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ガチャ952回目:暗闇対策

「ただいまー」

「「おかえりー」」

「「「おかえりなさい」」」

『『おかえりなさいませ!』』


 皆の所へ戻ってくると、熱烈な歓迎を受けた。と言っても声だけで、こちらに向かってくる事はなかったが。なら俺からハグしに行こう。


「それで、どうでした?」


 一通りハグが終わったところで、テレサが興味津々と言った様子で聞いて来た。


「ああ、『機械ダンジョン』の最下層と同じ形状と広さをしてたな。その中に血と匂いに敏感な狼が50体程度いた」

「ショウタ様は、連中の姿が見えたのですか?」

「いや、実際に姿形を見た訳ではないんだが、『解析の魔眼』を通して対象を認識できている状態なら、『鑑定』系統が通るようだ。ステータスは……今から読み上げるな」


 そうして見えた情報を皆に共有した。


「さすが勇者様ですっ」

「この情報を早速外にいる者達に伝えてもよろしいでしょうか?」

「良いけど、一度出るの?」

「いえ、電波塔を広場とここに設置させていただきましたので、いつでもやり取りが可能です」


 いつの間に。まあ、俺がダンジョンに意識が逸れている間に済ませたんだろうけど。


「いいよ。伝えちゃって。……見えないけど大丈夫?」

「はい、慣れてますから」


 そう言ってテレサは完全な闇の中、端末を取り出し操作をし始めた。

 これが真のブラインドタッチか。などと考えつつ、俺はこの階層の攻略方法について思案した。


「『視界共有』をすれば別の誰かにも『解析の魔眼』で視えた視界を共有はできるけど、この暗黒世界ではな……。自分の立ち位置が分からない以上それをやるのはよくないか。……なら、イリス、セレン」

『プル~?』

『~~♪』

「俺とアズで皆を挟むように移動するから、2人は皆がはぐれないようにロープを作ってくれ。皆はそのロープを左右から掴みながら、接近してくる雑魚を討伐。エンリルはアズの肩に停まって、『視界共有』を受けた状態でアイテム回収をしてくれ」

『ポポー!』

「エンキとアグニは、嫁の誰かに持っててもらいなさい」

『ゴ~』

『キュイ~』


 そうしてエンキはテレサが、アグニはマリーが持つことになった。


「私は遠距離攻撃が苦手ですから、今回は一緒にお留守番ですね」

『ゴゴ~』

「私も遠距離攻撃はできますけど、この空間だと神聖魔法が発動し辛いのでおやすみです。アグニちゃん、のんびりしましょうね~」

『キュイキュイ!』


 視えないけど楽しそうにしてるのは伝わって来るな。


「そんじゃ、移動開始するか」

『プル~ン』

『~♪』


 ぐにょーんと伸びたイリスの触手が俺の腹を一周し、セレンの触手と強く絡まる。あとは伸びたセレンの触手をアズが掴み、他の面々が即席のロープを片手で掴んだ。まるで昔遊んだ、電車ごっこのようだな。


「ミスティ、シャル。悪いけど敵を倒すのは20メートルくらいまで接近してからにしてくれ。エンリルの回収が大変になるからな」

「「OK!」」


 そうして出発した俺達は絡んでくる狼共を蹴散らしつつ、部屋のど真ん中にまでやって来た。俺達の周辺は狼が煙になる寸前に血を流すもんだから、全域のモンスターが一度に襲ってくる事態にまで発展していたが、うちの彼女達が被弾を受ける距離まで接近を許す訳もなく、オーダー通り20メートル近辺で全て討伐されていった。


「……50体なんてあっと言う間だな」

「ん。見えないだけで、弱いから物足りない」

「そうね、気配を隠すつもりは無さそうだし、興奮してるのか息は荒いからすぐ居所が分かるわよね」

「暗闇の中、気配と荒い息が聞こえてくるのは適正レベルの冒険者にとってみれば辛いものだろうし、そういうコンセプトなんだろう。それにそぐわないレベルの俺達からしてみれば、容易いってだけの話だな」

「ん。納得」

「ショウタ、100体討伐までここで待機する流れで良いのよね?」

「ああ、その予定だ」


 ここでは鍵が出るかなー?


「……あ、そうだテレサ。この奥はもう階段なのか?」

「いえ、もう1部屋あります」

「そうなのか。……そこにいるのも狼?」


 テレサが首を横に振ったのを感じた。なるほど、別種か。

 となると、鍵の欠片の欠片が出てくるかな?

 などと考えている内に再出現が始まり、高速で狼が煙になっていく。そしてそれが100体目になった時、それは現れた。


『ゴトッ』


「ん?」


 何か硬いものが背後で落ちたな。場所はダンジョンの入口辺り。

 ここからは少し遠いが、目を凝らして視てみると、宝箱っぽい感じがする。そして、宝箱が置いてある周辺の地面が、なんというか……。


「嫌な感じがするな」


 罠か? 100体討伐の報酬に、罠がついている……?

 俺が嫌な予感をするって事はよっぽどの事だろうし、ここは発動させない方が良さそうだな。


「エンリル。あの宝箱、風で回収できるか?」

『ポポ!』


 エンリルが力を使うと突風が巻き起こる。そして遠くにあった宝箱は浮かび上がり、ギュンッと勢いづけてこちらに飛来して来た。


『ほっ』

「アズ、ナイスキャッチ」

『マスター、パス♪』


 アズから投げ渡された宝箱をキャッチし、直接視る。


 名称:第一の罪(表)

 品格:なし

 種類:宝箱

 説明:第一の罪が封じられた宝箱。開けることはできない。


 んん? 罪と来たか。しかも(表)とかいう表記もあるし……。

 大罪で7つ、裏表で×2あるとかじゃないよな?

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