Prologue
新作です。対戦よろしくお願いします。
もし良かったら、下の方にある星を5個にしてもらったり、レビューなんかも待ってます。
あと今日はこのPrologue合わせて3話分更新予定です。
VRMMO。
VR技術が発展し、ある程度経った頃からインディーズを含めた多くのゲーム会社がその事業を打ち立て、様々なゲームを作り上げてきた。
王道とも言えるファンタジーRPGから、異色と呼ばれる魔術師のみのMMO。
時には世間に批判されるような存在ばかりを集めたモノも存在したものの、多くのユーザーを魅了し続けてきた。
そして今。
そんなVRMMOで新たなタイトルがサービスを開始する。
そのタイトルは『Eden of Annulus』。
ファンタジーであるものの、剣と魔法の内の魔法に注力したダンジョン探索型VRMMOだった。
―――――
「ゲームスタート」
薄暗い和室の中、私は小さく呟いた。
それが合図となり、頭に被ったヘッドセット型のVR機器が起動し……私の意識を飲み込んでいく。
まるで水中に沈んでいくように、ゆっくりと、しかし確かに私は意識を手放した。
『新たなプレイヤー候補の方ですね!ようこそ!』
次に私の意識が戻ったのは、聞き覚えのない女性の声が聞こえた時だ。
周囲を見渡すと、そこは和室ではなく何処かの寂れたカジノのような場所。
私はその一角のポーカー台に座らされていた。
対面にはバニーガール姿の女性……恐らく運営AIだろう。
「どうも、ここではアバター作成を?」
『そうなります!ですが先に御名前をどうぞ』
私の目の前に半透明のウィンドウとキーボードが出現した。
プレイヤーネームを決めるのだろう。
予め決めてあった名前を入力すると、
『入力確認……ティア様ですね?お間違えないですか?』
「えぇ、大丈夫です」
名前を決めた後は、ほぼ他のVRゲームでも行うようなアバター作成だ。
こちらも予め決めておいた容姿を設定し、反映してもらう。
『こちら姿見になります、ご確認を』
何処からか取り出された姿見の前に立つと、そこには長い黒髪に、緑のインナーカラーを入れた高校生くらいの女性が立っていた。
切れ目で、青色の瞳がこちらを見通すかのように見つめている。……私が設定した通りのアバターだ。
「問題ないですよ。じゃあここからが」
『えぇ、アバター作成も終わりましたので!ここからがゲームスタートです!ようこそ『Eden of Annulus』へ!』
バニーガールが満面の笑みを浮かべ、そう言った瞬間。
周囲の景色は崩れていく。
まるで長方形の箱が内側から開いていくかのように、消えていき……そして。
気が付けば私は街の一角、巨大な噴水が存在する広場に立たされていた。
服装は軽い革の防具と布のズボン。
そしてガラスペンのようなものが腰から下がっているのみ。
視界の左上に赤、青、そして灰色のバーが出現し、右上にはマップのようなモノが出現する。
そのマップには『電子魔導都市【モトトコヨ】 - 交流特区』と小さく表示されていた。





