6.生徒会メンバーは、今日も会長について議論する。
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「はふぅ……」
――翌日の生徒会。
絵麻は完全に呆けてしまっていた。
魂が抜けてしまっている、とでもいえばいいのだろうか。そんな姿を見た生徒会の残り三人のメンバーは、もはやお決まりのように顔を突き合わせて各々に意見交換を始めた。
「さて、今回はいったい何があったのか」
「以前は小園くんの幼馴染みと遭遇し、色々と考え込んでいた、でしたか?」
「あぁ、たしか会長はそれで嫉妬して――」
「ないです」
「ん?」
そのためには以前の振り返りから、ということで。
瀬奈との遭遇による絵麻の嫉妬、というところに焦点を当てようとした。――だが、それを全否定したのは、唯一の一年生メンバーである雨宮恵。彼女はいまにも人を殺めそうな、鋭い眼光を高橋へと向けていた。その視線に寒気を覚えながらも、とかく雨宮の意見を訊くことにする。
「嫉妬ではなかった、と?」
「そうです。会長に想い人などいません。したがって、嫉妬はあり得ない」
「それは何とも、雨宮くんの願望が入りすぎていませんか?」
「願望ではありません。事実です」
「……おおう」
すると飛びだしたのは、前提から何もかもをひっくり返すものだった。
あまりにも自身の『理想の絵麻』を押し付けたもので、男子二人は思わず顔を見合わせて苦笑してしまう。ただ、こうなるとまずは雨宮の説得から入らなければならない。
そうでなければ、今回の議題の入口にも至れなかった。
なので、副会長の佐藤はこう提案する。
「ならば、まずは【仮定】ということにしませんか? 少なくとも小園くんの幼馴染み、野川さんと接触したことによる影響はあった、という程度で」
「そのくらいなら、まぁ……仕方ありません。認めましょう」
「認める、ってなにさ」
「なんですか? 高橋先輩」
「ナンデモナイデス」
その無理矢理な案でようやく矛先を納めた後輩に、高橋は思わずツッコミを入れた。だが直後に向けられた無機質な微笑みに、書記の少年は何も言えなくなってしまう。
全面的に自分が正しいと思いながらも、頷くしかできないことに彼は切なくなった。
しかし、これでようやく話は前に進むことができる。
そのことを三人で確認し、口を開いたのは佐藤副会長だった。
「そういえば、先日はハンドボール部の練習試合があったとか」
「あー……それについては、かなり空気ヤバかったんだよな」
「なにか、あったんですか?」
運動部にも所属している高橋は、ひとまず自分の得た情報を共有する。
瀬奈が怪我をして、しばらくハンドボール部が険悪だったこと。またそれに伴い一時的だが、一年生の赤羽杏子が不登校になっていたこと。それらについて、存外に小園拓哉と砂城絵麻が関与していた、と。
話を聞き終えて、雨宮は顎に手を当てて考え込んだ。
「赤羽さんの不登校は知っていましたけど、そういうことだったんですね」
「そういえば、その後の赤羽さんはどんな感じなのさ」
「たしかに気になりますね」
その様子に、男子二人組は情報を求める。
すると恵は首を左右に振り、しかし否定ではなく――。
「いまはむしろ、精力的に練習に励んでいるようですよ。曰く『自分が先輩の不在の間をカバーするんだ。自分がインハイに先輩を連れて行く』って、凄い勢いです」
「なるほど、な」
「雨降って地固まる、ということですか」
そのように肯定的な言葉を口にした。
そこで高橋と佐藤の両名は安堵するが、そうなると現状が説明できない。絵麻はいま物思いに耽ってしまっており、その頬は微かに赤くなっているようにも見えた。
集中力も欠いているようで、このままでは業務に支障がでるだろう。
では、いったい何が問題なのか。
「これは、あるいは――」
「今回はどうしたんだ、佐藤」
そこでまた、副会長が意味深なことを言った。
そして例によって、雨宮の耳元でなにかを告げ口する。すると、
「――生徒会長!!」
「ひゃ、ひゃい!?」
彼女は強く机を叩きながら立ち上がり、またも絵麻の耳元で何かを言った。
驚きの表情で固まっていた会長は、次第に耳まで真っ赤になって。
終いには、
「ふ、ふにゃああああああああああああああああああああああ!?」
「か、会長おおおおおおおおおおおおおおおお!?」
涙目になりながら、生徒会室を出て行ってしまうのだった。
そんな絵麻を見送った三人は、三者三様の表情。
「おい、佐藤? 前もそうだったけど、なに吹き込んだ」
「いえいえ。たいしたことではないですよ」
「……ホントかぁ?」
生徒会は本日も、何やら愉快な様子であった。
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