7.意味の組み合わせ。
「ん、うま……!? 絵麻はお菓子作りも完璧なのか」
一日の終わりに、俺は自分の部屋に戻って件のマカロンを食べている。
サクサクの食感とチョコの甘味、そして挟まれたクリームのバランスが完璧といって間違いなかった。このマカロンを貰えたのは、俺だけなのだろうか。
少なくとも瀬奈に渡していたものは違うだろうし、こちらも友チョコは貰った。
ちなみに、そちらも美味い。
「あれ、そういやバレンタインのお菓子には意味があるんだっけ……?」
そんなことを考えていると、ふいに雨宮さんの言葉を思い出した。
曰く、クッキーには友達で何とか、とか。
もしかしたら、マカロンにも何か意味があるのかもしれない。
俺はそう思い至って、スマホで検索をかけた。
「まぁ、きっと『義理的』な意味なんだろ――――ん?」
そして見つけたのは、思わぬ文言。
何度見かした後にようやく、俺はその言葉を口に出した。
「『あなたは特別』……?」
しばしの思考停止。
いや、特別は特別だろう。
俺は絵麻のたった一人の兄貴なわけで、他にいないのだから。そういう意味では、彼女が俺にマカロンを贈る理由は揃っていると言って良い。でも――。
「チョコマカロン、だった……よな?」
――チョコの意味はなんだ!?
いいや、チョコだって義理と本命もあれば、友チョコだってあるんだ。
焦るな俺。早まるな、俺。ここで下手に踏み出せば、大怪我をするに違いない。いいや、それでも絵麻の気持ちを蔑ろにしていたら?
その可能性に頭を悩ませていると、こんな表記を見つけた。
「『あなたと同じ気持ちです』……?」
つまり『特別なあなたと同じ気持ち』ということか。
なるほど、それなら何とか理解できた。
たった一人の兄貴である俺と、妹である絵麻。
ふたりの間に血の繋がりはなくとも、確かな絆はある、ということだ。
「な、なんだ……安心した……ん? 安心した、ってなんだ?」
俺はその意味にたどり着いて、胸を撫で下ろす。
だが自分が安堵していることに気付き、その意味にまた悶々とするのだった。
◆
「きっと、お兄ちゃんは気付かないんだろうなぁ」
絵麻は自分の部屋で、拓哉の作ったぼろぼろのチョコを口に運んでいた。
食べ終わるとクッションを抱きしめて、ベッドに身を横たえる。
そして、あのマカロンの意味を口にして――。
「『あなたと同じ特別な気持ちです』」
恥ずかしさから、ベッドで悶絶するのだった。
拓哉、お前ってホンマに……w
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