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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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試合観戦

「……次の試合は……ハウルか!」


「そだよー!」


 私の友人が次の試合に向かうようだ。

私にしてくれたように、彼女を見送る。


「ま、君なら負けはないだろうけどね」


「ははっ、買いかぶらないでよー!」


 安物の直剣片手に彼女は笑う。


「んじゃ、行ってきまーす」


 朝、顔を洗いに川へ足を運ぶ時のように、リラックスしきっている。


「……さぁ!次の試合は!彼女!ネルカート最強の名を欲しいままにした1人の剣士!『ハウル選出』!!」


「対するは、剣聖の街、ソウルド出身の5人パーティの騎士の方々ですね、剣聖の『ハルマ バルバ』様に彼らについて聞いてみましょう」


 そういうと、くすんだ栗色の髪に、赤く光る目の男が答える。


「あっはは……様付けはやめてくださいよ、僕は元々ただの市民の家の子なんですから……彼らですか、手強いと思いますよ、本来彼等は集団戦を最も得意としているのですから、コンビネーションにはやはり目を見張るものがある。

と言ったところでしょうか?」


「ありがとうございます!いやー!貴重な意見を聞けたね!」


「いえいえ、それが今の僕の役割ですから」


 整ったその顔に親しみやすい笑みが浮かぶ。

なんだろう?近所のお調子者のお兄さんを見ているようだ。


「それでは!試合開始っ!」


 ルールは『武器落とし』になった。

花落としと同じ系統のルールで武器を落とせば勝ちだ。


 別段何も賭けては無さそうだ。


 ハウルは、始まった瞬間、ゆっくりと歩み寄る。


「おぉー!大胆に歩いていきます!」


 前衛の槍持ちが足元を狙う一突き。


 それがまるでわかっているかのように足を少しあげ、槍を持つ手を『鞘に収まったままの剣』で殴り飛ばす。


 もしも抜いていたら、彼の手は飛んでいた。


 武器ごと彼を吹き飛ばし、次の標的へ目を向ける。


 残りの4人は、彼女に手も足も出ず、蹂躙された。

剣なんて1度も抜いていない。


「インタビュー、お願いします」


「うん、騎士の皆さん、ありがとうございました。

私はまだまだ負ける訳にはいけません」


 そう告げ、それ以上は何も言わず、立ち去る。

そんな彼女のクールとも取れる姿に歓声が上がる。


「やったー!カルー!みてたー!?」


「か、カル……?見てたよ、おめでとう」


「あだ名だよあだ名ー!仲良しって感じ!」


「しかし、最後の一人大変だったなぁ」


 この試合はアイテムの持ち込みは自腹ではあるが、許可されている。


 最後の一人は持参したポーションを呑もうとした瞬間に叩かれたから試合終了後少しのあいだむせていた。


「あれは……あっはは」


 彼女もどんまいといった様子だ。


 次の出番までまだまだ時間がある。

少し、ステータスを確認しようか。


カルカトス ナイトメア

年齢 16 性別 ???

種族 ???

職業 冒険者

Lv 32

HP167

MP473(+120)

筋力 154

耐久 140

速さ 201

賢さ197

魔力 242

称号 『擬神』『鎖の英雄の英雄』『盗賊英雄の英雄』『語り部の英雄の英雄』

スキル 我流剣術Lv7 剣術Lv2 弓術Lv5 体術Lv6 斧術Lv2 槍術Lv4 直感7 夜目Lv5 狩りLv6敵意察知Lv6 魔法学Lv6 『悪夢魔術Lv々☆』『炎魔法Lv〒』『水魔法Lv*』『自然魔法Lv→』『風魔法Lv#』『白魔法レベル2(+☆)』


装備品 方舟の破壊剣 パックのローブ パックの仮面 ブーツ マジックバッグ(空き容量0)ポーション×3


固有スキル 《限界突破(リミットブレイク)》Lv??


マジックバッグ

十層の守護者の輝石(チェーンプリズン)》《二十層の守護者の輝石(ギブアンドテイク)》《三十層の守護者の輝石(心象詠唱)


 ところどころ文字化けしているな……読めないのはなかなか苦労する。


 マジックバッグの容量ももう無い……もっとサイズの大きいものを入れたり、ポーションを入れたいところだ。


「……しかし……神体……か」


 また『マスター』に聞こう

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