布と肌の理想比率
タイトルミスっていたので修正
「驚いたな、まさかエリンズがあそこまで動けるとは……」
散発的とはいえ、未だに昆虫系モンスターが襲撃してきている最中、そいつらの相手を冒険者や騎士たちに丸投げして残った魔人と四人との戦いを観戦していたところ、予想もしていなかった光景が目に映ってきた為、我知らず驚嘆の声を上げていた。
【不惜身命】と【剣聖】という、俺が習得していない未知のスキル。
大体の効果は【分析Ex】で確認していたが、実際の効果は想像していた以上だった。
とりわけ【不惜身命】は、文字通り紙装甲となる点に目を瞑れば、それこそ神位級のバフと同等の効果が得られていた。加えて魔法ではなくスキルなので他のバフとの重複も可能と、中々に実用的だ。進んで獲得したいとも思わないが。
一方で、エミリー・バロバクトも負けてはいない。
扱う雷属性魔法は上級、最上級止まりだが、実際はワンランク上でもおかしくはない。
今しがた使用した【炎爛の雷熱放射撃(ノス・エドケニア)】―――これは熱量が高い反面範囲が狭いという欠点のある魔法であり、本来は全高2メートル超えの敵をスッポリと呑み込み蒸発させるようなものでは断じてない。どちらかといえば、その熱量で対象を焼き切る類の魔法だ。
勿論過剰に魔力を消費すれば、同じ事は俺にもできる。だがその際の消費量は、確実に彼女よりも多いだろう。
おそらくは【雷雲神の加護】が影響しているのだろう。加護系統のスキルは全て未知のものだが、中々に興味深い。同様の効果を得られるスキルを持っているとはいえ、俺はニューアースにおいては加護を受ける側というよりも、むしろ与える側な為に加護が得られないので、少しばかり羨ましい。隣の芝生は青いというやつだ。
まあ結局はパッキン女の放った魔法は封殺された訳だが。
魔人が腕の一本を口の中に突っ込んだと思ったら、剣を引き抜いて魔法を無効化したのだ。
何が凄いって、あんな喉も食道もない口の中から長剣を取り出した事だよ。一体あれの口の中はどうなっているのやら。
ともかく、その取り出した剣で【炎爛の雷熱放射撃(ノス・エドケニア)】を封殺した魔人が、勝ち誇った笑い声を上げていた。一方で策を封じられた二人といえば、目の前の光景に唖然としてあるようでピクリとも動かない。
何に驚いているのか大体の想像はつくが、俺的にはそんなに驚くような事でもないと思う。
魔法を無効化するスキルを持ったモンスターなど箱庭には溢れていたし、そいつらの素材を使えばそういったスキルが付与された武具だって作れる。
さすがに完全に打ち消すというのは珍しいが、あり得ない事ではない。百歩譲って驚く事はあっても、あんな風に敵前で唖然として隙だらけな姿を晒すほどの事ではない。
とか思っている矢先に、勝ち誇る魔人にエリンズが殴られ吹き飛ばされる。
砲弾並みの勢いで飛ばされたエリンズは、飛距離に反比例して高度を下げて、ちょうど俺が立っている位置の近くに頭から墜落して地面に胸まで埋まる。
一応いざという時に備えて、俺はエレナを助けられる位置どりをしていた為、必然エリンズが飛んで来た事は指揮をとっていたエレナも気付く事になる。
というか、割と大きな音を立てていたので、エレナに限らず周囲の連中は全員気付いているのだが。
「エリンズ! 大丈夫か!?」
「落ち着けって。刺さり方がギャグっぽいから大丈夫だ」
「どういう意味だそれは! ふざけているのか!?」
鬼の形相で怒られる。俺としてはふざけたつもりはないのだが、これはもしかしなくとも、エリンズのもつ【ギャグ補正】なるスキルも、魔法適性と同じで一般には認知されない類の代物なんだろう。
