ガチャ958回目:押し寄せる球体
「とりあえず、この森を探索しようか。上層と比べてかなり広大みたいだし、モンスターも散らばってるみたいだから、中央から仕掛けよう」
そう言って森に立ち入ると、早速モンスターの群れと遭遇した。……いや、衝突したと言った方が正しいだろうか。奴らはイリスが地上を走る時と同じように、転がってやって現れたのだ。その数8体。
「エンキ、イリス、セレン」
『ゴ!』
『プル~!』
『~♪』
転がって来たそれらをエンキの剛腕と、イリス・セレンの触手が食い止める。やって来たそいつらはほぼほぼ球体で、タイヤのようにも見える溝みたいな鱗が付いていた。
*****
名前:ローリングリザード
レベル:62
腕力:420
器用:600
頑丈:720
俊敏:660
魔力:300
知力:120
運:なし
【Bスキル】俊足、迅速、鉄壁、城壁
【Pスキル】身体強化Lv2、硬化Ⅱ、物理耐性、打撃耐性Lv2
【PBスキル】破壊の叡智
【Aスキル】チャージアタックⅡ
★【Eスキル】エリア感知、縄張り意識、荒野走行
装備:なし
ドロップ:ローリングリザードのヒレ肉
魔石:中
*****
「おー」
転がってきた以上、最初はダンゴムシか何かかと思ったけど、リザードなのか。そして肉を落とすのか。となれば……。
「イリス、こいつの肉は食えるみたいだぞ」
『プル~!? プルル? プルル~?』
「ああ、食って良いぞ」
『プル~!!!』
久々の踊り食いできる相手にイリスは大興奮。一気に膨張し、自分が抑え込んでいた相手だけでなく、左右にいたエンキとセレンの獲物も丸ごと飲み込み、体内で咀嚼するかのようにゆっくりと溶かしていく。リザードも必死にもがくが、イリスの拘束を破れるわけもなく、全ての個体が溶けてなくなっていく。
そして煙となって出て来たドロップアイテムは、そのまま体外に排出されたが、肉はまだ体内に残ったままだった。
『プル~?』
「ああ、それも食って良いぞ」
『プル~!!』
肉は見た感じ、1つに付き500グラムくらいはありそうだが、イリスはそれらを堪能する為か、普段の大きさに戻ってモグモグお行儀よく食べ始めた。イリスが幸せそうで何よりだ。
よーしよーし。
「満足したか?」
『プル~!』
「そうかそうか」
イリスを持ち上げ撫でていると、エンキとセレンが足元に纏わりついて来た。どうやら自分達も褒めて欲しいらしい。なので満足そうにしているイリスは頭に乗せて、2人まとめて抱え上げ、全力で褒めちぎった。
『ゴ~』
『♪♪』
そうしている間も、騒ぎを聞きつけて前方の森からひっきりなしにリザードが転がってきたが、全て嫁達によってあっさりと片付けられていく。まあ今更レベル60程度の雑魚相手に後れを取る訳ないよな。
『マスター。下層のモンスター、掃討終わったわよー♪』
「お疲れ。大体何体くらいいたんだ?」
『はい、マスター様。448体でした』
「おー、多いなぁ。これもスタンピード直前だったからかな」
『かもしれぬのじゃ』
「ん。スタンピード直前になると、平常時の2倍くらいいたりするもの。だから、ここだけじゃなく他の階層でもそうかも」
「第一層だけはあんな空間ですので、普段がどのくらいいるかはまったくもって不明ですけど、それでもコンドルの数は異常だと感じました」
「テレサがそう思うなら、間違いなさそうだな」
まあ、ダンジョンによってはスタンピード関係なく、他にも2種類モンスターがいるのに、その1種だけで常に500体から1000体くらいのモンスターが蠢いていたりするダンジョンもあったりしたけどな。『初心者ダンジョン』って言うんだけど。
「テレサ、カウントは?」
「起動してみますね」
【ダンジョンNo.666】
【残り:012:18:45】
「4時間ほど伸びたか」
雑魚700体ほど倒したもんなぁ。まあ、それくらい増えててもらわないと困るか。
そう思いつつマップを開けば、森の一部には再びリザードが再出現し始めていたが、その森の中心部にはやはり宝箱の反応があった。恐らく罠も付いているだろうけど、行ってみるとしますかね。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……あれかな?」
「何かの像が建っていますね」
「あんな物があったのですね。上からでは分かりませんでした」
直立したリザードの像の前に台座が有り、その上に宝箱が設置されている。そして『解析の魔眼』がいうには、その台座を取り囲むようにまたしても罠が設置されているようだった。けど、その数は1つのみ。今までの傾向からして、レアモンスターが出てくるタイプだろうな。
「ミスティ、台座前の地面を撃ってくれ。大体、台座の手前から1メートル範囲が罠地帯だ」
「ん」
『パンッ』
乾いた銃声が鳴り、俺が指し示した場所に寸分たがわず着弾した。そして煙が噴き上がると石像を包み込み、煙が晴れると共にそこにはモンスターがいた。
『グルルゥ……』
*****
名前:マッドネスリザード(強化)
レベル:140(+40)
腕力:1900
器用:1900
頑丈:1650
俊敏:1000
魔力:6000
知力:100
運:なし
【Bスキル】超防壁Ⅱ、剛力Ⅳ、怪力Ⅲ、阿修羅Ⅱ、鉄壁Ⅳ、城壁Ⅲ、金剛体Ⅱ
【Pスキル】身体強化LvMAX、体術LvMAX、槍術LvMAX
【Aスキル】予知、隠形、気配断絶、跳躍Lv2、暗視Ⅱ、衝撃Ⅱ、鎧通しⅡ、急所突きⅡ、ウェポンブレイク、アーマーブレイク、ウォークライ、チャージアタックⅢ
★【Eスキル】エリア感知、縄張り意識、荒野走行Ⅱ
装備:狂蜥蜴の暗黒槍、狂蜥蜴の漆黒盾
ドロップ:狂蜥蜴の眼球
魔石:特大
*****
「ほぉ?」
見た目は槍の戦士だし、前衛仕様なのは間違いないが、『荒野走行』のスキルがあるってことはこいつも回転車輪するのだろうか。ちょっと面白そうだし、俺が戦ってみるかな。
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