表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『悪役令嬢ですが武の道を往く ― 元空手家おじさん、貴族社会を正拳突きで切り拓く!』  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/51

“気配の希薄さ”による伏線

水晶球は、内部に淡く灯っていた光を――ふ、と吸い込まれるように消した。


まるで、少女の手が触れた瞬間、

「失礼いたしました」と礼儀正しく頭を下げて光を引っ込めたかのように。


部屋に満ちている魔力の粒子たちは、通常であれば測定対象へと吸い寄せられ、球の内部へ流れ込むはずだった。

しかしヴィオラの周囲だけは、見えない境界に阻まれたかのように、粒子の流れがそっと外側へ迂回していた。


触れようとしても、触れられない。

流れ込もうとしても、入り込めない。


彼女だけが、世界の魔力から“拒まれている”――そんな風にも見える。


測定士はもちろん、リリアでさえ気付かない。

だが読者にだけは、その異様な沈黙と空白が、はっきりと伝わる。


水晶球は沈黙し、

魔力の流れは彼女を避けてたゆたい、

部屋の空気だけが「ここに異質なものがいる」と告げていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