表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1037/1158

ガチャ972回目:601ダンジョンについて

「とりあえずリリスは、争いごとは苦手なんだな?」

『はぃ……』

「アズも、その認識で間違ってないか?」

『ええ。こっちに来てるだろうことは分かってたし、ダンジョンボスとしての務めは果たせてるのか心配ではあったけど、居住区に割り当てられてるのなら納得だったわね』

「なるほどな。……アズ、キュビラ、タマモ。いつまでも怯えさせてたら可哀想だし、お前達の境遇を教えてやれ」

『はぁい♪』

『はいっ♡』

『かしこまなのじゃ』



◇◇◇◇◇◇◇◇



 そうして3人のペット組からの待遇説明を受け、ようやくリリスが肩の力を抜いたのを感じた。まあ、言わなくていい事まで言ってる気がしたけど。夜の回数の話とか。

 けどリリスはサキュバスだからかな。そっちの方が興味津々だったようだけど。


『ま、この子夢の中に入る技術は凄いけど、そっちは未経験だけどね♪』

『お、お姉様……!』

「サキュバスなのに??」

『サキュバスの搾精は、直接でなくても夢の中から間接的に貰うだけでも大丈夫なんです。もしくは、同族達が集めた精気を貰う事でも生きていけますね』

「ほーん」


 まあその辺は、多分本人の性格的問題もあるだろうけど、親の問題が根深そうだよな。なんせ魔王だし、その娘がそういうことをするのは外聞的に難しかったりしたのかもしれない。


「さて、リリス」

『はいっ!』

「601も居住区らしいけど、そこにはサキュバスの群落があるのか?」

『そうですっ!』

「サキュバスは全部で何人だ?」

『50人ほどですっ!』


 それはなんというか、ほんわかする狐族カーニバルと違って、ヤバ目の雰囲気がするんだが。そんな大人数をこの世界に解き放って大丈夫か……?


「サキュバスは精気を摂取しないと生きていけないと聞いたが、彼女達はダンジョン内での生命維持装置的な物で、自給自足してるのか?」

『……ええと』


 リリスは言い淀むと、ちらりとアズに目を向けた。何か言いにくい事なのかな?

 そんなアズは笑顔でサムズアップしてみせる。


『その、ダンジョンのシステムだけでは全然足りないんです。なのでダンジョンが出現した島の島民や、そこに訪れる観光客や、冒険者の方々の夢に入って、精気を頂いています。ですが、やり過ぎて死人を出しては怪しまれるので、搾り取るようなことはしていません。せいぜい、あの島に行くとエッチな夢をよく見る程度の噂が立つくらいです』


 噂が立つ時点でだいぶやってそうではあるけど……。いや待てよ?


「島民や観光客も食い物にしてるってことは、もしかして居住区のダンジョンは、内部の住人たちの出入りは自由だったりするのか?」

『たぶんそうなのじゃ。わっちらは目立つ故一度も外には出なかったが、キュビラのダンジョンにはわっちだけじゃなく我が子らも遊びに行っておったのじゃ』

「なるほどな」


 なら不思議じゃないか。

 ……ふむ。他の01ダンジョンも、ひっそりと住人が出入りしている可能性があるのか。


「リリス、その住人たちについて聞きたい。1つ、リリスの命令は絶対に聞いてくれるか。2つ、好戦的か否か。3つ、人間への害意はあるか」

『争いよりも享楽的な者達なので、争いを避けるためにわたしの命令にも従ってくれています。人間に対しては、最初はエサ程度としか思っていなかった者達もいましたが、今では色々な人間の夢に入るのが楽しいと感じてくれています。害意は無いと思います……』

「ふむ」


 食事兼楽しい時を提供してくれるアトラクション的な位置づけか。争いを起こしたら、搾精できる機会も限られ楽しむ余裕が無くなるからな。

 けどそれは、割と何か大きなことが起きればいともたやすく傾きそうではあるが。……ふむ、そういう職場を提供するのも俺の役目か。


「サキュバスの風俗街みたいなの、サクヤさんに作ってもらうか。ノウハウはアズ達にもあるだろうし」

『そういうことなら任せて♪』

『頑張りますっ♡』

『わっちは携わってなかったから、彼女らの扱いはよく分からないのじゃ。その代わり、サクヤと共にサポートするのじゃ』

「リリスも、それでいいか?」

『ええと、風俗街というのは、お姉様の城下町のような?』

『それで合ってるわよ♪』

『わぁ、ありがとうございます! お兄さんが優しい人で良かった……』


 リリスは羽をパタパタさせて喜びを表現した。

 なんとも可愛らしかったので手招きして頭を撫でる。


『えへへ……』

「リリスは角や羽は仕舞えるか?」

『はいっ』

「なら、アズと同じようにしてくれ」


 小さくても立派な角だ。ちゃんと痛い。


『分かりましたっ』

「それから、601へ繋がるゲートはこの近くにあるのか?」

『はいっ』

「そうか。……ふむ。テレサ、時間」

「はいっ。現地時間でお昼の12時。残り時間は16時間ですっ」

「ふむ。2時間経ったか」


 白ウニ大爆発で2時間稼げたから、残り時間は減ってないみたいだけど。

 601の平定を先に済ませる時間くらいはあるけど、先に行くメリットとデメリットを考えるか。

 メリットは、この先に進んだとしてリリスがやられたと勘違いして逆上したサキュバス達が何をしてくるか分からないので、それの阻止ができる事。後顧の憂いは経っておいた方がいいだろう。

 デメリットは、ここのボスに警戒される事だが……それは、通知をOFFにすれば問題は無いか。666の平定と同時に流せば問題は無いだろう。


『わぁ、スタンピードの発動までの時間が分かるんだぁ』

『ええ、メズマリウスの工房の1つでマスターがゲットしたのよ♪』

『お姉様、すっごく嬉しそう』

『マスター様は、アズ様の好みを詰め込んだような理想の御方ですから♡』

『くすっ。お姉様好みの人が見つかってよかったですね!』

「よし、方針は決まった。リリス、そのゲートに案内してくれ」

『はいっ!』

読者の皆様へ


この作品が、面白かった!続きが気になる!と思っていただけた方は、

ブックマーク登録や、下にある☆☆☆☆☆を★★★★★へと評価して下さると励みになります。

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍版第四巻 12月20日より好評発売中!
レベルガチャ1巻表紙絵 2巻表紙 3巻表紙絵 レベルガチャ4巻
コミカライズ第二巻 12/15より発売決定!予約受付中!!
コミカライズ1巻 コミカライズ2巻
― 新着の感想 ―
サキュバス居るなら、当然インキュバスも出るのかなぁ?当然悪役で(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