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ガチャ1025回目:第三層へ

 メダルを確保した俺達はもう1度隠し通路を通って台座のある空間へと移動。そこで宝箱を出現させ、2度目の開封を試みる。


【管理者の鍵の欠片を検知】

【内容物が変更されます】


 名称:青のメダル【Ⅱ】

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:アーティファクト

 説明:190ダンジョンで使用する事で、使用者を含めた周囲10メートル以内の人間全てを190ダンジョンの第二階層へ移動させる。何度でも使用可能。トリガーアイテムとしても使用可能。

 ★再使用時間24時間。


「よーし」


 そんじゃ続けて3回目っと。


【青のメダル【Ⅱ】を検知】

【内容物が変更されます】


 中に入っていた光は天へと昇っていき、洞窟の天井にぶつかる直前に弾けて消えた。


【特殊条件が達成されました】

【スタンピード進行が一時的にロックされます】


「これで良しと」


 第二層の用事は終わったし、マップ情報を全開放するか。アズと目を合わせると頷き返してくれた。


【未確定地域の情報を探査しますか?】


【YES/NO】


「YES」


【探査対象の空間情報を計算中】

【探査対象に地下空間の有無を確認中】

【探査対象に生息するモンスターを観測】

【探査対象の知覚妨害機能を検査中】

【探査対象エリアの魔力の流れを観測】


 情報が開示され、最初にスルーした水中通路を確認してみると、やはりそこは第三層へと続く場所だったらしい。特に見落としはなかったことを再確認した俺は、皆に集まるよう告げる。


「これから『青のメダル【Ⅰ】』を使って第一層に戻る。そこでカニのレアⅢとヒトデのレアⅡが存在しないか確認してから、休みを取ろうと思う。クリス、今何時?」

「こちらの時間で18時ですわ」

「そっか。ちょっとお腹空いてきてたし、やっぱり結構いい時間だな」


 今から休息して、その後に第一層の制覇チェックでも悪くはないんだが……。ふむ。


「1時間もかからないだろうし、このまま第一層を終わらせちまおう」


 全員が頷くのを確認し、メダルを使用する。


【青のメダル【Ⅰ】を使用しますか?】


「使用する」


【190ダンジョン第一層へ移動します】



◇◇◇◇◇◇◇◇



 結果から言えば、カニのレアⅢとヒトデのレアⅡは存在しなかった。念のため両方5体同時にレアやレアⅡを撃破したんだが、煙は特に交わることなく全てコイン入りの最高レベル宝箱を排出し、その状態で他の嫁達に開けさせてみたが全てメダル入りだった。

 最高レベルの宝箱さえ引ければ、中身は100%と言う訳だ。まあ、俺が触れた際に選択肢が出なかったから、ほとんど分かりきっていた話ではあるんだが。そうして第一層のチェックを終えた俺達はそのままメダルを使用せず徒歩で第二層に移動し、そのまま第三層まで歩を進めた。

 クリス曰く、キャンプを張るなら第三層の方が断然良いとの事だったので、その言葉に従ったのだ。そしてその第三層は……。


「おー……。ここもリゾート地みたいな場所だな」


 見渡す限りの大海原に、島がポツンとある階層だった。見た目はバカンスにピッタリではあったが、沖の方にはモンスターの気配が蠢いているし、一般客が訪れる事はなさそうだな。


「雰囲気だけで見れば最高のロケーションですね」

「ん。ゴロゴロしたくなる」

「この島は安全地帯なのね?」

「モンスターを呼べば階段ギリギリまで襲ってきますので、完全な安全地帯というわけではありませんわ」

「ほーん」


 探索してみたくはあるが、流石にもう20時前だ。腹も減ったし疲労も溜まってる。今日はこのくらいで終わるとしよう。

 ……どうせこの後、夜のターンが待ってるだろうしな。


「「「「「『『『♡』』』」」」」」

「……」


 頑張ろう。



◇◇◇◇◇◇◇◇



『おにいさんおにいさん』

「んー?」


 翌朝。朝食を終え、準備体操をしているとリリスが興奮した様子でやって来た。


『おにいさんはどうしてそんなに元気なんですか?』

「どうしてって?」

『だって、昨日もあんなに……』


 そう言って恥ずかしそうに顔を赤らめた。自分から聞いといてその反応はどうなのよ。まあ可愛らしいから良いけどさ


『マスターって、ほんと絶倫よね~』

「ん。アイラ達の教育の賜物」

「ある意味で1つの完成形よね」

「メンタルがやられない限り、勇者様が疲労で折れる事はないですもんね」

「新種族になってからは、特にそう感じますわ」

「持久力が無限になったような気もします」

「一応限界はあるぞ?」


 飯でブーストかけられてるから無限に感じるだけだと思うんだがな。


「まあそれはともかく、まずはこの階層の調査だ。昨日から調べたくて仕方なかったんだ」

『ふふ。マスター様はこの階層に到着してからもずっと、そわそわしていらっしゃいましたしね』

「とりあえず視点飛ばしてマップ埋めてるから、皆はゆっくり片付けでもしてて」


 そう言って胡坐を組んで、視界を空へと飛ばす。まずは……この階層の壁まで飛ばしてみるか。


「……」


 今まで経験してきた中で、フィールド型のダンジョンで一番大きかったのは『696ダンジョン』の第四層だろうか。あそこは1つ1つの島が巨大な上に、そんな島が四方に4つ、シークレットで2つも隠されていた。そんな島々を丸ごと抱えていたのがあの階層だった。小さく見積もっても、一辺10キロは下らなかっただろう。

 流石にそれを越えるような広大なダンジョンは、今のところ経験――。


「待て、壁はどこだ?」


 かれこれ数分かけて視界を飛ばしているが、まだつかないのか? マップを見ればこの中央の島は今や点のように小さくなっているし、クリスを見れば苦笑いを見せている。

 この階層、想像の数倍は広いぞ!?

10/10よりコミカライズ2巻の予約が開始されました。

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よろしくお願いしまーす!!

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