しかしその効果は本物だ。今のエリンズは地面に刺さったままピクリとも動かないが、それでも生きている。具体的にはHPが500未満のギリギリのところで踏ん張っている状態だ。
「首の骨が折れているな。下手に動かすと本当に死ぬな」
簡単に魔法で精査して、結果をエレナに伝える。
そして地面に刺さっているエリンズの足首を掴み、一気に引っこ抜く。
「おい、君の言っている事とやっている事が一致していないぞ!」
「下手に動かすのがマズイのであって、上手に動かせば問題ない」
本格的に魔法を使って、エリンズの状態を確認する。
首の骨が折れている為に首が変な方向に曲がってはいるが、幸いにも折れ方が綺麗で、重要な血管などは一切傷ついていない。
鎧の胸部から腹部に掛けて跡形もなく粉砕されており、肋骨の半分以上が胸骨と一緒に砕けているが、その破片が内臓に刺さるといった面倒な事態は起きていない。
これだけの惨状に到る程の攻撃をモロに喰らったのだ。即死したっておかしくない。だが実際には怪我の度合いこそ大きいものの、最悪の事態に至るような事は綺麗に回避できている。げに恐ろしきは【ギャグ補正】と言ったところだろうか。
「彼は、エリンズは助かるのか?」
「問題ない」
この程度の怪我ならば【回復薬X】を使うまでもない。精々が【回復薬Ⅶ】で十分だろう。
亜空間から回復薬を取り出して、中身を振り掛ける。
効果は劇的だ。折れた首の骨も、粉砕された肋骨や胸骨も、たちどころに逆再生したかのように元通りになり、HPも全快する。
「これですぐにでも戦えるな」
「鬼か君は!?」
エレナが何か言っているが、心外だと言わざる得ない。
何の為に俺がエリンズを助けたと思っている。俺の代わりに戦わせる為だ。そうでもなければ、わざわざこっちの大陸基準で考えても異常なランクの回復薬を使ってまで助けたりはしない。
こっちの基準じゃ、ランクⅤで最高品質扱いだからな。幸いにもエレナは実際の回復薬の効果を目の当たりにした事が少ないから気付いた様子はないが、周りで一部始終を見ていた冒険者の一部が、目を見開いて俺を見ている。当然無視をするが。
「お、これは……」
「む……」
治療も終わった事だし、眠ったままのエリンズを気付け薬でも使って起こそうかと思ったところで、魔人を中心に急速に濃霧が拡がって来るのが見えた。
「あー、これって【強酸濃霧(アシッド・ミスト)】か……」
なんて面倒な。
【強酸濃霧(アシッド・ミスト)】―――読んで字のごとく、酸性の霧を散布する最上級の水属性魔法だ。
効果自体は単純な上に、殺傷能力は然程高くない。皮膚を焼かれて、場合失明したり失聴したりする事もあるが、それだけの嫌がらせの類の魔法だ。
にも関わらず最上級に区分されているのは、ひとえにその防ぎにくさが理由に挙げられる。
これが酸の奔流ならば、塩基の奔流をぶつけるなり、防壁を築くなりすればそれで済むのだが、この魔法が生み出すのは霧―――つまりは気体である。塩基の奔流をぶつけても効果など望めないし、防壁程度では回り込まれて終わりである。俺の中では毒ガス魔法と並んで、寝込みを襲われる際に使われたくない魔法筆頭に挙がる。
お陰で対処法は限られているのだが、一番確実なのは精神の数値を底上げしてステータスにものを言わせてダメージそのものを無いに等しくする事だ。
最も俺なんかは、今回に限り四哭獣のローブによる【能力抑圧】の出力を普段の10分の1から8分の1までに下げてあるのに加えて、元々の精神の数値が16000超えであるために現在の数値は2000超え。さらに【魔法ダメージ軽減Ⅹ】をオンにしてある為、何もしなくともたかが下級魔人如きの魔法でダメージなど受けはしない。
