ガチャ995回目:姉妹の子供達②
マキにキスをした俺は、アイラの元へとやってくる。
「アイラもご苦労様。母子共に元気そうで何よりだ」
「はい、ご主人様」
アイラは妊娠期間中も今までと変わらず、というかむしろ日を追うごとに活気づいたかのように動き回っていたからな。俺みたいな無茶をする事はないだろうけど、実際に元気そうで本当によかった。
「う~」
「お父さんだぞー」
「う~?」
この子はただただ不思議そうな顔で俺を見てくるだけで、手を伸ばしてくる事はなかった。けど、そっと指を差し出してみれば、両手でギュッとしてきたのがまた非常に愛らしい。
「アイラ、名前教えて」
「ふふ、この子の名前は花言葉から考えてツバキに致しました」
「ツバキかー。アイラのように凛々しい子になりそうだな」
「ぁう~」
ツバキを優しく抱き上げると、おねむになったのかうとうとし始め、スヤスヤと寝息を立て始めた。今のうちに見ておくか。
*****
名前:天地 椿
種族:ヒューマン
年齢:0
レベル:1
腕力:10(-70)
器用:40(-40)
頑丈:60(-20)
俊敏:12(-108)
魔力:120
知力:60(-20)
運:50
【Uスキル】弱体化Ⅴ(強制)
【Pスキル】全属性耐性Lv5
【PBスキル】破魔の叡智
【Aスキル】毒抗体Ⅲ、虚空歩
【Mスキル】魔力超回復Lv1
*****
うお、『虚空歩』!? 赤ん坊が持ってて良いスキルじゃないぞ……。
「アイラ、危ないから『虚空歩』は封印しとくな」
「はい、お願いします」
そうしてツバキをそっと下ろして、アイラに返した。ツバキはもう完全に熟睡しているようで、指を離してもすやすやと眠り続けている。
うーん、天使。
んじゃアイラにキスをして、最後は……。
「アヤネ、お待たせ」
「はいですわ」
満面の笑みを浮かべるアヤネに我慢できず先にキスをしていると、彼女の腕の中の存在がぴくりと動いた。見ると、愛らしいほどペタンと閉じた耳をぴくぴくと動かしていた。
「にぅ……」
「お父さんだぞー」
「んなー」
その子には猫のような垂れ耳と、お尻からは短くて愛らしい尻尾が生えており、瞳孔は縦のスリット型。それ以外は普通の人間と変わりのない赤ん坊だった。
「アヤネは頻繁に猫に変身してたからなぁ。引っ張られちゃったんだな」
「そうみたいですわ。旦那様、驚きました?」
「ああ。ビックリはしたけど、俺の娘であることに変わりはないな」
「にぅー……」
「くっ、可愛すぎる」
うちの子達は皆可愛いが、この子の場合可愛さのベクトルが違うな。
「アヤネ、この子はなんて名前なんだ?」
「この子はわたくし達の名前に合わせて、カナデにしましたわ」
「カナデかー」
サクヤさんの子供達は、長男が弓弦、長女が貴音、次女が雪音、末っ子が綾音だから、音関係の名前なんだよな。それで奏か。
……果たして、アヤネ1人で何人姉妹になるやら。
「にぃ~」
「おー、よしよし」
カナデをそっと抱き上げ、指を差し出すと、その子はかぷっと甘噛みをしてきた。カナデはあむあむと口を動かし、懸命にちゅうちゅうしてくる。
ちょっとくすぐったいが、それよりも可愛すぎて、胸が締め付けられるような衝撃に、思わず呼吸を忘てしまう。
*****
名前:天地 奏
種族:ハーフキャット
年齢:0
レベル:1
腕力:10(-70)
器用:45(-45)
頑丈:60(-10)
俊敏:12(-120)
魔力:120
知力:60(-20)
運:45
【Uスキル】弱体化Ⅴ(強制)
【Pスキル】全属性耐性Lv5
【PBスキル】破魔の叡智
【Aスキル】毒抗体Ⅲ
【Mスキル】魔力超回復Lv1
【Sスキル】獣眼
*****
種族は『ハーフキャット』。半人半猫ってとこかな? 猫要素は耳と目と尻尾くらいのもので、手足に肉球はなく普通の人間のものだし、爪も伸びてない。
気になるのは『獣眼』ってスキルだが、完全に初見だな。けど、名前からして異種族専用スキルなんだろうな。嫌な予感はしないし、封印の必要はないか。
「あむあむ……」
「ふふ。ほら、アヤネ」
「はいですわ」
十分確認を終えたので、カナデはアヤネに返してあげる。そうして子供達の可愛がりを我慢していた他の嫁達にも声をかける。
「じゃ、皆も良いぞー。ただ静かに、優しくな」
皆がワクワクを抑えきれないような笑顔で何度も頷き、それぞれの子ども達の前に集まっていく。
そのまま部屋の外で待機していたエンキ達やエスも部屋に招き、赤子に夢中になる皆の様子を眺めていると、部屋の隅っこで話し合っていた2人が見えた。なのでそちらへと向かい、心から頭を下げた。
「サクヤさん、ミキ義母さん。今日はありがとうございました」
「ふふ、良いのよ。私達の大切な娘たちの出産シーンだもの。立ち会えてよかったわ」
「ええ。それに私も、はやくショウ君の子供が欲しくなっちゃったわ♡」
「もう、サクヤったら……」
「はは、頑張りますよ」
俺達の立ち位置が良かったのか、嫁達がそれぞれの赤ん坊に対してメロメロになっている光景がよく見えたのだが、やはりというかカナデのところはほとんどの嫁達が愛くるしさに耐えられず、興奮を抑えきれずに鼻血を出しそうになったり、限界を超えて卒倒したりとリアクションは様々だった。
後付けの『傾国の美女EX』の効果が隔世遺伝したとは考えられないし、アヤネは他の嫁と違って可愛さに全振りだからな。娘にもその特性が引き継がれたのかもしれない。
うちのペット嫁組なんて、さっきから奏のそばにピッタリと張り付き微動だにしていないくらいだ。そんなに気になるかー。
「あの子達にとって、ショウ君と自分は種族が異なるもの。異種族の子供ができた時のショウ君の反応が気がかりだったみたいよ」
「タマモが言ってたんですか?」
「言ってはいないわ。彼女達の顔に出てたの」
「それは読めなかったな……」
でもそうか、種族が違うとどんな種族の特性を引き継いで産まれるか全くの未知だもんな。怖がるのもわからんでもないが、俺はそんな細かい事気にしないのになぁ。
「ふふ、今までは子供は欲しかったけど、きっと本気にはなりきれていなかったはずよ。だからこれからは、もっと大変になるんじゃないかしら?」
「が、頑張ります……」
どうやら、これからは今まで以上に搾り取られる事になりそうだ。
Xにて、現在の楔システムの様子を記した地図データを更新しました。
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