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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
お皿が割れるみたいな?
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生きるスピーカー【ルロック】

「……さて、帰りますか……」


 あの日の会議が終わり、魔界の家まで帰る。

帰る時はマチアさんが飛ばしてくれた。


 しかし、同じく魔界に住まうはずのペルソナ様がどうして来れなかったのでしょうか?


 なんてことを思いながら夕飯の支度をしていると、強めのノックの音。


「……はーい?」


 エプロンを外し、少し小走りに玄関に向かい扉を開く。

真っ直ぐのままでは髪しか見えないため視点を落として見れ


「ま、魔王様っ!?」


  予想外の来客……いや、会議がバレてる……!?


「ご飯の匂い……ごめんなさい、邪魔をしたかしら?」


 いや……気づいていない……私の言葉で変わるのか……


「いえいえ、どうされましたか?」


 それに顔は焦っていてとても余裕が無い。珍しいことだ。


「それが……少し魔界のみんなに緊急で送って欲しい言葉があるのです」


「な、なんでしょうか?」


 私の固有スキルを使えば、確かに可能ではあるが……故にイタズラ厳禁だ。


「……四天王の一人、ミリアが攻撃を……聖魔法の奇襲を受けた……!」


 は?


「……どういうことですか?」


「……命に別状は幸い、ペルソナが緊急で看護に来てくれたおかげで安定しているが……」


「……しかし状況は芳しくない……と?」


 ペルソナ様が来られなかったのは……そういう事か……!

それにしても……聖魔法……


「……聖女の仕業……とあれば……これは宣戦布告……?」


「……かもしれない………分かり合うのは難しいのでしょうか……?」


「……いつの世も反対派はいます、それが今は強いだけ……諦めないで、頑張りましょう」


「……私に氷魔王の様な圧倒的な力があれば……いえ、そんなことを言っては不安にさせてしまいます。

ごめんなさい……そしてありがとうございます、頑張ります」


「はい!頑張りましょう!一緒に!」


 そう言うともう一度にこりと笑い、皆に伝えることを約束した。


 それは魔界に住まう全魔族、そして……『六罪(アルマティア)』の皆に……アルグロウド様がお怒りになっているのが伝わってきたのと、ペルソナ様から説明してくれてありがとうと言った感じの感情を受け取りました。


 私は生きるスピーカー。

皆に言葉を届け……そして最近は感情をききとれるようにさえなってきました。


 戦争の時は近い……娯楽島ができるのが先か……戦争が先か……


 そんなことを考えていると、変な匂いが……


「っ!いけないっ!料理の最中でした!!」


 急いで戻りましたが……沸騰した水が火を消してしまっていました。


「……まぁ、作り直しますか……はぁ……」


 魔界の国民は皆、私の言葉に絶対の信頼をしています。

……この立場、いずれ全てをひっくり返す時に……!


 本を閉じて、ニヤリと笑う。


「お塩を少々……少々ってどれぐらいですか……?」


 ひとつまみして……いや、もうちょっと入れよう。


「……甘っ!?これ砂糖っ!?」


 わちゃわちゃしてますが……ご飯を作るのは大変です。


「……明日は美味しいの作れるかな……?」


 料理本……そろそろ次のステップに行きたいところです。

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