3.親父への相談。
2日ほど空いて、申し訳ない。
今日から更新再開です(*'▽')ノ
「ほー……拓哉も柊大学を目指すのか!!」
食事を終えて家族団欒の時間。
高校卒業後の進路について、両親にも共有しておいた方が良いだろう。そう思った俺は柊大学を受験しようとしていることを親父、そして恵梨香さんに報告した。
すると親父は、驚いたようにそう口にしたのだが――。
「なんだよ、親父。その『も』って?」
細かいことかもしれないが、父親の言葉遣いが気になった。
なので、あえてツッコミを入れてみる。すると、
「なに言ってるんだ、拓哉。父さんは――」
親父はさらっと、こう言った。
「柊大学出身だぞ?」
「……は?」
ちょっと待て。
「なんだよそれ、知らないぞ!? 親父そんな高学歴だったのか!?」
「はっはっは! 聞かれなかったからな!」
俺が思わずそう叫ぶと、親父は何故か胸を張ってそう答える。
知らなかった。うちの父親は周囲よりちょっと『頭のネジが外れて、テンションの高い』だけのオッサンじゃなかったのか。
もちろん学歴がすべてではないが、謎に負けた気分になった。
しかし当の本人は、こちらの様子に気付かずに言う。
「いやー、しかし拓哉も柊大か! 血は争えないな! ふっ、あるいは僕の溢れる知性が、その運命を選び取らせたのかもしれない……!」
「やめてくれ、その言い方。ものすごく情けなくなるから……!!」
こちらが耳を塞ぐと、親父はようやく気付いたらしい。
いきなり真面目な口調になって、こう訊ねるのだ。
「しかし、一年あるとはいえ難しいぞ。どうして柊なんだ?」
「……白々しいな、いきなり」
腕を組んで、何故か厳格な親を演じ始めた親父。
だけど、これでようやく真剣に会話できる。そう思って、俺は――。
「絵麻を一人にさせないため」
「…………」
迷うことなく、そう告げた。
これは絵麻との約束。兄貴は妹を守る、という使命感からだった。でも、
「最初はそうだった。でもいまは、それだけじゃないんだよ」
「ふむ……?」
俺は最近になって、少しだけ考えを変えたのを白状する。
だけど、これは決してマイナスな意味でなかった。
「俺自身が絵麻と、一緒にいたいんだ。できるだけ長く一緒にいて、たくさんの思い出を作りたい。それに――」
一度そこで言葉を切って。
深呼吸を一つ、俺はハッキリとこう告げた。
「俺も絵麻の父親に会いたい。その時に、相応しい自分でいたい」
絵麻が柊大学を受験するのは、自身の父と会うため。
だったらその再会の時、隣に立つ俺も彼女に見合う人間でありたかった。そう思い始めた理由は分からない。だけど間違いなく、この胸の奥から出てきた想いだった。
それを真っすぐに、親父にぶつけた。
すると、
「…………………」
親父は黙ったまま、俺の顔を真っすぐに見つめて。
こう、一言。
「ふーん」
――ふざけてんのか、コイツ。
「ふーん、てアンタ……息子の一大決心だぞ……!?」
「いや、良いんじゃないか? 人生は何事も経験だ! とりま、頑張れ」
なんだよ『とりま、頑張れ』って。
俺はその言葉を聞いて、いよいよこの父親に話したのが間違いでは、と思い始めた。それと同時に物凄い勢いで気を削がれたため、いったん風呂に入ろうと思って立ち上がる。
すると、最後に親父はこう言うのだった。
「まぁ、絵麻ちゃんのことは任せるさ」――と。
その声があまりに逞しく。
あまりに優しかったものだから、俺はつい呆気に取られてしまうのだった。
もっとも、その直後に――。
「恵梨香さーん! 聞いてくれよ、拓哉がさぁ!!」
尊厳も何もない声に戻ったのであるが……。
哲也、なにもんだてめぇ……。
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