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第63話 おにいの布団へ潜り込む義妹

 窓から差し込む太陽の光が、朝の訪れを告げる。

 普段ならば学校があるので起きるのだが、昨日から夏休みに入った。

 だからもう少し寝ていようと俺は布団へ潜る。


「ううん……ん?」


 ……なんか柔らかいものがある。


 布団の中にあるそれは大きく、なにやら良い匂いがするような……。


 えっ? なんだこれ?


 俺はそれに触れて掴む。


「あっ……んん」

「えっ?」


 しゃべったっ!?


 俺は慌てて布団を剥ぐ。


 そこにいた柔らかいものの正体。それを目にした俺は目を見開く。


「と、兎極っ!?」


 俺のベッドで兎極が気持ち良さそうな寝顔で眠っている。


 しかしなんで兎極が俺のベッドに?


 寝起きでまどろんでいた頭が一気に覚醒して、俺は困惑していた。


「うーん……うん? あ、おにいおはよ」

「うんおはよう。……じゃなくて、なんでお前がここに……俺のベッドで一緒に寝てるんだよっ!」

「ふふ、一緒に寝たかったから」


 いたずらっぽく微笑みながら兎極はそう言う。


「い、一緒に寝たかったからって……というかどこから入って来たんだ?」

「おにいって暑い日の夜はいつも窓開けて寝るでしょ?」

「あ、もしかして窓から……」


 ここは2階だが、兎極なら容易にのぼって入ることは可能か……。


「そうしようと思ったんだけど、女の子が2階の窓から男の子の家に入り込むなんてはしたないじゃない? だからお父さんに言って合鍵をもらったの」

「あ、そ、そうだったのか」


 いつも盛大に喧嘩して、相手を裸にしたりしているのに今さらはしたないとか気にするんだということは置いておくか。


「昨日お父さんに電話してね。夏休みのあいだはここにいていいか聞いたの。そしたらお父さん、忙しくてあんまり家に帰れないからおにいの面倒を見てくれたら助かるってママに合鍵を預けてわたしに渡してくれたの」

「ああうん。けど夜中に来なくっても……」

「本当は朝に来るはずだったんだけど待ちきれなくてね。おにいも早くわたしに会えたほうが嬉しいでしょ」

「そ、そりゃまあ……」


 兎極と一緒に過ごせるの嬉しい。しかし、


「けど起きて布団の中にいたりしたらびっくりするよ」

「ごめんね。一回、起こしてから一緒に寝ればよかったかも」

「そ、そういうことじゃなくて……」


 兎極はきょとんと首を傾げる。


 俺たちの関係はかなり近いものだ。しかし正式に恋人同士というわけではないので、一緒のベッドで寝るのはやはりダメな気がした。


「あ、わたしシャワー浴びちゃおうかな。おにいも一緒に浴びる?」

「い、いいいやっ! ダ、ダメだよそれはっ! 一緒になんて……」

「ふふ、そこそんなに元気にさせちゃって、本当は一緒に浴びたいんだ?」

「えっ? あ、わっ!?」


 寝起きであそこがバベルの塔になっていた。


「相変わらずおっきいね。そんなの見せられたら、わたしもドキドキしちゃうよ」

「な、なに言ってんだよっ。これは寝起きだからで……」

「本当にそれだけ?」


 妖艶に瞳を光らせて兎極が俺の顔をじっと覗き込む。

 美し過ぎる顔に間近で見つめられ、心臓の鼓動が早くなった。


「わたしのおっぱいに触って興奮したんでしょ?」

「え、いや、さ、触ってなんて……」

「わかってるんだから」

「う……」


 寝ていた兎極の柔らかい部分。図らずもその部分を掴んでしまったことで興奮したことは事実であった。


「もっと触ってもいいよ」

「ふぁ、わっ!?」


 兎極が上着のボタンをはずして胸元を開く。


 柔らかそうな双乳の谷間が目の前に晒され、俺はふたたび目を見開く。


「病院では覇緒に邪魔されちゃったけど、あのときの続き……今する?」

「あ、あのときの続きって……」


 兎極のおっぱいを好きに……。


 このおっぱいは恐らく世界一魅力的なおっぱいだ。

 このおっぱいを好きに……。


 そこへ向かって伸びる右手。その手を俺は左手で掴む。


「い、いやその……ま、まだ早いというかその……」


 童貞の俺にはまだ刺激が強過ぎ、触れることができなかった。

 それに今の俺じゃまだ兎極には相応しくない。


 俺はもっと強くならなきゃ。

 強くなって兎極を守れるような男にならなければ、そういう関係にはなれない。


 自分が弱いせいで兎極には散々の面倒をかけた。危険な目にも遭わせてしまった。心配もかけた。二度とそんな苦労を兎極にかけてはいけない。


 兎極とさらに関係を深めるには、自分を鍛える必要があると俺は考えていた。


「そっか……。触ってもいいのに」

「で、でもまださ……」

「わたしはおにいのそこ……触っちゃったよ」

「ええっ!?」


 熱が籠った兎極の眼差しが俺の下半身に注がれる。


「寝てるときにちょっとだけで足でツンツンって。ふふ、おっきくて興奮しちゃった」

「あうあう……」


 兎極が俺のを足で……。そんな事実を聞いたらますますアレが硬くなってしまう。


「と、兎極、俺……」

「けど始めちゃったらたぶん最後までしちゃうし、それはまだ早いよね。もう少し我慢しようか」

「う、うん……」


 俺と兎極の関係はまだ恋人同士ではない。

 でもいずれそうなり、身体の関係もやがて……。


 そんな未来を想像しつつ、俺は兎極と見つめ合っていた。

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