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ガチャ1000回目:大外れと大当たり

 んじゃお次はーっと。魔法2種だな。


 名前:毒魔法LvMAX

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:マジックスキル

 説明:取得が非常に困難な伝説の魔法。空気中に存在する微量な水分に対し、自然界に存在しない独自の毒素を発生させる特殊な魔法が使用可能。

 ★術者限定で、この魔法を使用した際の毒に対する抗体を有することが可能であるが、そのためには一度その毒を取り込み10分間生き残る必要がある。


「……あ、これダメなやつだ」


 全身が拒否反応を示している。

 取得も使用も、絶対にしてはならないと、警笛が全力で鳴り響いている。


「うわ、怖ぁ……」

「危険スキルですね」

「封印確定かしら」

「使い道は……無さそうですね」

「使いこなせれば敵なしでしょうけど、人間もやめることになりそうだね」

「イリスちゃんでも、覚えちゃダメなやつよね」

『プルーン』


 即死さえしなければ、回復し続ける限り生き残ることは可能だろうけど、毒に耐える過程が必要なのがな。俺がレベル1からMAXまでの毒全てに耐えることができれば、仲間達全員が同じ抗体を得られるかもしれないが……。うん、『直感』が拒絶している以上、やめたほうがいいだろうな。


「こっちがダメなら、もう1つも多分ダメそうだよなぁ……」


 名前:酸魔法LvMAX

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:マジックスキル

 説明:取得が非常に困難な伝説の魔法。空気中に存在する微量な水分に対し、ダンジョンの壁をも蝕みかねない超強力な酸を発生させる特殊な魔法が使用可能。

 ★取得したその瞬間、体内の液体が全てこの酸性物へと置き換えられる。その代わり、酸に対して完全無効の能力を得られる。


「いや、自分が良くても周りが死ぬじゃんそれ」


 こっちもまた完全にダメなやつだな。液体全部置換されたら、血液どころか汗もだろ?

 人との繋がりがない未開の地に住んでる奴なら使えるかもしれないが、こんなん使った瞬間に今までの人としての生が終わって、改めてモンスターとしての生が誕生するようなもんだろ。


「毒よりもっと厄介ね」

「完全に封印するべきね」

「ん。人が使うようなものじゃない」

「強力だけど、その分デメリットが大きすぎるわね」

「厳重に封印しておきましょう」

『プルル?』

「イリスが取得したら、食べ物が食べる前に酸で溶けるぞ」

『プル!? プルーン……』


 イリスはそんな未来を想像したのか、プルプルと震え出した。イリスにとってもそれは絶望の始まりだろう。


「こんな変なスキルを持ってない状態で生まれて良かったな」

『プルーンプルプル』


 イリスを撫でつつ、最後のスキルを確認する。


「最後はコイツだな。『絶望のオーラ』」


 名前:絶望のオーラ

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種類:スペシャルスキル

 説明:対象に絶望の状態異常を付与する。術者のレベル・ステータス・スキル使用の練度に応じて対象に与える絶望の振り幅が異なる。

 ★威圧系スキルと併用することで効果上昇。


「ふむ。単純に強いな。デメリットもないし」

「ん。これこそ本物の『伝説(レジェンダリー)』級スキル」

「あちらは悪い意味で『伝説(レジェンダリー)』級スキルでしたね」

「こちらもⅤまで上げておきますか?」

「ああ、そうだな。一応Ⅵ以上が存在するかもチェックして、それからついでに『状態異常耐性』もMAX化しておこうか」


 耐性スキルは基本ⅩがMAXであることが多いから、『伝説(レジェンダリー)』枠の『状態異常耐性』はそれなりにポイントを食いそうだけど、注ぎ込む価値はあるだろう。

 肝心の『毒魔法』と『酸魔法』が使えないことがわかっちゃったしな……。


「……よしっと」


 案の定『絶望のオーラ』はⅤで打ち止めとなったが、『状態異常耐性』はしっかりⅩまで育ってくれた。それなりにポイントは消費したが、貯蓄ポイントはまだまだあるから安心だな。


「そんじゃ、おまちかねのお宝チェックをしますかね」

「はい。ではこちらに」


 アイラが宝箱を3つ並べてくれる。嫁達は目を輝かせているが、ペット組の半数は微妙な表情をしていた。まあ気持ちは分からんでもないが。


「まずは『絶望の騎士』が落とした『プラチナの宝箱』だな」


 タッチしてっと。


【武器】

【防具】


 「あー。この感じからしてアイツの武具か……」


 奴が持っていたのは確か、魔帝の剣と、魔帝の鎧だったはず。どっちもカッコよかったし、悩ましいな……。

 けどまあ、コレクション的にも武器の方が良いかな。もしかしたら『武技スキル』のオマケが付いているかもだし。


「ポチッとな」


 選択後に箱を開ければ、案の定内部は暗闇だったので手を突っ込み、内部の物を掴み上げる。

 その結果出てきたのは、お目当てのものだった。


 名前:魔帝の剣

 品格:≪伝説≫レジェンダリー

 種別:両手剣

 武器レベル:68

 説明:魔帝のみが持つことを許された漆黒の大剣。闇の力を操ることが可能で、自身が持つ闇の魔力か、周囲の死霊を集めることで武器として扱える。条件を満たす事で武技スキル『ファントムロード』が使用可能。

 ★闇の魔力、もしくは死霊の力が一定量ストックされる事で、武器の品格が1ランク上昇し、武器レベルも8上昇する。

 現在の闇の力:0

 現在の死霊の力:0


「おおー。良いじゃん良いじゃん」

「漆黒ですわー!」

「おー。カッコいいじゃん!」

「ショウタさんによく似合ってると思いますっ」

「またご主人様の武器レパートリーが増えましたね」


 無難に強いというか、普通にデフォルト状態でも巨神の剣よりも格上の武器な上に、条件を満たせば『高位伝説(ハイ・レジェンダリー)』になれる潜在能力まで持っている。

 ただ問題があるとすれば、聖域化している我が家で取り出せば、闇の力も死霊も、即座に霧散してしまう点だろうか。我が家では力を溜められないし、真価を発揮させる場面もないだろうな。


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― 新着の感想 ―
こんばんは。 毒魔法…某黒いバッタRXのバイ○ライダー形態の部分劣化版ですね(笑) 毒を攻撃に転用できる点は勝ってますが。 酸魔法は…悪党なら即これ専用の捨て駒作って覚えさせるんだろうなぁ…。
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