1.入試へ向けて。
ここから第6章!
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――瀬奈の膝の手術は問題なく終了した。
術後の経過も良好で、この調子なら想定より早く退院できるのでは、という話だ。当の本人は『病院食が思ったよりも美味しいの!』と、元気いっぱいにおかわりしている。
不安要素があるとすれば、退院後に身体を絞る必要が出てくる可能性だった。
「……あ、絵麻。悪い、ここの公式なんだけどさ」
「そこはね、こっちの数字を代入してからー……」
その一方で俺と絵麻は、柊大学を目指すための勉強会を始めている。
もちろん、生徒会の活動がない日に限られるのだが。
放課後に瀬奈のお見舞いに行ったら、本屋や図書館に寄って参考書などを探す。良いものがあれば購入し、帰宅してリビングでマンツーマンの指導の開始だった。
黙々とシャーペンの走る音が響き、時々に妹に不明点を訊ねる。
そうやっていると、いつの間にか夕方になるのだった。
「えーっと、そろそろ夕食の準備するか。親父たちも、そろそろ仕事から帰ってくると思うからさ」
「そうだね! お兄ちゃんは、テレビでも見てゆっくり座っててね」
「んー……」
そんなこんなで、勉強を一度切り上げて。
俺がそのように提案すると、絵麻はいつものようにそう言った。だけど当たり前に受け入れようとしてから、ふと自分だけ何もしないのはどうなのか、と思うのだ。
もちろん、こちらに料理の経験はない。
だけども何か、手伝えることはあるはずだった。なので、
「たまには、二人で作らないか?」
「え、お兄ちゃんと?」
俺が提案すると、妹は小首を傾げて考え込む。
そして、一つ頷いて微笑むのだった。
「それなら、せっかくだから手伝ってもらおうかな?」
「おう、簡単な作業なら任せてくれ!」
そんな笑顔を向けられては、俄然気合いが入るというもの。
勢い勇んだ俺は、さっそく指定された通りニンジンを切ることになった。包丁を手にして、不器用なりに一生懸命にやっていくと――。
「いってぇ!!」
「お兄ちゃん!?」
ものの見事に、サックリ包丁の尖端で指を刺してしまった。
一筋の血がツーっと指を伝い落ちて行く。俺はそれを見て苦笑していると、それ以上に慌ててこちらの手を取ったのは絵麻だった。
そんな妹は俺の血を見て迷うことなく、
「はむっ!」
「……へ?」
切れた俺の中指をくわえたのだ。
舌先で、血を舐め取っているのが敏感に分かる。
その感触にそわそわとした何かが背筋を駆けていくと同時、必死に指を舐めている絵麻の表情に、妙な感情が芽生えそうになっていた。いや、これは何か駄目だ。
そう考えた俺は、すぐにやめさせようと――。
「絵麻、そろそろ――」
「ただいまー!」
「帰りましたー」
「……げ」
その時だった。
なにか勘違いしそうな二人が、タイミング悪く帰宅したのは……。
イラストでほしいね、ここ。
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