ガチャ1016回目:ガーデンイール再び
「ここが第二層……。といっても、まずは地上に上がらないといけない感じか」
第二層の最初の光景は、暗い水中の洞窟と、正面に広がる地上までの登り坂だった。見上げた先には空気があるのか光が差し込んでいるし、あそこがクリスの言っていた息継ぎのポイントだろう。
この洞窟は他に続いている様子もなさそうだし、一旦上がるか。
「……ほぉー」
光が差し込んでいたから空でも広がっているのかと思ったが、この場所も洞窟だったか。ってことは、この第二層のテーマは……。
「海底洞窟って感じか」
「はい。その通りですわ」
「ふむふむ」
見渡す限りの洞窟で、鍾乳石が天井から垂れ下がり、落ちる水滴がポタポタと地面に水溜まりを形成している。ちょっと全体的に狭いが、『ハートダンジョン』の第五層を思い出すな。あそこじゃウーパールーパーが群れをなしていたもんだが……。
「こっちは……チンアナゴか?」
水溜まりのところに群れて出現しているのか、何本もの触手のような胴体がウネウネとしている。一般的なチンアナゴに比べれば巨体だし、見る人によっては悲鳴が上がりそうな光景だ。
「ん。黄色い悲鳴?」
「まあ好きな人は好きだろうけども」
うちの嫁にも何人かいるんだよな。特にアキとアイラがその手のモノを布教してたりしてるんだよなぁ……。
「日本のカルチャーは特殊で高度だとは聞いていましたが、本当でした……」
「ん。凄かった」
「結構面白かったわよ?」
「ショウタ様はああ言うのが好きなんですよね?」
「違うよ?」
「あれは丁度良いサイズですし、勇者様が望むなら、なんだって……!」
「やめてね?」
布教は順調そうだな……。
『♪』
『♡』
『現実ではできなくても、夢の中なら……♡』
ペット組からは期待の眼差しを送られてるし。理解はあるけどあの2人ほど見識がある訳でもないんだがなぁ……。とりあえず撫でとこ。
えーっと、それであのモンスターのステータスはと。
*****
名前:ケイブガーデンイール
レベル:26
腕力:120
器用:200
頑丈:60
俊敏:10
魔力:100
知力:180
運:なし
★【Eスキル】ぬめりアーマー、酸弾
装備:なし
ドロップ:ガーデンイールの白身
魔石:小
*****
『ぬめりアーマー』……。身体が妙にテカテカしてるというか、水がまとわりついてる感じがするし、『流水装甲』と同一の効果かな?
グアム島のダンジョンと違って『酸弾』とかいう遠距離攻撃手段を獲得している上に、『器用』が結構高めだから、それなりの命中精度は持っていそうではある。そこだけ見ると多少厄介な相手に見えなくもないが、脆いし同じ場所に何匹も重なっているから、やっぱり狩りやすいモンスターかもな。
あと、食材っぽいものを落とすのが高評価だ。まあ流石に俺は、生きてるモンスターを直接食う気はないけどな。
「とりあえず、どんなもんか確認してみるか」
俺はアーマーを解いて連中の前に躍り出た。
『『『『『……!』』』』』
「お」
風に揺られる雑草のようにウネウネしていた奴らが一斉にこっちを向いた。そして大きく息を吸い込むような動作の後、『酸弾』を吐き出して来る。その酸は一塊になって飛来してくるので、回避は簡単だった。これが文字違いの散弾だったら面倒な事になっていただろうな。
不意に生暖かい視線を感じて振り返ってみれば、嫁達はニコニコしていた。皆同じ事を考えていたのかもしれない。
とりあえず、素手は面倒だ。だが普通に剣で戦うのも味気が無い。ここは……アレを試すか。
「『魔導の御手』」
『魔導の御手』で手を2本呼び出し、武器庫から取り出した巨神の剣を装着させ思いっきり振るう。
『斬ッ!』
根っこから切り離されたチンアナゴ達はまとめて煙となったが、俺は武器の振り方に満足行かず、そのまま何度か素振りを続ける。『魔導の御手』を用いた武器の併用戦闘は今までに何度もして来たが、それは片手剣や槍、弓がほとんどで、両手持ちの大剣を持たせるのはあまり記憶になかった。
勢いをつけてぶった斬ろうにも、地に足付けて戦う人間の腕ではなく、空中に浮かぶ『魔導の御手』では威力の付け方が異なってくる。これの扱い方をうまくこなせない内は、『魔導の御手』を用いた疑似的な大剣二刀流は夢のまた夢なので、今の内に練習しておくか。
『斬ッ!』
『斬ッ!!』
『斬ッ!!!』
水たまりから顔を出すケイブガーデンイールを斬り捨てては微修正し、進み続ける事十数分。何度目かの群れを煙に変えたところで、その場にレアモンスターが出現した。
*****
名前:ビッグケイブガーデンイール
レベル:78
腕力:800
器用:850
頑丈:300
俊敏:10
魔力:1000
知力:400
運:なし
【Aスキル】震天動地、穴掘りLv1
【Mスキル】水魔法Lv2、水流操作Lv1、魔力回復Lv1
★【Eスキル】ぬめりアーマーⅡ、酸弾Ⅱ
装備:なし
ドロップ:巨大ガーデンイールの白身
魔石:中
*****
先程までのチンアナゴは直径30センチ、高さ1メートル程度の細長い個体だったのに、現れたのは直径1メートル、高さ3メートルの巨大なチンアナゴだった。ここまでのサイズになれば触手だなんて誰も思わんだろう。普通にただの怪物だ。
「んじゃ、こいつは直接やるか」
武器庫から魔帝の剣を取り出し、上段に構える。
「……ふんっ!」
『斬ッ!』
勢いよく振り下ろすと、『ビッグケイブガーデンイール』は頂点から根元までを綺麗に両断され煙へと変わって行った。
二層のレアで78は期待できるけど、それでも俺が楽しむにはまだまだ弱いな。
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