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世界最強の極悪貴族は、謙虚堅実に努力する~原作知識と固有魔法<虚空>を駆使して、破滅エンドを回避します~  作者: 月島 秀一
第五章

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エピローグ+【大切なお知らせ】

これはエピローグを『ほんのちょっぴり先行公開したもの』です。

あとがきに【大切なお知らせ】があるので、どうか最後まで目を通していただけますよう、お願いいたします(悪いお知らせじゃないです! むしろお得なお知らせです!)。


 ボイドとリゼの死闘から、六時間あまりが流れ、深夜零時。

 帝国北方にある森の果て、巨大なピネール滝の正面に、五つの人影があった。


「……尾行は?」


 皇帝の短い問いに対し、


「ありません」


 皇護騎士ロイヤル・ガーディアンのリーダー、断剣(だんけん)のロディが、素早く簡潔(かんけつ)に答える。


「よし」


 皇帝は小さく頷き、そのまま滝の裏へ――薄暗い洞窟へ入った。

 ひんやりと湿った空気を肺に含みながら、人間一人がギリギリ通れる細道(ほそみち)を進むと、ぽっかりと開けた空間に出た。

 壁面に埋め込まれた魔水晶の光で最低限の明るさは確保され、部屋の中央部に黒い長机と白い椅子が置かれている。


 そこは『裏殿(りでん)』と呼ばれる秘所(ひしょ)

 皇帝が他国の使節(しせつ)と極秘会談を行う際、重用(ちょうよう)している場だ。


「……ふぅ……」


 ルインが息を吐きながら、椅子にどっかりと腰を下ろすと、その後ろに皇護騎士の四人が控える。


(さて、どうするか……)


 目下(もっか)の悩みについて、虚の統治者ボイドについて思考を巡らせる。


(あの男は『王の器』。いずれ俺と同じ、『国家』という大舞台に上がってくるだろう……)


 皇帝はボイドのことを極めて高く評価していた。


(だがしかし、今はちんけな新興(しんこう)組織、(うつろ)を率いる『お山の大将』に過ぎん! 奴がさらなる飛躍を遂げ、手の届かぬ存在となる前に……帝国・皇国・霊国からなる『三国連合』で叩き潰す!)


 ルインが強く拳を握り締めたそのとき、裏殿(りでん)の両端に描かれた二つの魔法陣が、ほとんど同じタイミングで起動する。


(……来たか)


 空間支配系で最上位の一般魔法<転移>が起動し、数人の護衛を連れた赤い着物の老爺と白い法服(ほうふく)の老婆が――皇国(こうこく)霊国(れいこく)の使節団が現れた。


「よくぞ参られた、さぁこちらへ座ってくれ」


 皇帝が立ち上がり、もてなしの言葉を掛けると、


「お招きくださり、ありがとうございます」


「お呼び立ていただき、光栄に存じます」


 皇国と霊国の特使(とくし)は頭を下げ、椅子に腰を下ろした。


 帝国・皇国・霊国の要人(ようじん)が一堂に会すこの場に、『四大国』の中で唯一、王国だけが招かれていない。

 皇帝ルインは、現国王バルタザールこそ高く評価しているものの……。

 その子々孫々(ししそんそん)は――特に傲岸(ごうがん)な第一王女と尊大(そんだい)な第二王子は、『喋るゴミ』と(くさ)している。


 早い話が、王国は『沈み行く泥船(どろぶね)』と見限ったのだ。


「うぅむ……何やら獣臭いと思えば、霊国の猿がいたのか」


「不浄な気に満ちているかと思えば、皇国の蛮族(ばんぞく)がいらっしゃったのですね」


 皇国と霊国の特使は、顔を合わせるや否や、すぐに互いのことをけなし合う。

 両国は折り合いが悪く、まさに犬猿の仲だった。


 そこで登場するのが、話術に()けたルインだ。


「まぁ待て。この場は、私の顔を立ててくれないか?」


「……失礼しました」


「申し訳ございません」


 彼が緩衝材(かんしょうざい)&潤滑油(じゅんかつゆ)の役割を果たすことで、三国会議はかろうじて成り立っている。

『皇帝』としてはもちろん、『中間管理職』としても有用な男だ。


皇国(こうこく)霊国(れいこく)、知恵の足りん馬鹿どもではあるが……。世界に()(とな)える『超軍事大国』だ。馬鹿とハサミはなんとやら。こいつらを上手く使い、(うつろ)ごとボイドを叩き潰してくれる!)


 世界最高峰の頭脳×超軍事大国との繋がり、これが皇帝の武力であり、『奥の手』だった。


「まずは感謝しよう。突然の呼び掛けにもかかわらず、よく応じてくれたな」


火急(かきゅう)の要件と伺いました」


「何か問題でもありましたか?」


 その言葉を受け、皇帝は重々しく頷く。


此度(こたび)集まってもらったのは他でもない。『虚』という闇の組織について――」


 ルインが本題を切り出したそのとき、特使たちが同時に「待った」を掛ける。


「……何者だ?」


「……どなたでしょう?」


 その直後、カツカツカツと革靴が床を叩く音が響いた。


 暗がりの奥から現れたのは、


「――申し訳ない、少し遅れてしまった」


 漆黒のローブを(まと)う、仮面を被った謎の男。

 背後には、青髪の美少女が付き従っている。


「「「……!?」」」


 皇護騎士の四人と使節団の護衛たちが、迅速(じんそく)に警戒態勢を取る中、


「ボイ、ド……っ(あり得ん、何故ここを――裏殿(りでん)の場所を知っている!?)」


 皇帝は驚愕に瞳を揺らし、


「……厄災ゼノの転生体……っ」


「……虚空因子の継承者……ッ」


 皇国と霊国の特使は、強い憎悪の念を放った。


 一方、


「私の組織について、なんのお話かな?」


 涼しげな顔をしたボイドは、優雅な所作で椅子に腰掛け、(おだ)やかな口ぶりで問い掛ける。


「陛下、どういうことですか……?」


何故(なにゆえ)あの男が、会談の場に……?」


 特使二人の鋭い視線を受け、


「こ、これは、その……っ」


 皇帝が口籠(くちごも)っていると、ボイドが『助け舟』を出した。


「実は先日、我が友ルインより、お誘いを受けましてね。『帝国・皇国・霊国による三国会議を開くので、是非(うつろ)も出席しないか』、と」


「……はっ……?(こいつ、何をふざけたことを……!?)」


※ここまでがエピローグをほんのちょっぴり先行公開したものです。

あとがき↓↓↓に【大切なお知らせ】があるので、どうか最後まで見ていただけると嬉しいです。

【※読者の皆様へ、大切なお知らせ】

実は本作――カクヨムで『+1話の先行掲載』をしております!


どういうことか言うと、小説家になろう連載分よりも、カクヨムの方が1話先に進んでいる=今読んだエピローグの続きが読めるということです! なんかお得な気分っ!


そしてここで、皆様に大切なお願いがあります。

もしカクヨムのアカウントを持っている方がおられましたら、下↓↓↓のリンクをタップorクリックして、カクヨム版の連載ページに飛び、


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