カルカトス ナイトメア【カルカトス】
「……あぁ?……あぁ、おはようグリム」
私の可愛い2号作にそう声をかける。
「はい、おはようございます、初号機」
「ま、今はそんな呼び方じゃないんだけどね」
「……そうだったのですか?なら、『私』の呼び名は?」
「『カルカトス ナイトメア』よ、初号機」
「……カルカトス……?いや、教えてくれてありがとう」
「いえ?構いませんよ、あなたのその名前をあなたの記憶の中に残っていない人が『自分はあなたの味方だ』のような意味のこと様を発した時、あなたのフルネームを聞いてください、知らなければ、偽物です」
「なるほど、面白い判別方法ですね、分かりました」
「……それでは仕事に行きましょうか」
「ちなみに仕事とは?」
「迷宮攻略、あとは、大会に出てみたり、なんせ、名を売ることです」
「名前を売る?」
「はい、そうして間接的にマスターの株を上げるのです」
「……なるほど」
「これがあなたの所持品です」
アイテムボックスと……大剣……
「体、訛っていませんか?」
「……少し重い気がしますね、馴らしてから行くとします」
「そうですか……なら、私とやりますか?」
「!いいのですか?」
「まぁ、仲間なんですから」
「なら、お願いします」
「えぇ、よろしくお願いしますね」
大剣を握り、剣先は地面に着けたまま、柄を頭の顎の位置まで引き上げる……いや、違う?この構えじゃない……
片手で持ち上げ、構える。
?左手に何か持っていたっけ?
「どうしましたか?」
「……いや、なんでもない」
両手で大剣を持ち構える。
「それでは……初め!」
第3号機……いや、いまは『スノウ』だったか?が開始の合図をする。
「はっ!」
「……うん、なるほど」
彼女の剣を受けながら、返し方を思い出していく。
剣を弾き、腹部を蹴りあげる。
「……おぉ」
腕でガードされた……が、かなりの距離飛んだ……なら『腕を伸ばして』リーチを勝ち取ろう。
「伸びっ!?」
首の手前で剣を止める。
「私の勝ちです……良かったですよ、勝てて」
「……これが初号機……」
そうか、グリム以外に戦っているのを見せたのは初めてだったか?
あれ?でもグリムと戦うのは今日が初めて……いや、違う?何度も戦った?いつ?
?????
《安定した思考》
「……まぁ、いいか」
とりあえず仕事をしに行こうか。




