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ガチャ960回目:いじわるダンジョン

 襲って来た雑魚敵連中は嫁達に任せ俺はマップの確認をしていた。今のでまた第二層にいたほとんどのモンスターを殲滅し終えたはずだが、宝箱に動きはない。

 コンドル撃破後に出現していた宝箱はそのままだし、増殖の気配はない。そして先ほどゲットしたリザードの宝箱や罠は復活する事はなかった。俺がこの場にいるからか、それとも1度きりなのか、時間制のルールがあるのか……。その内のどれかであることは間違いないが、連続して出てこないなら用はないな。


『マスター。コンドル400、リザードも300ほど今ので倒し終えたわよ』

「確認とアイテム回収ご苦労様」

『んふ♪』

『プル~。プルプル!』

「ああ、肉はもう前半戦の分は鞄を通してアイラ達に渡ってるはずだから、それの肉料理も出来上がってるはずだぞ」

『プル~ン!』


 『悪食』でナマも行けるけど、やっぱり焼いたり調味料使った方が美味しいもんな。イリスはさっきの踊り食いからずっとテンション高めだ。


『マスター様、どの地点から地上に帰えられますか?』

「第二層の出口付近かつ、ここから近い方でいいかな。……うん、あっちにいこうか」


 そうして雑魚がいなくなった下層を通り抜け、目的の場所に到着。透明の壁と思しき場所に自ら突っ込むと、中には螺旋階段が隠されていた。そしてその階段も、ただの階段という訳では無かった。


「……トラップがあるな」

『ええー? やらしすぎない?』

『最悪なのじゃ』

『ここの支配者は本当に悪辣ですね』

「ん。テイムする必要ないと思う」

「絶対仲良くやれる気がしませんわ」

「まあそういう訳にもいかないんだがな」

「勇者様、やっぱりテイムされるんですよね……?」

「アズはしてほしそうではあったけどな。そもそもの話だが、テイムするイコール、家族に迎えるって訳じゃないからな? 本当に最悪の相手なら、封じるって意味合いでもテイムは必要になると思うし」

「そういうことでしたら……」

「バチカンをここまで陥れた奴ですし、そう判断して頂けるなら助かります」

「ええ、それなら皆も納得できるわね」


 やっぱり皆思うところはあったらしいな。


「なあアズ。魔王とかのエンドナンバーにいる連中を、テイム推奨する理由……まだ伝えれそうにないか?」

『べ、別に秘密にしてる訳じゃないのよ? ただ、今までのノイズの傾向からしてほとんど伝わらないと思っただけで』

「ああ、それは分かってるさ。アズがそう思ってる以上、その情報はそれなりに世界の秘密に触れるんだろうし。……とりあえず、俺がテイムせずに始末したりしたら、困った事になる可能性が高いんだな?」


 アズはこくりと頷いた。


「この話、キュビラやタマモは知らないんだよな?」

『はい、存じ上げません』

『知らぬのじゃ~』

「困った事になるのは、俺か? この世界か? アズの世界か?」

『ザザザザザ』


 アズの言葉だけでなく、表情も動きもノイズに包まれたかのように一瞬意識が飛んでしまった。まだまだレベルが足りないと。


『……やっぱり、ダメだったみたいね』

「とりあえず、どんな悪辣な奴でもテイムはしよう。そんで情報が聴けるようになった段階で、改めて処理するかどうか決めれば良いさ。皆も、それで良いな?」


 皆が頷くのを確認し、改めて階段の方へと意識を戻した。


「とりあえず、どんな罠か発動させてみるか。それっ」


 適当に土の塊を発生させ、罠の起動条件らしき場所に投げ込んでみる。


『ジャキン!』


 壁から剣山みたいなものが生えて来た。なるほど、こういう系か。


「一度見れたしもう良いか。シャル、『スキル強制』で与えるスキルを『弱体化Ⅴ』から『解析の魔眼Ⅲ』に切り替えるから、それで罠を壊しながら先行してくれるか?」

「OK!」


 そうしてシャルに全部壊してもらいながらひたすら長い階段を進んでいく。数百メートル分の螺旋階段だからな。正直目が回る。馬鹿正直にこんな所を通らなくても、いくらでも崖の部分を駆け上がっていく方法はあるのだが、それをするのはナンセンスというかつまらないしな。意地の悪いダンジョン設定に若干のうんざりさはあるものの、俺達は階段を登り切り、その出口へと辿り着いた。


「なるほど、ここが出口になっているのね」

「本来の壁沿いルートから、5メートルほど上の何もない岩壁ですか。下ばかり見ていた私達では、気付きようがありませんでした」

「ん。いじわるダンジョン」

「さて、目的の第二層出口はもうすぐそこだ。このまま崖を進もうか」


 階段ゾーンを抜けるのに20分くらいは要したはずだが、2度の殲滅を経た事でリキャストが間に合わなかったのか、コンドルの数は数えるほどしかいなかった。その為、俺達は再出現したコンドルに絡まれる事無く第二層の出口へと到着。そこでは4度目となる宝箱と、レアモンスター出現のトリガーと思しき罠を確認できたのだった。


「ショウタ、罠は起動させるのよね?」

「ああ、頼む」


 シャルが魔法で生成した石を無造作に放り込むと、罠が起動しレアモンスターが出現した。


『グェー!』


*****

名前:バロックコンドル(強化)

レベル:130(+35)

腕力:1200

器用:1200

頑丈:950

俊敏:1600

魔力:3000

知力:500

運:なし


(ブースト)スキル】俊足Ⅲ、迅速Ⅲ、瞬迅Ⅱ

(パッシブ)スキル】身体強化Lv5、体術LvMAX、鳥爪術Lv2、姿勢制御LvMAX

(アーツ)スキル】気配感知、生体感知、反響定位

(マジック)スキル】風塵操作LvMAX、風魔法LvMAX、魔力回復LvMAX

★【(エクス)スキル】エリア感知、縄張り意識


装備:なし

ドロップ:バロックコンドルの肉、バロックコンドルの尾羽、

魔石:特大

*****


 うん、まあまあだな。てか肉ドロップするのか。それならこいつの対戦相手は決まったな。

読者の皆様へ


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