6.心境。
体調崩してました_(:3 」∠)_さーせん。
※新作も書きました。
https://book1.adouzi.eu.org/n1029li/
あとがき下のリンクから、飛べます(*'▽')
「なぁ、加藤? さっき小園の言ってた『暴力事件』ってなんだ?」
「すみません。自分も詳しくはないんすけど……でも、俺らの中学で小園先輩のこと、悪くいう奴なんていませんでしたよ。暴力ってのも、初めて聞きました」
「……そか、なるほどな」
拓哉が去った後に、サッカー部の部員と高橋が話している。
訊ねられた加藤もどこか困惑した様子で、首を傾げてしまっていた。その様子から見るに、彼自身は拓哉を称える気持ちで声をかけたのは間違いない。
それを察した高橋は、微妙に空気になったことは咎めなかった。
しかし、そうなると何があったのか。
「でも、間違いないのは――」
そう考えていると、加藤は最後にこう言った。
「ウチの中学からいじめが消えたのは、小園先輩のお陰らしいです」
◆
「あー……明日、絶対に筋肉痛だな」
俺は高校からの帰り道で、ボンヤリとそう呟いた。
せっかくなのでショッピングモールにでも寄ろうと考え、足を運んだものの、思いの外にふくらはぎの疲労感が拭えない。少し休まなければ、いまにも攣ってしまいそうだった。
そんなわけでベンチに腰掛け、俺は人の往来を眺めている。
夕方と言われたが、その刻限まではまだ少しあった。
「それにしても、サッカー部に中学の後輩がいたのか」
赤羽さんが同じ中学というのは知っていたけど、それ以外にもいたのは初耳。それに加えて、俺のやったことにどんな尾ひれがついたのか、あのように言われるとは思わなかった。
いまの学校に、自分のいた中学から進学する生徒は少ない。
そう思って高をくくっていたのだけど、
「まぁ、ゼロにするのは無理だよな」
俺は大きく伸びをしながら、その当時のことを思い出した。
野球部には絶対的な上下関係があって、そこには『理不尽』が蔓延。どうにかして現状を打破したいと動いた結果、俺は野球部を辞めることになった。
ただ、代償はそれだけじゃない。
一番の被害を受けたのは、きっと――。
「…………小園?」
「え……?」
そう思っていると、耳に『痛い声』が届いた。
声のした方を振り返るとそこには、
「阿部、か……?」
坊主頭の高校生が一人。
違う学校の制服に袖を通した彼は、少し気まずそうに笑いながら言った。
「久しぶりだな、その……元気、だったか?」
「まぁ、な」
「……そう、か」
こちらも曖昧に返すと、阿部は頷く。
そしてこちらの服装や髪型を確認してから、残念そうに続けるのだ。
「やってないんだな。……野球」
「…………」
俺はなにも返答できず、ただ静かに頷き返す。
すると、阿部は唇を噛んでから言った。
「なぁ、もしよかったら、さ――」
ただ、それを言い終えるより先。
遠くから阿部を呼ぶ声が、聞こえてきた。
「俺はいない方がいいか、これは」
「…………」
それが同じ野球部の同級生だと察し、俺は訊ねる。
阿部は何も言わなかったが、その無言が肯定だというのは分かった。そのため俺はゆっくりと立ち上がって、元チームメートに背を向ける。
そうすると、彼は最後にこう言うのだった。
「俺は……俺は、もう怒ってないから」――と。
だけど俺は何も返さずに、その場を立ち去る。
いまはまだ、こちらも冷静にはなれないと思ったから……。
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。
創作の励みとなります!
応援よろしくお願いします!!




