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発見

 2階まで下りてきた湧哉はそのまま職員室へと向かった。

(しっかし、まるで動物だったなあれは)

 あれだけ奇声を発しながら生徒を追っていたのだ。それだけでも問題になりそうだ。しかし、あそこまで怒らせた湧哉の立場もどうなるか……。見つかって問い詰められても面倒なので職員室にはなるべく目立たないよう入った。

 職員室は思いのほか落ち着いていた。湧哉と教頭のことは追っていった教員に任せてしまったらしい。確かに谷口がいればいざというときに教頭を取り押さえることができるだろう。

 先ほどとは違う扉から入ったので教頭の机は目の前だ。すぐ近くに席のある田島もどこかへ行ってしまったようで、この位置の湧哉の姿が見える者は職員室内にはいないだろう。机の陰に隠れるようにしてからマウスを手に持ち、パソコンの中のデータを探し始めた。

 まずデスクトップに表示されていたのは渡ヶ丘高校のホームページだった。開かれたトップページは特に何も変わったところはなく、湧哉はそれを閉じると、タスクバーにしまわれているものを開き始めた。書類らしき文章、それに添付された写真、それらが保存されているフォルダがそれぞれ開かれていた。

 湧哉が教頭に話かけた時、教頭は急いでマウスを動かしていた。それを考えるとこっらは元から開かれていたのか、それともその時に開かれていたのかはわからなかった。しかし、今回の湧哉の目的は写真だ。画像ファイルを開き、マウスのホイールを回していく。流れてくる画像は校内の写真ばかりだ。時折人物が写っているものもあったが、盗撮写真のようなものは見つからない。しかしここにあるモノだけで教頭があんな表情をしていたとも思えない。と言うことは―――。

(他のフォルダか)

 湧哉はマウスを操作して開かれていたフォルダを選択し、最近使ったファイルを調べる。すると―――

「あった」

 思わず声が出た。新たに開いたフォルダにはそれらしき画像がズラリと並んでいた。開かずともそうだとわかるものもある。保存場所はUSBメモリとある。

「おい! 畑原何してる!」

 湧哉の入ってきたのと同じ扉から谷口が現れたところだった。突然声を掛けられて驚いた湧哉はマウスを数回クリックしてしまった。

「お前に似たのが二階の廊下にいたからもしかしたらと思ったが当たりだったな」

「あはは」

 用心してきたつもりだったがまさか谷口に見つかっていようとは。しかし、始めこそ大きかった声もすぐに小さくなった。どうやら叱るつもりでもないようだ。

「確かに教頭に聞けとは言ったがもう少し考えろ」

「す、すみません……」

 考えた結果がアレだったとは口が裂けても言えず、素直に謝るしかなかった。

「それでだ。お前は何をして……なんだこれは!?」

 谷口の視線は教頭のディスプレイに釘づけになっていた。驚いた時にクリックしてしまったようで、画像が大きく表示されていた。

「畑原、お前教頭のパソコンで何をしてたんだ? いや待て、これってうちの制服だよな……」

 谷口は確認するように湧哉を見やる。湧哉としてもどう答えてよいのかわからず、ただ苦笑いを浮かべるしかできなかった。

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