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ガチャ957回目:新技炸裂

 スキルオーブの検証に一定の満足感が得られた俺はマップを開く。今でも視界の半分はエンリルの視界と共有しており、フライトも間も無く完了しようとしていた。

 やはりというか、このマップでは今いる場所を下層とするなら、上層部分は殆どが細道であり、足場が悪い中休む間も無くコンドルに襲われ続け、足を踏み外せば崖下へ真っ逆様。そして地面に叩きつけられるよりも先に、空中でコンドルにボコボコにされ、死因はどちらになるやらといった構成のようだった。

 そして下層は下層で、ちゃんと1つのエリアとして機能しているらしく、上層部分にいるコンドルとは全く異なるモンスターが蠢いているようだ。恐らく、上層から落ちてきた奴がもし仮に生きていた場合の追撃要員としても機能しているのかもな。

 やっぱりこのダンジョン、他と比べても人類への殺意がレベチだなぁ。


『マスター、エンリル先輩についてるモンスターの数。大体300体くらいいるみたいよ』

「みたいだな。にしてもこいつら、諦めるって選択肢は無いのか」

『先輩は完全に無視して引き離してるのに、全然諦めないみたいね。普通なら感知範囲外に出たモンスターって、持ち場に戻るよう設計されるはずなのに』

『そうですね。ここのモンスターは相当執念深く追いかけるよう設計されているようです』

「ここのモンスターはどの階層でも、一度狙った獲物は逃さない事で有名ですね」

「なら、一気に倒すか」


 マップを全部更新し終えたエンリルに、俺はハンドサインで命令を下す。了解という返事の代わりに、エンリルは一度頷いて見せた。

 そして数分後、幾度かの蛇行飛行を繰り返しコンドルを一纏めにしたエンリルが空から降ってくる。その背後には大群となったコンドルの群れ。アレを撃ち落とすのはさぞかし爽快だろう。


「やりたい人ー」

「はい!」

「じゃあシャル。やっちゃいなさい」

「任せて!」


 シャルはブラマダッタを取り出し、標的に向けて矢を番えた。


「秘技『千の雨(サウザンドレイン)』!!」


 放った矢が俺の知覚でさえ捉えきれないほどの速度で分裂を繰り返し、コンドルの大群に向けて発射された。その矢の1発1発が俺のマジックミサイルに匹敵する威力を誇っており、ただの雑魚モンスターでは耐えられるはずもなくバラバラに砕け散って行く。

 そして煙と共に散らばるのは、先ほどの矢以上のアイテムの群れだった。まるで雹が降るかのようにどしゃーっと落ちてきたのは言うまでもない。


「おー、すごい威力だったな」

「ふふ、どうショウタ。あたしの新技!」

「ああ、見違えたよ。完全体になったブラマダッタを、ちゃんと操れてるみたいだな」

「ショウタの妻なんだから当然でしょっ!」


 シャルはドヤってるが、そこに至るまでに結構な苦労はあったはずだ。ブラマダッタは俺が初めて借りた時にはⅦまでしか行かなかったのに、『ハイ・ヒューマン』となり地力が上がった事で、彼女は最大のⅩの力を呼び覚ます事ができていた。『696ダンジョン』での狩りでもその力をいかんなく発揮して、スキルポイントの獲得に貢献してくれていた。稼ぎついでに鍛錬もできたようで何よりだ。

 いやー、それにしても本気のブラマダッタはマジで強いな。改めて視ておくか。


 名称:【No.04】魔導弓ブラマダッタⅩ

 品格:≪幻想≫ファンタズマ

 種別:弓

 武器レベル:92

 説明:世界に10種あるファンタズマウェポンの1つ。神話に登場する遺物を完璧に再現した唯一無二の武器。装備者の魔力を消費してインドラの矢を作成する。矢の威力・性能・格は作成者の能力によって変化する。所有者の能力によって成長して行き、姿を変化させるだけでなく性能が向上し、各種専用スキルも解放される。装備者の全ステータスに大幅なボーナス。

 ★レベルⅠ:インドラの矢 作製権限

 ★レベルⅡ:武技スキル『獄炎の矢』『流れ星』使用権限

 ★レベルⅢ:武技スキル『流星群』使用権限

 ★レベルⅣ:武技スキル『星落とし』使用権限

 ★レベルⅤ:真・インドラの矢 作製権限

 ★レベルⅥ:武技スキル『滅殺の矢』使用権限

 ★レベルⅦ:神技スキル『破壊神の加護』解放

 ★レベルⅧ:武技スキル『千の雨』使用権限

 ★レベルⅨ:武技スキル『星喰らい』使用権限

 ★レベルⅩ:神技スキル『破壊神顕現』使用権限


 ただ、最後のスキルだけはアズ達が使用しない方が良いと言っていたので、念のため俺の『スキル封印』で消せないか試してみたら、ちゃっかり武器のスキルも封印できてしまったんだよな。あのアズ達が口出ししてくるくらいだし、マジモンの神様を顕現させちゃう可能性があるのかもしれない。

 彼女達は教えてくれようとしたけど、ノイズばっかで全然聞き取れなかったのがいつも通りでアレだけど。


「なあシャル、さっきの『千の雨』だけどさ。あれって実際千発あるの?」

「うーん、実際にあたしも威力調整とか色々試してみたんだけど、どうにも力の込め具合で千発だったりそれ以上にも増えたりしてるみたいなのよ。だから明確に千発って訳じゃないみたいね」

「そうなのか」


 それ以上にもそれ以下にも出来ちゃうのね。とんでもない技だな。


「ショウタ様、回収終わりましたわ」

『~~♪』

「おお。クリス、セレン。いつもありがとな~」

「はいっ」

『♪♪』


 にしても、あんだけ倒したのにレアは湧かなかったな。その代わり、また宝箱っぽい反応がマップ内に出てるけど。これもまた似たような感じだったりするかね。

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― 新着の感想 ―
神格の所属的に迂闊に呼んだらたった一発の攻撃が リアルかちわりメガトンパンチになってもおかしくなさそうだしなぁ・・・
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