ステータスを表示してHPの欄を注視して、数秒おきにほんの一瞬だけ、下四桁の数字がぶれて7000から6999になって元に戻るという事が繰り返されるだけだ。体感としては、露出している皮膚が心なしかちょっと痒いかなと思う程度。ローブに覆われている体の大部分に至ってはその微々たるダメージすらない。
そして一応護衛対象であるエレナも、飛びぬけて精神の数値が高い。特別に俺が何かをする必要は感じられないが、それでも一応バフを掛けて精神値を強化しておく。筋力や敏捷値とちがってそうそう体感できる変化じゃないから、バレるという事も無いだろう。
「うっぎゃぁああああああっ! 目が、目がぁあああああああああっ!」
離れたところでイレーゼが何か騒いでいるが、俺は関係ない。それにあいつのステータスならば、粘膜はともかく体のほうは問題ないだろう。一応それなりの性能の装備も渡しているわけだし。
ただイレーゼのようなマヌケな叫び声ではないが、似たような悲鳴はバルスクライの騎士たちを中心に周囲からまばらに上がっている。
「一体何が起こっている? この霧は何だ?」
「強酸性の霧だ」
「何故私や、近衛騎士たちには被害がないのだ?」
まるで俺が何かしたのではないかと暗に言っているように聞こえる。というか、間違いなくそういうニュアンスを含んでいる。横から刺すような視線が飛んで来ている。だが何でもかんでも俺が絡んでいるのではないかと疑わないで欲しい。
とりあえず視線は合わさないようにしよう。
「それは単純に装備やスペックの差だろ。ソリティアの連中はバルスクライや冒険者達よりもよっぽど上等な装備をしているし、あんたは白銀幻狼獣人だし」
さすがは近衛騎士と言うべきか、装備の性能は周囲と比べても格段に良い。
フルフェイスの兜も含めた鎧には例外なく【耐酸コーティング】のスキルが【物理ダメージ軽減Ⅱ】と【魔法ダメージ軽減Ⅱ】のスキルとセットで付与されているし、それとは別に装備者に耐久と精神が向上的に上昇するバフが付与されている。
こういった魔法効果を付与させるには【魔法付与】というスキルが必要となるのだが、その【魔法付与】を会得するには音も光もない空間で七十二時間ひたすらインゴットに魔力を注ぐという苦行以外のなにものでもない事をする必要がある。
近衛騎士の全体数がどれ程かは知らないが、その装備には必要とするスキルも相まって相当な値段がつぎ込まれているのは想像に難くない。
まあ要するに、言いたい事は、
「俺は関係ない」
「だと良いのだがな」
「……俺、何か疑われるような事をしたっけ?」
暗にではなく、直接的に言って来るようになってきた。
「先程バルスクライの者を捨て駒扱いしていたのは誰だったか」
「俺っすね」
すっかり忘れていた。身から出た錆びだ。
ただ一応弁解しておくと、ソリティア側にも被害がない訳ではない。
中には兜の面頬を下ろさずにいた為に顔面を焼かれている者もいるし、敵の襲撃で鎧が破損していた為に霧を防ぎきれずに侵入を許している者もいる。
しかしそういった者は全体のごく一部のみで、やはり比重としては圧倒的にバルスクライの騎士、次いで冒険者たちが多い。
なす術なく右往左往するしかないバルスクライの者たちとは違い、冒険者たちは霧に対して様々な手段で対処しようとしてはいるのだが、如何せん対処法が的外れな場合が殆どだった。
