ワールド・エンドへGO!
そしていよいよ俺たち四人はワールド・エンドへ!
「みんなー、準備はいいかー?」
「おー」
「オッケーです!」
「当然ですわ」
俺のかけ声にみんな答えてくれる。
四人パーティーでワールド・エンドに初めて潜る。
緊張もしているがそれ以上にワクワクした気持ちでいっぱいだ。
いよいよ世界の裏側へと足を踏み入れることが出来るのだから。
俺にとってはローゼの世界に少しだけ近づけるという目的もある。
アカデミーアの敷地内、その最北にワールド・エンドへのゲートがある。
学生が立ち入ることが出来るのはA級ライセンスが通用する場所までなので、このゲートから行ける場所は限られている。
学生を育てる目的でゲートが作られたといっても、むやみやたらと危険な目に遭わせるつもりはない、ということだ。
俺たちは馬車でそこまで向かい、そしてD級ライセンスを提示して立ち入り許可を求める。
受付の人がそれを確認する。
「フェリクス・アインハルト、ヴァルクリス・エーデルハイト、アリシャ・フォンカーベル、ジェラルリオ・メディシス。以上四名、D級ライセンスでワールド・エンドへの立ち入りですね」
「はい」
「了解しました。立ち入りを許可します。D級で立ち入りが許可できるのは第二層までとなります。第三層以降はC級のライセンスが必要になりますのでくれぐれも近づかないように」
「はい。もちろんです」
ワールド・エンドは多重層構造になっている世界で、下へ下へと層が続いている。
下に行くほどモンスターの強さも上がっていき、倒すのが困難になっていく。
だからこそ浅い層は学生たちにとって格好の修行場所になるのだ。
もっとも、それよりも深い層には行きたくても行けないという事実があるのだが。
それぞれの層を結ぶゲートには封印が施されている。
ライセンスカードがその封印鍵になっているのだ。
つまり位の低いライセンスではどうやっても下の層には行けない。
俺たちが今の時点で行けるのは第二層までだ。
「じゃあ行こうか、みんな」
「おーう」
「行きましょう~」
「というか、どうしてフェリクスが仕切っているんですの?」
「あ、いや、何となく? 嫌ならアリシャが仕切るか?」
「面倒なのでお断りですわ」
「………………」
だったらケチつけるなよまったく……
俺はゲート魔法陣に立ってからライセンスカードをかざす。
すると魔法陣が光を発して、俺たちを転移させた。
ワールド・エンド。
人が住む世界とは違う、闇が支配する場所と聞いていたけれど……
「綺麗な場所だよな……」
というのが第一印象だった。
とてもモンスターが跋扈する世界とは思えない。
太陽の代わりに青い月が照らす美しい世界。
それがワールド・エンドという場所だった。
大地は緑に覆われ、豊かな自然が広がっている。
岩も薄汚れた茶色ではなく、薄く光った綺麗な色とりどりのものだ。
宝石とは少し違うけれど、魔力を持った鉱石だと分かる。
「あれは発光石ですわね……」
「やっぱりそう思う?」
「ええ。加工前だと淡い光を発する、と書物で読んだことがありますわ」
「なるほど、加工するとお店に売っているようなぴかぴか光るものになるわけですね~」
夜の明かりとして使用する発光石がワールド・エンドから材料を調達していることは知っていたけれど、現物を見るのは初めてだった。
「それよりも手っ取り早くモンスターとか現れないかなー。オレ、早く戦ってみたいんだけど」
血の気が多いヴァルが剣を構えながら言う。
もう少し風景を楽しむという感性はこいつに存在しないらしい。
「確かに、わたくしたちは修行に来たのですしね。モンスターが現れるのは大歓迎ですわ」
「あははは……」
お嬢様も血の気が多いこと。
優雅なのに血の気が多いって、よく考えたらすげえ性格だよな。
「が、頑張って倒します!」
「そんなに気張らなくても、これは試験じゃないんだ。もう少し気楽に構えようぜ、リオ」
「そんな……命がけなんですよ」
「命がけだからこそ緊張しすぎたら本来の実力を発揮できないと思うぞ」
「そ、それは一理ありますけど……」
適度な緊張感とゆるさ、というのがリオには難しいらしい。
いつも通りのアリシャとヴァルが特殊なのかもしれない。
……まあ俺も割といつも通りではあるけれど。
「おー! 人喰花はっけーんっ!」
遠くまで見渡しながらヴァルが言う。
さっそくモンスターを発見したらしい。
人喰花ならそれほど困る敵ではない。
さっそく攻め込むことにしよう。
異世界冒険っぽくなってきた(*^▽^*)




