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ガチャ981回目:騒音ステージ

 うーん……。


『……♡♡』


 皆で朝食を摂ってる時も、ダンジョンを移動中も、リリスはずーっと俺に向けて熱心に視線を送って来ていた。


「さっきからどうしたんだリリス。何か言いたいことがあるなら遠慮なく言っていいぞ」

『……♡♡♡』

『もうリリス、マスターに呼ばれてるわよ』

『……はぇ?』


 アズにほっぺをツンツンされてようやくリリスは反応した。


『全く。女の子をこんなに夢中にさせるなんて、マスターも罪作りな人ね♪』

「それだけ昨日のアレが凄かったんでしょ」

「ん。ショウタの獣は収まるところを知らない」

「最近はさらに拍車がかかっていますよねー」

「料理に何か盛られていたのでしょうか?」

「いつも通りに滋養強壮効果が期待できる食事に、強壮剤と、興奮剤と、漢方とその他諸々が入っていましたわ。ですので特別何かが入っていた訳ではないかと」


 いやいやいや。特別もなにもすでに特盛りフルコースなんだけど!?

 俺としてはオーク肉が入ってるかなくらいの認識だったんだが、そんなに多種多様な効果のラインナップが含まれてたのか。しかもこの感じ、さりげなく俺によそってくれた食事にだけ入ってたっぽいな。あと、いつも通りって事は毎日摂取してるって事だよな?

 ……普通の人間がそんなのを一気に取り込んだら、死ぬんじゃないか?


『獣性全開のマスター様も、とっても素敵でした♡』

『御主人に求められるのは強さだけでなく、わっちらを満足させてこそなのじゃ!』


 まあ、そのおかげで毎日食後の戦いを、最低でも2時間以上続けられてるんだろうけどな。だが困った事に俺の身体は1つしかないのに嫁は8人もいて、昨日から新米のサキュバスも加わってるんだ。彼女達全員を満足させるには、時間がいくらあっても足りやしない。


「まあいいや。それよりも、この先が第六層だな」


 昨日倒した首無し騎士が守っていた門の先。そこには次の階層へと転移するゲートが口を開けて待っていた。

 お次は騒音が酷いエリアだそうだが、実際どんなもんかなっと。



◇◇◇◇◇◇◇◇



『ドッ! ガラガラガラ!!』

『ザアアアアアアア!!』

『バリバリバリバリ!!』

『ガガガガーン!!!』


「……」


 うん、想像以上にひどかった。

 皆が口々にこの階層の酷さを呟いていたが、まるで聞こえてこないくらいには煩かった。


『ガガガガ!!』

『ゴオオオオ!!!』


 このエリアは全体的に積乱雲を主軸にしたステージのようで、そこから落雷やら竜巻やらが発生し、更には目を開けるのも億劫なほどの雨風が降り注いでいた。空にはこの3種のエネルギーが常に激突し、互いに喧嘩しながら地上に様々な砲撃が降り注いでいた。


『バリバリバリ!!』

『ドガガガガッ!!』


 大地に次々と降り注ぐ雷や、大地を穿つ豪雨。そして全てを斬り裂く暴風。

 ここは常に鳴り響く轟音による騒音もそうだが、その振動による大地の揺れも凄まじいエリアだった。確かにこれでは身体を休めることは不可能だな。結界2種で音を遮ろうとも、大地を揺らすこの振動は打ち消せはしないのだから


『ドドドンッ! ドドドドンッ!!』

『バリバリバリ!!』

『ガガガガガーン!!』


「あーもう、うるせえな!!」


 ついに耐え切れなかった俺は、鞄の中から『封音の魔導具』を取り出し周囲に展開。仲間達全員を結界に包み込み、消音・防音の効果を発動させた。これで外部の喧しさとはおさらばだ。


『ズズズズン……!』


 まあ、想像通り振動による衝撃までは抑えきれないようで、常に地面は揺れているが……。これで幾ばくかマシにはなったな。


「ふぅ、これでようやく話せるな」

「耳が痛いですわ」

「まるでメソサイクロンですね……」

「マリー、一応皆に治療を頼む」

「はい、任せてください!」


 マリーが結界内の全てを対象に回復魔法をかけてくれた。


「痛みが治まりましたわ」

「ありがとうマリー」

「助かったわ」

「どういたしましてー」

「にしても、ここまで騒音が酷いとはな。こりゃ耳栓必須だな」

「ん。こんなエリアは想定外。入るだけでデバフを撒き散らすダンジョンとかは見たことあるけど、ここまで盛大なデバフを撒き散らすダンジョンは初めて」

「呼吸ができないわけではありませんが、立っていられないほどの騒音は厳しいですわね」


 まあ耳栓は冗談だったが、正直それだけじゃこの外の轟音は余裕で貫通してきそうなんだよなぁ。今からアイラに連絡して、人数分の『封音の魔導具』を用意してもらうべきか……?


『あいつ、ほんと性格終わってるわね』

『あのモンスターが突破される事はないと思って、こんなふざけた設計をされたのでしょうか』

『無茶に設定を盛るとどこかで管理に歪みができるものじゃ。じゃというのにそれがないということは、ゾロ目ダンジョンによる恩恵が桁外れに高いのと、601で余っているエネルギーも余すことなく活用しておるということじゃの』


 ダンジョンが持つ本来のエネルギーキャパか。確かに、『アンラッキーホール』も『レベルガチャ』なんていうぶっ壊れスキルを内包していたくらいだ。ゾロ目によるダンジョンを強化する機能は、とんでもなく強いという事だろうな。


「しかし、空を覆う3種の天候か」


 外で起きているのなら、今の俺達なら現象ごと吹き飛ばしたり切り払ったりできるが、ここはダンジョンシステムによって作った特殊環境だ。切り払ったところですぐに元通りになるだろうが……。

 うん、でもこの天候も、ダンジョンのシステムの一部ではあるんだよな? となれば、1つ試してみるか。

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