ある者は防壁を築いて、ある者は水の膜を周囲に張り巡らせて、ある者は霧に対して炎を放ったりしている。
その全てが僅かながらの効果を挙げ、同時にその場凌ぎでしかなかった。
ふと思いついて、パッキン女のほうを見てみる。
てっきりバルスクライの者たちと同様になす術なく苦しんでいるかと思いきや、意外や意外。きちんと的確な対処ができていた。
最上級雷属性魔法【超温の雷熱壁(ノス・アルガロス)】は、自身を中心に球体のプラズマ化した雷の壁を生み出す魔法である。
効果だけを聞くと有用そうに聞こえるが、実のところ発動中は自分は身動きはできないわ、燃費は悪いわ、挙句厚さも大した事が無いのである程度の質量を持った物や威力のある魔法ならば消滅する前に壁を突破してしまう等、ぶっちゃけ言って欠陥だらけで使おうとも思わないゴミ魔法という認識だったのだが、今回に限ってその評価は覆しておく。
しかし残念だ。高慢なパッキン女の苦痛に歪んだ顔が見れると思ったのに。
「ぐっ……」
足元から呻き声が聞こえて見下ろしてみれば、高慢でも女でもないが金髪の男の苦痛に歪んだ顔が視界に飛び込んでくる。
そういえばこいつの鎧も破砕しているんだったか。そこから霧が入り込んで、皮膚をジリジリと焼いているようだった。
とりあえず踏んでおいた。
「ぐあっ!?」
徐々に覚醒に向かっていた意識を、強制的に引き上げられたエリンズが跳ね起きる。
仰向けの状態から予備動作なしに直立するという、若干人間離れした動きを披露し、俺と目が合う。
「何で君がボクの側に……そういえば、ボクは魔人と戦っていて……」
人の顔を失礼なぐらいに凝視した後に、何かを思い出すかのように顎に手を当てて視線を隅に向ける。どうでもいいが現在進行形で皮膚を焼かれているのは気にならないのか?
「エリンズ、大丈夫か?」
「姫様!? そうだ、あの魔人は―――ぶはっ!?」
エレナに声を掛けられ、突如として顔色を変えて声の元にに視線を巡らせたかと思うと、いきなり盛大に鼻血を噴いてぶっ倒れる。HPは一気にレッドゾーンに。
「なっ、どうした!?」
エレナが背後から俺を追い越して、エリンズの元に駆け寄る。そこでようやく、俺も異変に気づいた。
「おい、しっかりしろ!」
「やめろ、トドメ刺す気か?」
「何を言っている?」
どうやらエレナは自分の身に起きている異変に気がついていないらしい。
という事は、だ。俺がやるべき事なんて決まっているだろ?
【空間画像保存(セーブ・シャッター)】を使う事だ。
「君はいきなり、何、を……」
エレナの視線が下がり、自分の体を見下ろす格好となる。どうやら気付いてしまったようだ。今の自分があられもない格好をしている事に。
俺がこっそり掛けたバフは、間違いなくエレナの元のステータスも相まって彼女の体を霧から保護していた。だが保護していたのは、あくまで体だけだった。
つまり、彼女が身にまとっている服に関してはノータッチだったのだ。
俺も無意識のうちに、近衛騎士たちがそうであるように彼女が身に着けている物もまた、霧の影響を受けないと考えていた。だが実際には、彼女の服には【耐酸コーティング】も【魔法ダメージ軽減】も付与されていない。
その為に既に服の八割が溶けて消えており、残りは要所を隠すのみ。下手な裸体よりも遥かにエロい。
エレナの顔色が急激に変化していく。白から羞恥の赤へと。
だがもう遅い! すでに額縁に被写体は収まっている! 後は写すのみだ!
「【失墜する氷塊(アス・クォルレイト)】!」
「速くて痛い!?」
馬鹿な! 先に魔法を無詠唱で発動させた俺よりも速いだと!? 一体どうなっている!?
