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夢転移でダンジョン無双 ~寝ている間だけ行ける夢のダンジョンで無限レベルアップ 世界最強の力で日本を救います~  作者: ひだまりのねこ


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第七十四話 ダンジョン暴走 前編


『ハハハハハ、見てみろ聖也。ダンジョンからあふれ出る魔物の大群を!! このペースなら一週間もかからずこの国は魔に飲み込まれることであろうな』


 自称神こと闇の亡霊が歓喜の叫びを上げる。


「ち、ちょっと待て!! こんなことは聞いていないぞ? そんなことをしたらこの国が滅んでしまうじゃないか!!」


 聖也はあくまで今のこの世界で頂点に君臨したいのであって、滅ぼしたり魔物が跳梁跋扈する国になってしまっては困るのだ。


『安心しろ。滅ぼすつもりは無い。だが、忍という存在はいずれお前の脅威になる。幸いこの学園都市とダンジョンシティに忍と忍の卵が集中しているからの。最初にまとめて処分してしまえば後々楽になるというもの』


 闇の亡霊にとって、ダンジョンに侵入できる存在はなるべく少ない方が好ましい。あくまで合理的かつ効率的な計画なのだと聖也を諭す。


「むう……だが学園都市には巫もいるんだぞ? 彼女を手に入れるためにやっているのに、意味が無くなってしまう!!」


『ほほ、私を誰だと思っているのだ? お前が懸想(けそう)する女子は襲わないようにしておるから大丈夫だ。なんならピンチを演出することも出来るぞ。お前が颯爽と助け出せば好感度も爆上がりするのではないか?』


 聖也の考えることなどお見通しだというように笑う闇の亡霊。


「なるほど……それは良いかもしれない……いや、それ最高だな!! ふふ、楽しみになって来たぞ、ハハハハ!!!!」



 突如ダンジョンからあふれ出した魔物の大群に学園都市は大混乱。夜中ということもあって、多くの人々は就寝中で、ダンジョン内や外に出ている人がほとんどいなかったのは不幸中の幸いだったといえる。さらに、鳳の監視体制を万全にしていたおかげで、奇跡的に被害もほとんど出ていない。あくまでも――――現時点での話ではあるが。


 すぐに警報が発令され、軍や特殊部隊が出動するも、魔物の群れはすでに学園都市全域に広がりつつあり、その数は秒単位で増え続けている。外壁を突破されるのも時間の問題で、ダンジョンシティーにも緊急避難命令が発動された。



「学生は我々が食い止めている間に民間人を連れて避難しろ!! 急げ!! 長くは持たない!!」


 忍たちが最前線に立って防衛ラインを辛うじて維持しているが、魔物の数は減るどころか増える一方。いつまで持ちこたえられるか、ギリギリの綱渡り状態が続く。


「マズいな……これは」


 鬼頭は迫る魔物を片っ端から倒しながらも眉間にしわを寄せる。


 時間が経つほどに明らかに魔物のレベルが上がってきているのだ。今はまだ下層の魔物が中心だが、このまま中層以上の魔物が増えてきたら数に押し切られてしまう。



「くそっ、もう限界だ、撤退しなければ我々も全滅するぞ!!」

「駄目だ、まだ早い!! あと少し、少しでもいいから時間を稼ぐんだ。夜中ということもあって避難に時間がかかっている。ここで引いたら膨大な犠牲者が出るぞ。すべて防ぐ必要はない、少しでも、圧力を減らすだけでも意味はある、諦めるな!!」


 家族や恋人、日頃お世話になっている人々の顔を思い出し、鬼気迫る表情で戦い続ける忍たちだが、徐々に疲労が蓄積してゆく一方で、魔物はまるで無限に思える勢いで新たに増強されてゆく。視覚的に減らない敵の姿に精神も削られてゆく。


 ――――もう駄目か。そんな空気に包まれた時、


 突如参戦してきた千名を超える集団が、魔物の群れを蹴散らし防衛ラインを押し戻す。


「先生、俺たちも戦う」


 武富や降矢、赤牛たち特別クラスの生徒たちを筆頭に集まった忍高生たちが、民間人の避難を完了させて戻ってきたのだ。


「お前ら……なぜ逃げなかった?」

   

「大丈夫ですよ、俺たちも戦えます。なんたって最新のバトルスーツがあるんですから!! それに……俺たちが逃げたら……戦える俺たちが逃げてしまったら、戦えない人々が犠牲になってしまいます。今は少しでも時間を稼いで、増援を待つべきじゃないんですか?」


 四葉製最新のバトルスーツは、魔人との戦闘を想定して作られたもの。


 つまり、生徒全員が白金クラスに近い戦闘力を持つことになる。


「まったく……生徒にそんなこと言われたら、俺たち教師が音を上げるわけにはいかなくなっちまったな!!」


 鬼頭や教師たちはもちろん、他の忍たちも折れかけていた心を再び奮い立たせる。


 

 しかし、多少状況が良くなったとはいえ、時間の経過とともに再び劣勢に追い込まれてゆくのは目に見えている。


 魔物のレベルは現在も少しずつ上がり続けており、ダンジョンから吐き出されるその数も勢いもまるで減る様子が無いからだ。



 それでも彼らは諦めない。自分たちが最後の砦だとわかっているから。


 目の前の魔物一体倒せば、その分人々が助かる確率がわずかながらでも下がると信じて戦う。


 戦い慣れた三年生が先頭に、不慣れな一年生には二年生がフォローに付いて交代制で防衛ラインを守る。



「マズい!! オーガが出てきた。なるべく複数で当たれ!! ちっ、トロールまでいやがる……」


 下層最強クラスのオーガに加えて、中層階レベルのトロールまで混じるようになってくると、これまでのような戦い方では対応できない。本来であれば、複数人で倒すべき魔物だが、今は向こうの方が多いのだ。


「……これまでか。これ以上はいたずらに犠牲を増やすことになる」


 現場の忍リーダーが撤退の命令を出そうとしたその時――――




 ――――眼前の魔物の群れが一瞬で吹き飛んだ。



 一体何が起きたのか……? 


 無数の骸をさらす魔物の山を背景に、忍たちの前に降り立つは四人の戦士。



挿絵(By みてみん)

「悪い、遅れた」


 死神こと 黒崎零。


挿絵(By みてみん)

「ふふん、良い食後の腹ごなしになるな」


 龍神こと 龍神綾。 


挿絵(By みてみん)

「ふふふ、怪我をした人はみんななおしてあげるわよ~大サービスしちゃう」


 桜花こと 日向さくら。


挿絵(By みてみん)

「諸君、よくやってくれたね。もう大丈夫、我ら四天王が来た限り、魔物は一匹たりとも街からは出させないよ」


 賢者こと 弥勒院 焔。



 日本国の守護者、最強の忍、ここに――――参上。




 ただし……なぜか全員男物のパジャマ姿ではあったが。

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[一言] みんながみんな主人公!! だけどちょっとしまらんぞ四天王!!(;'∀')
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