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Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組  作者: 瑞多美音


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49 イベント その2



 「次はどうしよっかなー……いてっ」


 もー、道の真ん中で転ぶなんて恥ずかしいじゃないかー!キョロキョロ……


 「ふぅー。誰にも見られてなかったっぽい。よかった!」


 周囲を見渡しても人っ子ひとりいない……でも、あれだけたくさんいたプレイヤーはどこ行ったんだろう?やっぱり少し先の方に見える森の中かなぁ?うーん……ベルたちもあっちにいるのかも。まぁ、今のところ連絡も来てないし、そのうち会えるでしょー……ほら、手分けした方がたくさんクリスタル集められるし!


 「さて、つまずいて転んでしまうような石は危ないから除去しなくてはっ!」


 わたしみたいに誰もいない時に転ぶならまだしも人に見られて恥ずかしい思いをしちゃうかもしれないし!

 わー、わたしって優しーい!……け、決してまた転んだら嫌だからとかいう理由じゃないんだからっ。


 「ん?……ってこれ!クリスタルじゃないですかー!」


 わーい、わーい!うんうん、まさにこれが転んでもただでは起きないってやつだねー!


 クリスタルは半分以上地面に埋まっている。はぁー、これに足を引っかけて転んだんだってことかー……なんてピンポイントな場所にあるんだっ。


 「さっきの衝撃で割れたりしてないといいけど……」


 慎重に掘り出して……クリスタルの汚れを丁寧に拭う……もちろん初期装備の袖で。

 だって初期装備の服って汚れないんだもんねー。あら不思議、拭ったらきれいなクリスタル出現……しかしっ、袖にに土や汚れは一切なし!ふっふっふっ。


 「うん、割れたりもしてないかな。はぁー、よかったー!」


 さっそくアイテムボックスに収納。


 「他にもクリスタル埋まってないかなー?」


 あたりをキョロキョロ見回してみる……流石にそう簡単に見つからないかー……


 「おっ、あんなところに川があるじゃないですかー!」


 きっと川の中にあるに違いない。ほら、水の中にあるクリスタルとか反射して見つけにくそうだし……うん、ほんとはちょっと見てみたいだけ。べ、別に水遊びがしたいわけじゃないんだからっ……嘘です。ほんとは気持ち良さそうだからちょっと入ってみたいって理由も半分くらいあります。


 水を覗き込んでみると……ん?キラキラしてるような?


 「おっ!あるじゃんラッキー……ってこんなに簡単に見つかっていいのかな?」


 うーん?だとしたら称号のおかげでLUCが高いからかなー?


 「ま、見つかるのは嬉しいんだけどねー……さぁ、LUCさんバンバンお仕事して見つけてくれたまえっ!」


 その後も水遊びと言う名のクリスタル捜索を続けつつ、川の周辺を散策していると向こうの方からプレイヤーが歩いてきた!


 男女2人組のプレイヤーさんのようだ……アリッサや常夏よりも少し年上かな?でも、顔は変えられるっていうし本当のところはよくわかんないや。その上装備品の良し悪しとかもわからないけど初期装備でもないし、女の人はやたら肌見せてるし、何より2人から自信満々なオーラを感じる。ベテランさんなのかなー?

 ん?通りすがりじゃなくて、わたしの方に向かって来てる?

 も、もしやパーティへのお誘いですか?ドキドキ……うん、別にさっきほかのプレイヤーがパーティ組んでた時に一瞬こっちをみてスルーされたのを気にしてるわけじゃ……はい、嘘です。めっちゃ気にしてましたー!やっぱり、初期装備だからスルーされちゃったのかなー?便利なんだけどなー……



 「そこの初期装備の子!ねぇ、ちょっと聞いてなかったわけ?」

 「おい!その花柄エプロンのお前だよ!」


 あれ?思ってたのと違うエンカウントですね……たしかに少しボケーっとしてたかもだけど、初対面でそんな物言いされる筋合いないと思うんだけどなー。


 「あんた!人の話聞きなさいよね!」

 「おい!聞いてんのか!」


 シカトしていいかな?一応、ベルに連絡とれる準備だけしとこう。


 「えっと……な、なにか?」


 うわー、この女の人よくみると顔がめっちゃ不自然で怖いんですけどっ……キャラメイク失敗したのかな?


 「ねぇ、ちょっと!あんたクリスタル見つけてたわよね?」


 クリスタル……なんで?見られてたのかな?


 「てめぇ!シカトしてんじゃねーぞ!」

 「え……まぁ、すこしだけ」

 「それ、私たちに譲ってくれないかしら?」

 「なんでですか?」


 わたしにはマシンナリーさんに渡すというミッションがあるのですよー!余ったら案山子さんやルミエルさんに渡さなきゃだし、マシンナリーさんだって同じような仲間がいるかもしれないし……


 「理由なんて知る必要ある?」

 「別にいいだろ?さっさと譲ってくれよ!」


 じわじわ近づいてくる高圧的なふたりから距離をとりつつ……


 「い、嫌です!」


 確か、プレイヤー同士の戦闘はできないはずだけど、このまま付きまとわれるのはイヤだなー。


ピコン!

 〈運営に迷惑行為だと報告しますか? YES or NO〉


 「な、なにこれ?報告するとどうなるんだろ?」

 「は?なにひとりでブツブツ言っちゃってんの?ビビっておかしくなっちゃったわけ?」

 「おーい!聞こえてますかー……クリスタル置いていけば何もしないぞー」

 「あっはっはっ……なにそれウケる」

 「ちっ!だってよー、これくらい言えば理解できるかと思って」

 「たしかに……やばっ!わ、笑い止まんなくなっちゃったじゃんっ!」

 


ピコン!

 〈運営に迷惑行為だと報告しますか? 報告された場合、運営が対応します。YES or NO〉


 おおー、なんか文言が増えた!ってそうしてる間にも焦れた男の方がビビらせようとしたのか、殴りかかるように大きく腕を振りかぶったのが見えた……危ないっ!


 連打する勢いでYES!YES!!YES!!!


 咄嗟にしゃがみこみ衝撃に備え目を瞑ることしばらく……


 「あ、あれ?」


 ハラスメントブロックのおかげ?それともフリだけだった?……そーっと目を開けてみた。


 「……いなくなったのかな」


ピコン!

 〈報告ありがとうございました。 後は運営が対応しますので引き続きイベントをお楽しみください〉


 「おー、運営さんがなんかしてくれたんだ!ありがとうございます!」


ピコン!

 〈いえいえ!さっきのプレイヤーたちが持っていたクリスタルやコアはお詫びとしてリリー様にプレゼントするそうです!これらは彼らが真っ当に手に入れたものなのでご安心くださいねー〉


 おー、会話できた!


ピコン!

 〈【至誠のクリスタル】×4、【叡知のクリスタル】×3、【生命のコア】×2がアイテムボックスに収納されました〉


 なんか、逆にラッキーだった。うん、別に同情とかはしないよ!だって怖かったし、いきなり絡んでくるとかありえない。ありがたくお詫びは貰っておきます……願わくばもう会いませんように。



 現在の収穫……

 【至誠のクリスタル】×9

 【叡智のクリスタル】×6

 【生命のコア】×3

 【読めない本】×2

 【花瓶】×1

 【綺麗な石】×2




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