ガチャ994回目:姉妹の子供達①
俺はまず最初に産気づいたアキの所へと向かった。
「アキ、お疲れ様」
「うん。といっても、本当にあっさり出てきちゃったから、まだ実感ないかも」
そう言いつつも、赤ん坊を抱える彼女の表情は、まさしく母親の慈愛に溢れていた。そして赤ん坊は、生まれてすぐは泣き叫んでいたはずなのに、いつの間にか泣き止んでいて、俺の方をじっと見ては小さな手を伸ばしていた。
そんな赤ん坊の前に指を差し出すと、反射的にか、それとも理解してか、俺の指をぎゅっと握ってくれた。
可愛らしすぎるな。
「アキ、この子の名前は?」
産まれる子の性別とか名前とか、その日が来るまでお楽しみってことで、ナイショにされてたんだよな。
「女の子で、名前はキララだよー」
「キララか。もう名前から既に輝いて見えるな~。俺がお父さんだよ~」
「あうー」
キララの身体を優しく抱き上げると、その子は嬉しそうにキャッキャと笑った。ウチの子が可愛すぎる!!
しかし、妙に軽いな?
*****
名前:天地 綺羅々
種族:ヒューマン
年齢:0
レベル:1
腕力:10(-70)
器用:40(-40)
頑丈:60(-20)
俊敏:12(-108)
魔力:120
知力:60(-20)
運:50
【Uスキル】弱体化Ⅴ(強制)
【Pスキル】全属性耐性Lv5
【PBスキル】破魔の叡智
【Aスキル】毒抗体Ⅲ
【Mスキル】浮遊術Lv2、魔力超回復Lv1
*****
うん、期待通りちゃんと『弱体化』が満遍なく効いてるな。『頑丈』はまあある程度あった方が良いけど、『腕力』は色んな意味で、低いに越したことはないからな。ていうか、それでもやっぱり全体的に高いよな。『弱体化』が機能してなかった場合のステータスは、一般的レベル1の10倍近くはあるし。俺でいうと40倍くらいはある。一桁じゃなくて安心できるが、これがトラブルの元にならないよう頑張って行かなきゃな。
それと身長・体重・スリーサイズの詳細が視れないのは、流石に子供だからかな?
「うりうり」
「あうあー」
それにしてもこの軽さの正体は……やっぱこれだな。
「キララがやたらと軽く感じるのは、どうやら無意識で『浮遊術』を使ってるみたいだ」
「あ、そうだったんだ」
「きゃっきゃっ」
「アキ、どうする? 『スキル封印』で『浮遊術』を封印しとくか?」
「んー。私が一緒にいるから平気と言いたいけど、寝てる時に発動されたら危ないもんね。一応封印しておいてくれる?」
「分かった」
「たうー」
キララはさっきから変わらず俺の指をにぎにぎして遊んでいるので、そうしている内にぱっと封印をしておいた。何度か試したんだが、『スキル封印』は直接触れてさえいれば他者のスキルにすら干渉できるんだよな。ただ、集中しないといけないし強い相手に対しては許可が下りてないと弾かれてしまったりするらしい。
んー……。他のスキルは、そのままでも問題ないだろ。
よし、これで元通りだ。改めてもう一度キララの重さを実感した俺は、そっとアキの手に戻してあげる。
「あうー」
「また後でなー」
「きゃっきゃっ」
俺の言葉を理解しているのかしていないのか、キララは笑顔で応えてくれる。地頭の良さは『知力』の影響をほぼ受けないとはいえ、生まれてすぐにこのステータスなのだ。もしかしたらウチの娘は天才かもしれんぞ。
……流石に親バカがすぎるか? それはさておき次だ。アキにキスをして、そのままマキの元へと向かう。
「マキも、お疲れ様」
「はいっ。私達の子供ですよ、ショウタさん」
彼女の腕の中にいる赤ん坊を見る。優しそうな目元がマキそっくりだ。というか全体的にキララにもそっくりな辺り、やっぱり姉妹だよなぁ。
「この子の名前はリリカ。この子も女の子ですよっ」
「リリカか。キララと対になるように付けたんだな」
「はいっ、4人で考えましたっ」
「あーい」
リリカを抱き上げると、キララの時と同様に指を掴んでくる。ウチの子は本当にぎゃわいいなぁ。
*****
名前:天地 梨々香
種族:ヒューマン
年齢:0
レベル:1
腕力:10(-70)
器用:40(-40)
頑丈:60(-20)
俊敏:12(-108)
魔力:120
知力:60(-20)
運:50
【Uスキル】弱体化Ⅴ(強制)
【Pスキル】全属性耐性Lv5
【PBスキル】破魔の叡智
【Aスキル】毒抗体Ⅲ
【Mスキル】浮遊術Lv2、魔力超回復Lv1
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ふむ。ステータスもスキル構成も全く一緒と来たか。双子みたいなもんだしな。そりゃ似ちゃうのも、ある意味では当然の帰結か。
そしてリリカは『浮遊術』は使っていないのか、標準通りの体重を腕に感じられた。だがまあ、マキもアキと同意見らしいので、このまま『浮遊術』は封印しておこう。
「よしよーし」
「きゃっきゃっ」
「しかしまあ泣かない子達だな」
「産まれた時は泣いてましたけど、ショウタさんが入ってきてからは皆泣き止んだんですよ」
「そうなのか」
「きっとこの子達も、ショウタさんがお父さんだって分かったんですよ」
そうなのか? 本能的に分かるもんなのかね。
とりあえずリリカはマキの腕に返してあげてっと。……おっと、リリカが指を掴んだまま離してくれない。その力は弱々しいが、なんというか振り解きたくはないんだよなぁ。
「あうー」
「はは、リリカは甘えん坊だな。お前の妹達とも挨拶するから、待っててくれなー」
そういうと、掴む力が若干弱まったのを感じた。うーん、俺の言葉が通じてる感じがするんだよな……。
やっぱりウチの子達は天才かもしれんな!
そして次は……順番的にアイラだな。
Xにて、現在の楔システムの様子を記した地図データを更新しました。
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