1.第一回全国模試、結果!
ここから新章!
「さて、そろそろ模試だな。緊張する……!」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん! 最近は基礎もできるようになってきたし!」
二月も終わりに差し掛かり、大学入試へ向けての模試が近づいてきた。
学校で実施されるそれは全国で自分がどの位置なのか、たしかめる試金石になる。もちろん最初から柊大学のA判定を取れたら、なんて都合のいい話を妄想はしていなかった。
ただ、これまで絵麻にしっかり勉強を見てもらったのだ。
「絵麻の恩に報いるためにも、結果出さなきゃな……!」
義妹の時間を貰った分だけ、やっぱり少しでもいい成績が取りたい。
そう思って、俺はいつも以上に気合いが入っていた。
「お兄ちゃん? 少し、肩の力を抜いて――」
「よーし! そろそろ学校に行くぞ、絵麻! 目指せC判定、いやB判定!!」
「わー……」
何やら絵麻の反応が気になったが、段々と気持ちが高ぶってくる。
そして俺たちは登校し、全国模試に挑んだのだった。
◆
――それから一週間後。
「……………………」
「お、お兄ちゃん……! 最初の模試なんて、こんなものだよ!」
「たっくん、完全に魂抜けちゃってるね。中学の頃を思い出すなぁ……」
全国模試の結果が返ってきた。
名前を呼ばれて用紙を取りに行くと、担任の先生が少し笑っていた気がする。いいや、今になってそう思うのだから、きっと被害妄想に違いなかった。
だけど、いまの絶望した俺はとにかく冷静ではない。
休み時間に入ったというのに、絵麻と瀬奈の声もどこか遠くに思えた。
「頑張ったよ、お兄ちゃん。でも、これが最初だから!」
「それでもさぁ、E判定はしんどい……」
「……う、うーん」
そして、辛うじて聞こえた絵麻の言葉にそう返す。
うな垂れていると、さすがに義妹も反応に困ってしまったらしい。
簡単に状況を説明すると、手も足も出なかった、というのが正直なところ。
いいや、少し違うか。手も足も出せたはずなのに、俺が完全に空回りを繰り返したのが実態だった。見直してみれば、拾えた得点もあったはず。
「すまん、絵麻。……弱い兄貴で」
「お、お兄ちゃぁぁぁぁぁぁん」
「おー、砂になった」
そんなこんなで、凹む俺を見て女子二人は各々にそんな反応だった。
絵麻は完全に狼狽えてしまっており、しかし瀬奈は――。
「ねぇ、絵麻ちゃん?」
「……野川さん、どうしたの」
「ここはさ、アタシに任せてくれない?」
義妹にそう言って、何やら俺の頭をポンポンと叩くのだった。
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