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ガチャ1020回目:虚無感

『ゲゴゲゴッ!』

『ゲゴゲゴッ!!』

『ゲゴゲゴゲゴッ!!』

「おーおー、怒り狂ってら」


 現在、『ケイブビッグフロッグ』の数は5体にまで増加。流石に5体の巨大カエルを同時に相手にするのはめんど……大変だったので、連中は纏めて壁沿いに追い詰め、『エレメンタルマスター』の力を使って岩の壁を出現させて閉じ込めてある。

 5桁台の『知力』をもってして作られた堅牢な岩の壁だ。勢いがつかない密閉空間の中じゃ、連中がお得意の突進も威力を出せないし、破壊は不可能に近いだろう。ちゃっかり岩と岩の壁の間には隙間を設けているし、連中の怒りの声が周辺の雑魚カエルを無尽蔵に呼び寄せる為、簡単なトラップというか、カエルホイホイが出来上がっている。


「このまま何体でもレアを呼び出せそうだが……絵面が酷いな」

「ん。ショウタが悪徳な調教師みたいにみえる」

「ふふ、そんな場面もしっかり撮ってますよ、ショウタ様」

「こんな映像、子供達には見せられないわね~」

「教育によろしくないな」

「そうですねー。でも、もっと良くない事は毎晩してますけどね」


 まあそれはそうなんだが。


『あら、良いじゃない。こんなにいっぱい囲ってるんだもの。子供達にはそれが当たり前だと思ってもらった方が良いんじゃないかしら』


 まあうちは、他所とはあまりにも違い過ぎるもんなぁ。


『駄目ですよアズ様。それが当たり前だとしても、子供達には常識と節度は持って頂かなくては』


 確かに。常識は知っておいてもらわないといけないよな。


『えっと……? 子供たちに何か問題がある事ありましたっけ?』


 サキュバスの視点で言えばその行為自体は大事な食事でしかないもんな。……ああでもそうか、教育を間違えるとリリスみたいな思考回路になっちゃうのか。それは注意しないと。

 まあ、うちの嫁達は皆賢いし、子供たちが道を踏み外すような教育はしないと思うけどな。だからといって投げっぱなしは良くないから、俺も協力できる事は何でもしてあげたいところである。


「おっ」


 なんて考えていると、今倒したカエルがちょうど100体だったらしく、そこからレアモンスターが出現してくれた。


『ゲゴ?』

『ゲゴー!』

『ゲゴゴー!』


 新たに出現した同胞に呼びかけるように、岩の中の連中が叫ぶ。それなりに知能があるからか、何か意思の疎通ができるのかもしれない。

 新たに呼び出したこいつが妙な行動を起こさないように、さっさと倒してしまうか。


『パチンッ』

『ガラガラガラッ!』


『ゲゴッ?』

『ゲゴゲ??』


 突然岩が崩れ解放された事にカエル達が動揺している。その隙に新たに出現したレアを集団のいる方に蹴飛ばし、俺はそれなりに力を込めた一撃を放った。


「『閃撃・一刀破断』!!」


『斬ッ!』


 纏めて斬り捨てられたカエル達はなす術なく煙となって消えていき、その煙はモクモクと洞窟の天井に集まって行った。


「ふぅ……。やっぱ、モンスターとはいえ向こうの生き物なんだよな。そんな奴らに雑魚狩りを手伝わせた挙句に全て倒し続けるのは、なんかメンタルがやられるな」

「ん。気持ちは分かる。相手は積極的に人間を襲うようなタイプじゃないし、なおさら」

「最初はレアモンスターが手下を集めてくれるので楽ではありましたが、岩の壁で閉じ込めてからはちょっと嫌な感じでしたね」

「ショウタの検証も、作業的に狩りをするようになったらおしまいってことね」

「沢山集めるのでしたら、『機械ダンジョン』のような無機質な存在か、アンデッドの方が気が楽かもしれませんわね」

「勇者様、うちのダンジョンではいっぱい検証できますよ!」

「そうだな。ありがとう」


 検証は、楽しさを忘れて義務感や作業感を出したら途端に虚無感に襲われるんだよな。初心を忘れないように気をつけなきゃ。

 そうして話しているうちに煙は再び6つに分たれ、中から新たなモンスターが生み出されようとしていた。さすがにこの段階では合体はしないらしい。残念だが、何が来るかなっと……。


『ズズズン……!』


『『『『『『ゲェェゴッ!!』』』』』』


 腹が異様に膨らんだ、少し小型のカエルが出現した。まあ小型と言っても、先ほどのレアと比べての話であり、通常の雑魚カエルよりも一回りくらいは巨体だったが。


*****

名前:ポイズンバルーンフロッグ

レベル:144

腕力:1300

器用:1600

頑丈:1200

俊敏:900

魔力:1000

知力:1600

運:なし


(ブースト)スキル】超防壁Ⅲ、剛力Ⅳ、怪力Ⅳ、阿修羅Ⅲ、俊足Ⅳ、迅速Ⅳ、瞬迅Ⅲ

(パッシブ)スキル】硬化Ⅲ、物理耐性Ⅱ、魔法耐性Ⅱ、斬撃耐性Lv5、貫通耐性Lv5、打撃耐性Lv5、状態異常耐性、体術LvMAX、狩人の極意LvMAX、暗殺の極意LvMAX、摩擦抵抗Ⅱ

(アーツ)スキル】チャージアタックⅤ、悪食Lv5

★【(エクス)スキル】ぬめりアーマーⅢ、劇毒腺、丸呑みⅢ、気化毒Ⅲ


装備:なし

ドロップ:バルーンフロッグの肉塊、バルーンフロッグの劇毒腺

魔石:特大

*****


 あー……。もしかしなくてもこの膨らんだ腹が、その名のバルーンで、スキル的に気化した毒ガスが充満していると見て良いか? とんでもなく危険なやつが出たな。

 そしてレベルと強さの方は、まあなかなかではあるし、6体も纏めて出てきてくれているのは助かるが……うん、レベルを消費してまで倒す必要性は感じないな。流石にこいつらを纏めても、再び200を超えるのは難しいだろう。『極大魔石』でもないしな。


「んじゃ、危険極まりない奴みたいだし、さっさと倒すか」

『『『『『『ゲェゴ?』』』』』』


 あ、そうだ。せっかくだしあれを試すか。今の俺なら多分できるはず。

 『魔導の御手』に巨神の剣を持たせてっと。


「ハーフブースト。……『閃撃追連・一刀連断』!!」


 二本の剣閃が大きく膨らんだカエルの腹を含めた胴体を一息にぶった斬った。


『『斬!!』』


【レベルアップ】

【レベルが204から205に上昇しました】


 よし、新技も綺麗に決まった!

 こんな映像なら、子供達に見せても問題ないだろう。……いや、流石にデンジャラスが過ぎるか?


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