「以前も言ったと思うのだが、それをされたら君を指名手配しなければならないのだが?」
「マジすいませんでした」
「次は無いと言った筈だが?」
「反省しています。仏の顔も三度までと言いますし、ホント勘弁してください」
「……三度目は無い」
「ありがとうございます。羞恥に赤く染まった表情も素敵です」
「聞こえているぞ!」
「やべぇ、声に出ていた!?」
「やはり反省していないだろう、君は!?」
「してますって! お詫びにローブをどうぞ!」
ローブを脱いで差し出す。
尚もエレナは目元を引くつかせて俺の事を睨んでいたが、さすがに羞恥心が勝ったらしく、ローブを受け取って身に纏った。ちなみにお礼の言葉は無し。
「……気のせいか、随分と体が重くなった気がするのだが」
「あっ、それペナルティです。装備するのに一定以上のステータスを要求する類の物ですので」
勿論嘘だ。エレナの体が重く感じられたのは、ローブの【能力抑圧】によるものだが、それを見破るだけの判断材料はエレナには無いだろう。
実際俺の龍刀を筆頭に、そういった一定以上のステータスを要求する装備というものは存在するし、その中で無理に装備した際のペナルティで体が重くなったり、あるいはステータスが下がったりというのは割りとポピュラーなペナルティだ。
「ペナルティにしては、些か度合いが、強いような気もするが……」
喋っている最中にも、エレナの体が徐々に下がり、膝を付いてしまう。急激なステータスの変化に体が追いついていない証拠だ。
今の【能力抑圧】は龍刀をいつでも抜けるよう、ステータスを八分の一に下げるように設定してあるから、エレナの筋力は大体30を少し上回る程度。それは膝を付いたりもするな。
だが好都合だ。さすがにこんな状態になれば、エレナも前線に立ったりはしないだろう。身の安全に関しても、四哭獣のローブの防御性能は折り紙つきだ。あの魔人の【絶対切断Ⅹ】による一撃を除けば、絶対的に安全は確約される。
「さて……起きろ、エリンズ=ブアデス・ノーディコン」
さらにもう一本ポーションを消費して回復してやる。自滅のようなものだが、仕方が無い。あれは男ならば仕方が無い。
「ぐっ……」
回復を受けて目を覚まし、今度は頭痛を堪えるかのようにゆっくりと起き上がる。
「……ああ、シュウヤ君か。ボクは、何か大事なことを忘れているような気がするのだが、何かしらないかい?」
「それは間違いなく気のせいだ。もしくは気の迷いで、気にしすぎだ。何かを忘れている気がするという事自体を忘れろ。可及的速やかにだ」
俺の言葉に納得したように頷く。こんな説明に納得するなんて、こいつもアホなのか?
「そんな事より、やるべき事があるだろう」
「やるべき事……そうだ、魔人は!?」
素早く立ち上がり、イレーゼと交戦している魔人の姿を確認し、慌てて剣を掴む。
「シュウヤ君、君は姫様の側について姫様を守っていてくれ!」
「さっきも同じやり取りをしたよな。いいから早く行け」
エリンズが駆け出し、魔人に向かっていく。
「…………」
「何か言いたい事でも?」
「いや、やはり君は戦わないのだなと思ってな」
「エリンズにあんたの側にいて守れと言われたのでな」
「人に言われたからといって、はいそうですかと従うようなタマではないだろうに」
「失礼な。頭を下げられて頼まれれば、半々で聞く確率があるっての」
立ち上がろうとするエレナを、肩を抑えて制する。
「ま、ま、ここは大人しく見てようぜ」
「さっきも同じような事を言っていただろう。その結果がこれだ」
「一応弁解しておくと、この事態を招いたのはあのパッキン女の慢心が原因だ。イレーゼとヴェクターはまだ碌に戦ってないぞ?」
「……因みに参考までに尋ねるのだが、仮にここで君に頭を下げたとして―――」
「断る」
今の俺はローブを着ていない。つまるところ、手加減が非常に難しい状態にある。
そんな状態で戦えば、間違いなくボロを出す。そんなのは御免蒙る。
「あっ、でもローブを脱いだ状態で【空間画像保存(セーブ・シャッター)】をさせて頂ければ―――」
「それ以上口にしたら、君の今後の社会的地位の保証はしかねるな」
「すいません、冗談です」
産業廃棄物を見るような目で見られる。どうやら俺のユーモアのセンスは最低ランクらしかった。
次で対魔人戦は終わります。
多分2、3日中に更新できるかな。




