生誕祭【カルカトス】
「……いやー、びっくりしたねー!」
楽しそうにミラン……ハウルがそう声をかける。
「うん、驚いた……けど、ラジアンが参加しないのはありがたいね、君の夢の最大の障壁になり得るから」
「……確かに、そうかもね」
お互い笑い合い、トーナメント表や、参加している面々を見る。
フロウさんは無事に参加出来たが、国内大会初戦でハウルとぶつかったバンクパーティーは初戦敗退、つまり生誕祭へ駒を進められなかった。
他には『クロウパーティー』『エルキナパーティー』も生誕祭へ駒を進められなかった。
「……さぁ、第1回戦!生誕祭は長いぜ!つまり!1試合1試合!皆で!噛み締めて捧げよう!!」
「……あ、初っ端から私か」
相手は……クリーズ……パーティー……?……!?
クリーズさんの方をバッと振り向くと、こちらを見つめ、ニヤリと笑っていた。
「……結構強いね、あの人たち」
「……あぁ、皆私よりも強い人たちさ」
「なら、どうやって勝つの?王子様」
「無論、冒険者らしく『姑息に』『卑怯に』『確実に』」
「私の教えた剣、忘れないでね〜?」
「あぁ、それだって使うさ」
まぁ、大剣使ってるからそれが活躍するかは知らないけどね。
「なら、相手から直剣取らないとね……武器取りの手順も教えたでしょ?」
「あぁ、もちろんだ」
「さぁ!まずは!栄えある1回戦!戦うのはぁ!?
同じネルカート出身の2つのパーティー!
『クリーズパーティー』と!『カルカトス』だ!」
「よろしくね〜カルカトス君」
「はい、よろしくお願いします」
「ルールは何にする?」
「なら『花落とし』で」
「か、カルカトス選手!?まーたこの人は無茶なルールを申し込んで!!!だが!それが彼の面白ポイント!!」
「もちろん、それを受けるよ」
「ルールは!花落としに決定だ!」
「何を賭けようか……そうだ、同じ迷宮探索者、ここはひとつ、自分が持っている迷宮の情報をかけよう
話の種を、賭けようか」
「いいですね、クリーズさんたちの話は参考になりそうです」
「勝つ前提かい?」
「いいですねぇー!!それでは!第1回戦!……開始!」




