頑丈:500

俊敏:900

魔力:1200

知力:950

運:なし


(アーツ)スキル】水泳Lv5

(マジック)スキル】念動力Lv4、水魔法Lv4、雷鳴魔法Lv1、水流操作Lv4、魔力回復Lv3

★【(エクス)スキル】ぬめりアーマーⅢ、絶縁体


装備:なし

ドロップ:シーエンジェルの薄羽、シーエンジェルの肉

魔石:大

*****


「うーわ、えっぐい奴が出たなー」

『ピピピピ!』


 見た目は2メートルサイズになったクリオネだが、スキル構成がいやらしい奴だった

 『シーエンジェル』は出現と同時に明確な敵意を俺に向けて発し、『雷鳴魔法』を使用した。その瞬間奴を中心として電撃が水中に走った。


『バチッ!』


「ちっ」


 改良型バブルアーマーを纏って水から隔離していたとはいえ、所詮は薄皮一枚だ。たちまちアーマーは破壊され、電撃が全身を焼いた。

 だが、所詮はレベル1の基礎魔法。『知力』も3桁しかない奴の攻撃だ。更には『全属性耐性LvMAX』と『魔法耐性Ⅷ』で魔法ダメージは常時9割カット。今更この程度の攻撃で怯むほど、俺も柔じゃない。

 むしろ、電撃が続く間、口周りのアーマーを破壊されて、呼吸ができなくなったことにちょっと焦ったというか、精神的なダメージを受けた気がする。


「しっかし水中で回避不可能な『雷鳴魔法』とは。しかも自分は『絶縁体』で無効化と。いきなりえぐい攻撃方法を使って来るじゃないか」

『ピピ?』


 俺が平然としているのが理解できなかったんだったのだろう。『シーエンジェル』は不思議そうな声を上げた。不覚にもちょっと可愛いと思えてしまったな。


「ショウタ様、ご無事ですか?」

「ああ、この通りピンピンしてるぞ!」


 そう返事をすると、何人かが小さく「ピンピン……」と呟いた。まだ引っ張るか。

 それはさておき、彼女達の方にまでは『雷鳴魔法』の余波は届かなかったみたいだな。本来はかなりの飛距離を持つ魔法ではあるんだが、海の中で拡散したことで有効射程距離がガクンと落ちてしまったのかもな。

 さて、種も割れた事だしこのまま倒しても良いんだが……折角だしな。マップにはまだまだ普通のクリオネが湧いてるみたいだし。


「クリス。コイツを死なない程度に捕獲してくれるか? 複数湧かせてみたい」

「どのように捕獲しましょう?」

「半分凍らせて、水上に持ち上げてくれるか? こいつの『雷鳴魔法』で雑魚を倒されると面倒だからな」

「畏まりましたわ!」

「クリスは今から増えていくレアにかかりきりになると思うから、他の皆はアイテム回収を代わりに頼むな」


 さて、ここに隠しレアはいるかなーっと。

10/10よりコミカライズ2巻の予約が開始されました。

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よろしくお願いしまーす!!

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