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黒髪赤目の忌み子は英雄を目指しダンジョンの最奥を目指す  作者: 春アントール
英雄とは、誰よりも優しくてカッコイイ人だろう
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国内大会 1

【大会ルール】


試合形式は、生誕祭本番に行われるものと同じものを適応する。


『殺しは禁止』


形式は以下の形で、試合時にお互いが合意の元、ルールを決めること。


形式1 花落とし

胸や頭、どこでもいいが急所に花を1輪さし、その花を落とすという戦い方。

魔法の影響などで枯れたり、その他原型を保てなくなった時点で敗北とする。


形式2 デスマッチ

どちらかが降参、もしくは戦闘続行不可能と審判が判断したその瞬間、試合が終わる、実戦形式、待ったナシの熱い戦い。


主なルールはこの2つだが、人によってはオリジナルも生み出している。

「……さぁ!始まりました!もうあと2ヶ月後に控えましたネルカートの生誕祭、その日、王へ捧げる戦いへコマを進めるのは誰か!それが本日決まります……楽しみですねぇ!」


 司会の男が熱のこもった様子でそういう。


「ですね、今年も今年で様々な人達がいます……特に今年は新人が豊作との話を受けていますね」


 メガネの女性が同意し、質問をしている。


「はい!ネルカートに住むものなら、まず初めにあげるべき新人は……『カルカトス選手』でしょうね」


 !私の名前が上がった!


「えぇ、彼は今大会に単身で挑むチャレンジャーでもあります、迷宮探索で培われたその腕は、人相手に通用するのか、見ものですね」


「えぇ!なんでも守護者なる前代未聞の存在と戦い、その全てに勝利を収めています、アライト ワクレフト、クロン ウェイパー、マイン ウェイパー、そして最近また出会ったミラン ダリン、皆さんが子供の頃に1度は聞いた彼らに勝利を収めた彼を侮るものはそう居ないでしょう」


「そうですね、単身といえば『ワイパー ド ハウル選手』もまた単身での参加となっていますね」


「えぇ、姿形も初めて聞く人ですが、間違いなく実力者でしょう、何より見た目がカルカトス選手と非常に酷似しています、仮面の穴がないこと以外は同じでしょう。

意識をしているのでしょうか、それともただただオリジナルが被ったか……なんにしてもその力は本物でしょう」


「始まる前から楽しみですね……さて、ここで解説役として、ゲストの『ピュー フォルテ』さんです……紹介するまでもありませんが、一応ご紹介の方をさせていただきます」


 おぉ!フォルテさんだ!凄い!本物!?


 私と同じように、熱狂した観戦客から雄叫びや歓声が上がる。


「えぇ、やはり大人気ですね

ピュー フォルテさんは皆さんご存知の通り、今をかける冒険者の中で『最強』の呼び声が高いミスリル級冒険者です

人気も、1位、実力も1位

名声、力、容姿端麗、博識、絵に書いたような完璧な彼がゲストとしてきてくれました。

本日、彼のパーティーメンバーの方はあちらのVIP席で観戦していますが、私たちの目では追えないこともあります、その際は頼みます……あと、握手お願いします」


 笑顔で対応するフォルテさん。


「ずりぃぞ!!」


 観客席から司会へブーイングが飛ぶ。


「そーだそーだ!!」


 私もその中の一人だ……


「ありゃりゃ、大ブーイング……フォルテさん、お願いします」


 そうマイクを渡すと、笑顔で受け取り、スクリーンに彼の顔が映し出されると静かになった。


 銀色の髪に、黄色の瞳が、スクリーンいっぱいに移された。


「どうも、紹介に上がりましたピュー フォルテです

まず初めに、本日、ネルカートのこの司会席へ呼んでいただいたことに、感謝を。

そして、皆さんの血湧き肉躍る素晴らしい戦いを特等席から見れるということへの感謝を。

最後に……君たちは、そのレベルに至っている、その会場へ踏み込める、躊躇うな、後悔ない戦いを繰り広げ……いつか、俺の所まで上がってこい」


 激励、そしてその挑発とも取れる発言に、皆背中を押された……最強に背中を押されたんだ、進まないのはあまりに無礼だ。


「おおおぉ!!!」


 歓声が上がり、拳を上に突き上げる者もいた。


「さぁ!!フォルテさんからの激励も受けました!この熱が覚めない間に、試合を始めましょう!

ルールは手元のパンフレットの通りです!さぁ!第1回戦、開始!」

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