5.サッカー部の練習で。
昨日は更新なくてさーせん、持病の通院でした_(:3 」∠)_あぢぃ
「うがあぁ、疲れたぁ!!」
サッカー部の休日練習に特別参加して、俺は早々にダウンしていた。
借りたジャージも汗だくになり、洗って返すとはいえども申し訳なくなるほど。休憩の声がかけられた瞬間に俺はグラウンドに倒れ込み、完全に溶けてしまった。
中学以来のマトモな運動というやつは、なかなかにハードである。
「いやー、でも意外と良い動きしてたじゃねぇか。センスあるぞ」
「お世辞はいいよ、それより水もらえるか……?」
「世辞じゃないって、ほれ」
へたり込んでいる俺に対して、高橋が楽しげに笑いながらボトルを渡してきた。
受け取ってまずは口に水を含む。そして、残りの半分ほどは思い切り頭から被ることにした。びしょ濡れになるとしても、汗まみれなので大差はない。
むしろ身体を冷やす意味でも、こちらの方が有意義だった。
そして木陰に移動し、ボンヤリしていると――。
「運動神経悪くないのに、どうして帰宅部なんだ? もったいない」
「ん、そういわれてもな……」
高橋は不思議そうに、そう訊いてくる。
たしかに俺は運動が苦手ではなく、中学時代は少しだけど野球部に所属していた。それでも辞めたのが一年生の後半だったから、ブランクはざっくり四年と少し。それっきり運動はしてないから、ホントに今さらというやつだった。
俺は答えに窮し、苦笑いをしながら頬を掻くしかない。
すると何の気なしに一人の後輩サッカー部員が、驚いた様子で声をかけてきた。
「あの、もしかして……小園さん、ですか?」
「んー? そうだけど」
「どうした加藤、コイツ知ってるのか」
「そりゃ、中学では有名だったんで」
加藤と呼ばれた後輩はそう言って、まるで有名人に出会ったようにこちらを見る。
俺はその眼差しに、ちょっとばかり居心地の悪さを感じた。このままだと、話がマズい方向に行ってしまいそうな気がする。
しかし、口を挟むより先に加藤はこう言うのだった。
「小園さんは俺……いや、俺たち下級生のヒーローだったんですよ」――と。
その言葉で俺の背筋には、ヒヤリとしたものが流れていく。
目を輝かせる後輩を目の前にして、その『ヒーロー』という呼称を否定するのははばかられた。しかし自分は決して、そんな憧れるような存在ではない。
だって『アレがなければ』きっと――。
「下級生の、ヒーロー……?」
「そうなんですよ! 俺らの中学だと、小園先輩は伝説で――」
「やめてくれ、加藤。お前ちょっと踏み込み過ぎだ」
「……え?」
そう思っていると自然、語気強くそんな声が口を突いて出ていた。
加藤は少し呆けた表情を浮かべていたが、俺はあえて訂正することはない。ただその代わり訊いてきたのは、高橋の方だった。
彼は少し難しい表情を浮かべて言う。
「どういう意味、なんだ?」
「別に、たいしたことじゃない。アレは俺がただ――」
それに対して俺は、一つ深呼吸。
唇を噛んでから声を絞り出し、短く答えるのだった。
「暴力事件を起こしただけ、なんだからさ」
その事実は変わらない。
結果として起こった出来事なんてもう、思い出したくもなかった。
※部外の生徒が参加できる、緩めのサッカー部である。
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