昇格試験 銀
「……という事で、こちらの森で討伐を行っていただきます、条件は『危険度』まぁ、人によっては『ランク』と呼ばれるものの示す値が3を超えるものを討伐してきてください」
「はい、分かりました」
『暗き森』と呼ばれる深い深い森
この森には『スケルトン』や『グール』少し位をあげると『デュラハン』なんかがいる、かなり難易度の高い森だ。
「危険度3以上……か」
「誰を標的にする?『スケルトンソルジャー』とかか?」
「うーん……無難にそこら辺かな?」
勝てない相手ではない……むしろ探す方が大変というものだ。
「シルバーランクに上がれば、ステータスの内容が少し変わるらしいからな、それも見たいものだ」
さぁ、探索開始だ。
「……いないな……あ、あれは?」
「……ただのスケルトン……じゃないな?
……あー、でもあれも違うな『スケルトンナイト』だわ、あれ危険度2」
「……まじでいないな……」
「ま、まあ、そんなにポンポンいたら大変だと思うよ?」
「あー、確かに、俺もそう思うわ……根気強くやりますか」
「……おい、あれ!」
「んー?また「ナイト』でしょ?」
「違うって!ほら、甲冑が!」
リョクが興奮気味にそういう。
「……あぁぁ!!本当だ!弓!」
「はいよ」
魔力をこめ、矢を作る。
「脳天は無理……手を打つ」
まずは右の肩……よし、当たった。
だが、バレた。
目のある位置にあるはずの眼球は無く、あるのは青い炎。
右腕を下げたままで、こちらを向く。
「……さっさと終わらせる」
その後、少し、剣を交え、そして、首を落とす……よし、俺の勝ちだ。
「……さ、ササッと帰りましょうか」
「だな、カル、お疲れ様」
「おう!」
話しながら、帰路を辿る。
「うーん……無いなぁ……ここもハズレかな?」
そんな言葉が右から聞こえてくる。
反射的にそちらを振り向き、目を合わせる。
「……っ!!?」
「……わおっ!?まさか私以外にも同族がここにいるとは思わなかったわ!魔王様私の事信用してないのかなぁ?」
目が合った女性は黒い髪にそこから生える2本の角、蝙蝠と竜の羽を足して2で割ったような翼、血のように赤い瞳……『魔族』だ。
「……ま、魔族……!」
しかも限りなく純度が高いとされる黒髪赤目!
「えー?君もじゃ……ないの?」
「俺は人間だ!」
「ふーん?人間にしては奇っ怪な見た目だし……精霊……?」
「僕に……気づいた……!?」
「相変わらず精霊語はわかんないねぇ
……あぁ、確かに君には角も羽もない……魔族じゃないんだ?
……なら、どうしてくれようか?」
「……っ!そんなもの決まっている!ってかなんで俺仮面とローブつけてるのに俺が魔族に見えるんだ!?」
「んー?あぁ、それは君の魔力のせいだねー、どす黒くて……魔族らしくドロドロした黒だよ?君の魔力」
魔力を感知する能力があるのか。
「……だから、リョクにも気づいたのか」
「そう!そして〜!人間と魔族!敵対している二大勢力が出会ったとすれば!」
「……何が起こるんだよ!?」
「無論!むろーん!むろろーん!戦い!……って言うことでもなくてね、私は別の用事でこっちに来てるんだー!」
「……へぇー?じゃ、そういう事で」
「……でも、君面白いね」
ニヤリとイヤな笑いをする魔族。
なーんか見覚え?聞き覚えのあるキャラクターですね。




