魔法熟練度
村を覆っていた木々が切り倒され魔の森が切り開かれたので、さっそく直径2キロルの第二防壁の建築に取り掛かる。
セモリナさんのペット?のミニゴーレムの『チビちゃん』が村長宅を中心に半径1キロルの線を引き、その線をなぞってゴーレム軍団が深さ3メトル、幅3メトルの穴を掘る。
そしてソイルがセット魔法『ウォール』で防御壁を埋め込んでいき、接合の魔法でくっ付けていくだけ。
やることは第一防壁と変わらない。
ただ違うのは規模が途轍もなく大きくなったことだけだ。
防御壁を出しまくるソイル。
その量と早さが半端ないのでセモリナさんが心配する。
「そんな勢いで土魔法を使ってて魔力は大丈夫? 疲れたなら休んでいいのよ?」
「見た目は物凄いけど、不思議な事にサンズの魔法よりも疲れない感じなんですよね」
事実、櫓からセモリナさんを受け止めた時にクッション代わりに砂山の魔法を連呼して砂山を出した時は少しだけ疲れたけど、そんな感じは全くない。
ウォールで出す防御壁の大きさは大きいのに砂粒魔法のサンドと変わらないような不思議な感覚だ。
「そうなんだ。でも疲れたら休憩しようね」
「はい! でもまだまだいけるので安心してください」
ソイルは朝から夕暮れまで防御壁を出しまくったけど、一度も弱音を吐くことはなかった。
ケイトさんが感心する。
「すごいペースで防御壁を出しまくってるね。魔力の方はまだ余裕があるの?」
「まだまだ余裕があります」
「そうなんだ。今はゴーレムに各々《おのおの》別れて穴を掘ってもらってるんだけど、ソイルくんに余力があるならゴーレムが穴を掘り終えたら明日には第二防御壁が完成するなんて事になるのかもね」
「さすがにそこまでは魔力の余裕ないです」
なんて話してたんだけど……。
「どしぇー!」
「どひゃー!」
「この男、やりおった!」
「ソイルくんがたったの1日で防御壁作っちゃったよ」
「長さ6キロル以上の防御壁を一人で、しかも1日で作るなんて凄すぎる!」
今度は村に入れないとブレイブたちに防壁を壊されないようにちゃんと門も作っておいた。
ちなみに門の扉は第一防壁と同じく木の板と鉄棒で作って、緊急時は魔法で蓋をするつもりだ。
「これだけ魔法を使いまくったんだから、魔力の方も凄く上がってるんだろうな」
「そうなったらいいんですけどね。鑑定の魔道具を持っているので調べてみます」
ソイルは自分を鑑定してみた。
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――名前:ソイル・アンダーソン
――職業:土魔法使い
――LV:14
――HP:1400/1400
――MP:36452083/36452083
――攻撃:502(A)
――防御:474(A)
――敏捷:448(A)
――魔力:167635(SS)
――知力:513(A)
――幸運:532(A)
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スキル
『土魔法(SSS)』
『片手剣(S)』
『盾(S)』
『高速詠唱(A)』
『連続詠唱(A)』
『無詠唱(A)』
『MP自動回復(A)』
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MPがとんでもない数値を指し示している。
どうやら鑑定の魔道具は壊れてしまったようだ。




