表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『悪役令嬢ですが武の道を往く ― 元空手家おじさん、貴族社会を正拳突きで切り拓く!』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/51

診察の結論

医師はしばらく沈黙したのち、そっと聴診器を外した。

額には薄く汗がにじんでいる。体調を崩しているのは、むしろ医師の方かもしれない。


「……け、健康状態に問題はありません」


ようやく声を絞り出したものの、その声は震えていた。


「脈も正常、体温も安定、呼吸も規則的……どこにも異常は見つかりません。

 ただ、その……」


ちらり、と医師はヴィオラを見る。

が、視線を向けた瞬間でさえ“どこにいるのか一瞬迷う”感覚が走り、言葉が詰まった。


「……存在感が薄すぎるのは……」

「……私の診療範囲ではございません……」


最後の方は、ほとんど逃げるような小声だった。


リリアは「ですよねぇぇ……!」と心の中で膝をつき、

ヴィオラだけが変わらず淡々と椅子に座っている。


診察室には、医師の深いため息と、静かすぎるお嬢様の気配だけが残った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