2.良く分からないけど、異変。
――なにやら、義妹の様子がおかしい。
休日の朝に目を覚まし、いつも通りに食事を摂ろうとリビングへ向かった。すると絵麻はすでに起きており、キッチンで何かしらの作業をしている。
俺は朝から立派だと思いつつ、挨拶をした。
「絵麻、おはよ!」
「ひゃう! お、おおおおお、お兄ちゃん! 今朝は早いね!?」
「どうしたんだ、そんなに狼狽えて」
すると何やら彼女は、まるでお化けでも見たような驚き方をする。
ちなみに自分はいつも通りの時間に目を覚ましたので、これといって早起きをしたわけでもない。それなのに想定外であると言わんばかりに、彼女は準備していた何かを片付けた。
そうされると、さすがにこちらも気になってしまう。
俺がほぼ無自覚に覗き込もうとすると、
「やめて、えっち!!」
「――えっち!?」
思わぬ誹りを受けてしまった。
しかし俺に何の非があったのかが分からず、困惑していると絵麻は言う。
「お兄ちゃん、今日は散歩しに行った方が良いと思うなー?」
「……なんだその、物凄い棒読みなセリフ読みは」
「そ、そんなことないよー?」
いったいどうしたというのか。
どうやら義妹は、俺を外へとやりたい様子だった。
何故だろうかと理由を考えていると、ふとあることに気付く。
「そういえば、親父たちは……?」
「あ、ふたりは……そのー……」
「ん……?」
よくよく考えたら、リビングに両親の姿がないのも違和感だった。
二人は基本的に俺たちよりも早起きで、休日も楽しげに話しながらテレビを観ているのがお決まり。それがどういうわけか、今日はこんな時間から出かけているようだった。
昨夜、そのような予定は聞いていなかったはずだけど。
そう思って首を傾げていると、絵麻は何やら取り繕うにこう声を上げた。
「デ、デート! 緊急デートだって!」
「緊急、デート……?」
――なんだその、良く分からない日本語は。
俺はツッコミを入れないまでも、そう訊き返しながら時間を確認した。
「朝の八時半に、開いてる店なんてあるか……?」
こんな時間から開いている店は、そうそうないと思う。
たまに某遊技場の前に並んでいる人は見かけるが、あの二人にそういった趣味はない。それにもかかわらず、姿が見えないとなると不安感が募ってきた。
もしかして、何かトラブルでも――。
「いいから! お兄ちゃんは、その――――お散歩に行ってきなよ!」
「ど、どこに!? 何時間くらい!?」
「夕方まで!!」
「夕方!?」
なんて心配をよそに、絵麻は俺を追い出そうと必死だった。
自分としては部屋に戻って勉強でも、と思っていたのだけれど……。
「し、仕方ないな……夕方、だな?」
「う、うん……!」
どうにも納得できないが、これは仕方ない。
俺はそう思い、久々に遊びに出ることにしたのだった。
「結局、なんなんだ……?」
――とはいえ、行き場もない。
仕方なし、俺はひとまず野川家へと足を運ぶことにした。
夕方まで追い出される兄の図。
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