ガチャ984回目:第七層
ゲートをくぐると、そこは豪華な城のエントランスのような場所にいた。この部屋の感じ、なんというか『001ダンジョン』にあったアズの城を思い出させるな。
ということはつまり……。
「アズ、ここは魔王城か?」
『ええ、あいつの城の一部だと思うわ。まあ、あたしはアイツの城の全部を把握している訳じゃないけれど……。リリスなら知ってるんじゃない?』
「リリス、どうなんだ?」
『はい、おにいさん。ここはお父さまのお城です! お姉様があちらの世界を去った際、アスモデウス城が消失した事で他の魔王の方々も同様に城をダンジョンに組み込むことにしたそうです。その際お父さまとお母さまで半々に分けたそうなのですっ』
『あたしの場合、城が消えてたのは不可抗力だったんだけどね……』
『そうなんですか?』
『ねぇ、タマモ?』
『はぅ……』
色々な感情が渦巻く笑顔で見つめられ、怒られると思ったのか、タマモは俺の後ろに隠れてしまった。
よーしよーし。怖くないぞー。
『くふ~……』
『もう、マスター』
甘やかすなって? それは無理な相談だ。
「悪いな、俺は嫁には甘いんだ」
『むぅー。じゃああたしも甘やかして!』
逆サイドから抱き着いて来たアズも同じように甘やかすと、一瞬でご機嫌になってしまった。そして話の途中で置いてけぼりにされてしまったリリスは、キュビラから説明を受ける事でアズの城を借りパクした事実を理解出来たようだった。
んで、だ。
「とりあえず、このエントランスはダンジョン用に作られた場所じゃなくて、普通にあっちの世界での城を流用した場所なんだよな? となると、今までの俺の攻略法が通用しなさそうなんだよなぁ……」
「ショウタを攻略するには、ダンジョンじゃなくて他の目的で作られた建物を出す事だなんてね」
「ん。最後にショウタの弱点が当たっちゃったね」
「では今回は、私達が正面に立ちましょうか?」
「まあ。良案ですわね」
「貴族の御屋敷などは私達も沢山経験していますからね。どうされますか、勇者様」
「あー……。じゃあお願いしようかな」
俺が経験した事のある大きな屋敷なんて、それこそ新築された我が家と宝条院家くらいのものだ。あとは、俺らのために新設された結婚式場くらいか? あれも屋敷にカウントするべきかは分からんけども。
俺が前衛を頼む事が珍しいからか、嫁達はご機嫌な様子で隊列を組んでいた。だが、油断も慢心もそこにはなく、楽しげな雰囲気の中でもピリッとした空気が張り付いていた。最近は雑魚狩りとかアイテム回収役とかでついてきて回っている事が多いけれど、彼女達は元々一流の冒険者なのだ。こういう時は頼りになるなぁ。
そうして彼女達にエントランスを一通り調べて貰ったのだが――。
「ここの部屋は、どうにも正面以外の入口はハリボテみたいなのよね」
「質感は本物ですし、本来は他の扉の先は実在していたと思われるのですが、ダンジョン化の際に消えてしまった感じがしますわ」
「ん。ダンジョンの壁と同様あれらの扉は破壊が不可能に設定されているみたい。でも音の通りからして、あれらの扉の奥は本当に存在しないみたい」
「ダミーという訳では無くて、先程のリリスちゃんが言うように分割する過程で消えてしまったと考えた方が良さそうですね」
「ならば、あの正面の大扉が唯一の攻略ルートということですね」
「ふむふむ」
いやぁ、皆が逐次見つけたものを報告してくれるから、楽できて良いなぁ。違う視点で視れるのもあるし、勉強にもなるから、たまには彼女達に攻略を任せるのもありかもしれないな。
そんな彼女達をアズは黙って見ているし、何も言わないという事は見逃してる要素もないということだろうな。
「では参りましょう、勇者様」
「ああ」
彼女達を先頭に大扉を越えると、玉座の間にでも通じていそうな巨大な扉がある部屋へと辿り着いた。その部屋の両壁には今にも動き出しそうな悪魔っぽい邪悪な像と、その背後には何かを収める為に用意された穴が6つずつ並んでいた。
ということは、ここであの宝箱の出番という訳だな。
「んじゃ、宝箱を収める訳だが……。どっちが表かとかは、特に書いてないな」
なら、『解析の魔眼』で視れるかな?
宝箱を全て取り出して視てみれば、それぞれの宝箱が対応する穴に向けて薄く細いパスがつながっていることが分かった。うん、分かりやすくて助かるね。
俺は宝箱を穴に対応するように並べ替え、アズとリリスを除く全員に、箱を持って対応する穴の前に移動するよう指示を出した。
「ん。珍しいね、ショウタが自分でやらないの」
「たまにはね」
「こんな些事でも、お願いされるのは嬉しい事ですわ」
「ふふ、そうね」
『ねえねえマスター、あたし達はー?』
「2人はお留守番。なんとなくそうした方が良い気がしてな」
『はーい♪』
『……』
リリスはここのギミックを知っているからか、何も言わないでいた。そしてアズも、ある程度把握してるような素振りを見せてるんだよなぁ。まあ、こっちにはマップがあるから、全てお見通しなのかもしれないが。
「よし、全員配置についたな。入れてくれ!」
そうして彼女達が箱を収めると同時に、悪魔の像がせり上がり、そこから宝箱が出現した。それはどちらも『プリズムの宝箱』だった。
だが、喜ぶのはまだ早そうだな。何せ――。
『『我らを目覚めさせたのは貴様らか』』
2体の悪魔像が動き出したからだ。
『『……えっ?』』
まあ、俺を睨みつけた後、その両隣にいる存在に気付いて困惑してるみたいだったが。
やっぱどっちも顔見知りか~。
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