なろうラジオ大賞2 • 3 • 4 • 5 • 6 • 7 参加作品
ギフトを釣る
朝起きたら……じゃ無くて、寝すぎて昼に起きたら街の中をゾンビが闊歩してた。
マンションの3階に住んでいるんで襲われる心配は無い。
襲われる心配は無いが此処に餌がある事に気がついているのか、マンションの周囲はゾンビで溢れ返っていて逃げる事は不可能。
それに逃げようとしてもゾンビに対応できそうな武器は包丁とフライパンぐらいなもの、野球でもやってればバットが有ったんだろうけど俺の趣味は釣りで釣り竿しか無い。
まぁ釣り竿って言っても、カジキやマグロを釣り上げるトローリングロッドなんだけどね。
だからもう詰んだって思いしか無かったんだけど、トローリングロッドを使って何とか生き続けている。
トローリングロッドで下で餌多分俺が落ちて来るのを待ち構えている、ゾンビを釣り上げて生活しているんだ。
下に群がっているゾンビの群れの中には逃げる途中噛まれてゾンビになった奴や、戦闘中に噛まれてゾンビになった警察官や国防軍の将兵がいる。
そういうゾンビを釣り上げるんだ。
何でかって言うと逃げる途中だった奴等は、大抵食料品や生活必需品が詰まったリュックサックを背負っているからで、警察官や国防軍の将兵は銃と弾を持っているから。
釣り上げたあと締めるのがチョット大変なんだけど。
最初はジタバタ暴れるゾンビの頭を、フライパンで動かなくなるまで何度も何度も殴ってた。
銃を手に入れてからは頭をぶち抜いてる。
銃を使うと銃声で更に多くのゾンビを引き寄せてしまうんだけど、食料品や銃など俺にとってはギフトだと思える物を持っているゾンビも集まって来るんで、仕方がないなと思っているんだ。




