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Heroes Guild Online  作者: ムムム
新装備
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新装備

 闘技場にて大穴を叩き出してやった。


「ではこちらが報酬になります。ご確認ください」


 あの後控え室に戻ってNPCから報酬を受けとる。

 結果だけ見ればギルドポイントは入らないけどなかなか実入りの良いクエストだったな。

 報酬はお金エンと・・・素材か。


・暴走牛の堅角

 強化暴走牛の角

 様々な武器の素材となる

 部位破壊時のみの報酬


 武器の素材か。

 そういえば商都ツノハに来たのにまだ武器の新調してないんだよな。

 この素材を使って何か武器を作るにしても武器士に知り合い居ないしどうするかな。


「どうしたセン、何か考え事か?」

「あぁ、武器用の素材が手に入ったんだけどね。こいつをどうしようかなと」


 そういえばレトも何か受け取ってたな。


「レトも報酬出たのか?」

「まあな、お金エンはほとんど無かったけど代わりに素材はもらえたぞ」

「素材って堅角か?」

「そうそう、こいつは両手重斧の良い素材になるんだよ。苦労したかいが有ったってもんよ」


 もしかして様子がおかしかったのは・・・


「間違えてたら謝るがひとつ確認させてくれ」

「なんだ?」

「もしかして堅角を手に入れるためにわざとカジノで負けたのか?」

「・・・・・・」


 目をそらすなよ。


「たしかに堅角を狙ってはいたけどわざと負けたわけじゃ無いんだ」

「どういうことだ?」

「カジノの報酬に堅角は有るんだよ、だけど負けちまってな」

「負けたのはわざとじゃないのか」

「当たり前だ。わざと負けてどうすんだよ」


 それもそうか、どうも負けたのは本当みたいだな。

 レトの話をまとめるなら堅角を狙ってカジノに来たは良いけど負けこんで借金まで出来てしまい仕方が無く、次の策として闘技場参加での報酬狙いをしたらしい。

 そしてそれに俺は巻き込まれたってわけだ。


「それならそうと最初に説明してくれても良いだろう、何の説明も無く連れてこられたときは流石に焦ったぞ」

「それに関しては謝る。カジノで借金てのは本当だからな言ったら手伝って貰えないと思ってな」


 確かに「カジノでの借金を返済したいから手伝ってくれ、そのついでに素材もほしい」何て言われても手伝ったかどうか。


「まあ、結果オーライなんだから良いじゃ無いか。細かいことは気にすんな」


 その通りなんだけどお前レトが言うな。




 報酬も受け取ったしもう用は無いな。

 レトはその後知り合いに会いに行くとかで別れることになったし。

 露店通りで武器か防具でも探すか、それともスキル屋にでも行ってみるか。

 

 今後の予定を考えながらカジノを出たところで横から腕を掴まれる。


「おにいさん、こっち!早く」

「え?え?」


 腕を掴んできたのはつなぎの様な物を着た女の子だった。

 その子に腕を引っ張られながらいくつかの道を曲がり裏道を抜け人通りのない場所に出る。


「この辺まで来れば大丈夫かな」


 周りを気にしながらも腕は離してくれないので逃げることも出来ない。


「もう大丈夫そうだね、おにいさん」

「えっと・・・君は誰?」


 初めて見る顔のはずだ、所謂全身つなぎと呼ばれる服を着た(たぶん)年下の女の子。


「あー一応初めましてかな。あたしはキアって言うんだよろしく」

「よろしく、それで初めましての君は一体何でこんな事を?」


 今の様子からだと危なかったのは俺ってことみたいだし。


「まあお礼も兼ねてってとこかな、さっきはカジノでかなり稼がしてもらったしね」


 猫を思わせるような笑い顔させながら事情を説明をしてくる。

 稼いだって事は。


「さっきの闘技場の客のひとりか」

「せいかーい。大穴でガッポリです」


 たしか大穴になる"5分未満での討伐"にはひとりだけ賭けてくれてた人がいた。

 それが目の前にいる少女のようだ。


「それで何でこんな場所に引っ張ってきたんだ」

「そんなのおにいさんが狙われてるからに決まってるですよ」

「狙われてる?誰に?」


 誰かに恨まれる様な事はした覚えがないぞ。


「そんなの決まってるよ、さっきの闘技場に居たプレイヤー全員ですよ」

「はぁ!?」


 それは何か、大穴出したからとかか?


「普通に勝つ分には問題ないんですけどねー。おにいさんの場合ちょっと派手にやりすぎたみたいなんですよ」

「なんだよそれ・・・」


 闘技場に無理矢理引っ張り込まれて勝ったら恨まれるって理不尽だろ。


「ああ、そんな気にしないで下さい。どうせ一過性のものですからしばらくすれば収まりますよ」

「そうなのか?まあそれなら助かるが」

「ええ、この後他の何かで勝って儲けが少しでも出れば忘れますよ。あの人達は負け分は覚えず勝ち分しか数えないような人種ですからねー」


 なかなか辛辣な事言うね。

 実際そうなってもらわないと困るんだけど。


「今日明日辺りはおとなしくしてなきゃダメなのかな」


 そうなるとやること無いしログアウトするかな。


「おにいさん、暇になるならうちの商品見てってよ」

「商品?」

「そそ、うち武器士なんだ。ネタ武器職人キアって言ったらちょっとは有名だよ」


 そう言うとキアは露店用アイテムの露店敷布を広げながら自前の武器を並べ始める。

 先ほどの素材の件もあるし武器士と知り合いになれるのは願ったり叶ったりかなんだけどネタ武器ってなんだ?


「じゃーん、こんなん出ました-」


 並べられた武器を見てみるが・・・

 ピコピコハンマー、ハリセン、お土産木刀、魔女っ娘ステッキ、銀玉鉄砲等々、見た目のインパクトがすごい武器が並んでいた。

 ハリセンは使えそうだな。


「見た目もそうだしうちのスキルで攻撃力を下げてあるから安心して遊べる武器ですよ」

「攻撃力を下げるスキル?」


 見た目のインパクトから確認してなかったけどここに有る武器のほとんどが攻撃力が1とか2、中には攻撃力0もあった。

 作った武器の攻撃力を下げるスキルってそれこそネタにしか使えないスキルだな。


「正確には耐久変化ってスキルでね。使い方は武器の耐久度を上げる代わりに攻撃力を下げるスキルなんですよ」

「なるほどね」


 武器に限らず装備品には耐久度が設定されている。

 耐久度が高い装備品は壊れにくく長く使えるメリットがある。

 ただしそれは封札士には関係が無い。

 なにせ封札すればその耐久度は減らないのだから高かろうが低かろうが意味は無いのだ。


「まあ、こいつらはうちのスキルの説明に見せただけだから。本命はこっち」

「本命?」

「そう本命、うちのスキル耐久変化は上げるだけじゃない下げることも出来るんですよ」


 キアが本命と言って取り出した武器は一本の刀だった。

 柄も鞘も白色をベースにデザインされている。

 そして抜かれた刃は半透明で向こう側が見えるほどだった。


「この子が本命の武器グラスサムライソードですよ」


 グラスサムライソード、美麗という表現しか出来ないような武器だった。



 ん?グラス?


「ってこれガラスで出来てるのかよ!」

「あはは、その通りでーす」


 本命武器はガラス製の刀だった。

キャラクタープロフィール

・キア

・武器士

・ネタ武器職人として有名

 作られる武器は実用(戦闘)には適さない物ばかり

 ただし本人はそんな武器が有ってもいいじゃないとばかりに様々なネタ武器を作成している

 そして実際に人気もある

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