夏のホラー2020、初回掲載7/20⑨
●作品549
新説・駅の七不思議。
作者:砂礫零
短編
5,507文字
内容
学校の最寄り駅には七不思議があった
感想
駅ですが、鏡の定番ホラー。さっぱりした文章がとても読みやすい。あまりホラーっぽくない、どちらかというと推理畑の文体。ホラー特有のくるぞくるぞの煽りはありません。展開部に意外性があるのもミステリーっぽいなと感じました。とても面白かったですが、怖くはなかった。ミステリーファンにおすすめ。
余談
昔ブルセラ、援交、今パパ活。女子側の年齢層も上がっているらしい。制服というアイコンのブランド力も今は昔。90年代末から2000年代初頭にはエロカワが流行した影響で、普通の子と援交してる子の見分けがつかなくて怖い、というおじさまコラムニストの新聞時事コラムが載ったりしました。
その頃の少女漫画では、恋愛関係での段階の場合、男性側の経済、身体、精神的な責任を抜きにして、とにかく素晴らしいこと、という表現が多かった。当時はまだ、読者のほとんどが本物の中高生だったらしい。内容は昼ドラ顔負け。
女子高生特有の無敵感も手伝って、援交やら、呼び方忘れましたけど痴漢の嘘でその場で数万円脅しとるやつなんかが横行したのもこの頃。「援交は不良じゃなくて普通の子がやっている」と報道されたり。悪いという自覚のなかった時代でした。
痴漢冤罪をネタに電車降りた時に強請るやつ、今軽く検索しても出てこないんですけど、当たり屋みたいにちゃんと言葉があったはず。社会問題だったので、ドラマにもなった。
数年前にデート風俗が摘発されましたね。大昔に摘発された似たような業態、愛人バンクというやつ、ボスが14歳女子だったという事件も思い出されます。その人、後年また似たようなことでニュースになり、この古い事件も掘り返されていましたよね。
美人局や枕荒らしまで行かなくても、欲望を餌に利を得る行為はなくならないのでしょうね。戦場娼婦を最古のサービス業と位置つける人もあるくらいですから。
女性は常に優位に立っているつもりで、若い女性というだけで市場価値があるという自信が招く犯罪行為ですよね。未成年者が自覚的に行っても、児童虐待になってしまいますから、余計にキモオヤジと被害者という認識になる。
ただ、こういうのって、本当は女性側のほうが身体的、経済的、精神的不利益が大きいですよね。若さを商品として犯罪を実行する子供、愚かですよね。
14歳愛人バンクの元締めは自分はそういうリスクを犯さなかったところも、当時怖がられたのを覚えています。私、子供でしたが、学校で話題になりました。
今や、男女逆転してレンタル彼氏なんて仕事まである。それどころか、レンタル家族やレンタル友人、ラーメン一緒に食べる仕事。一昔前にSF作家やブラックユーモア小説家が描いた世界が、現実になりました。
良い事ではないように思います。地域、学校、職場のいじめは大昔から変わりなくあり、反対に地域の運動会が復活したり。コロナ禍が続いて、人々は人と繋がる欲求を募らせているのでしょうか。
ところで、昔の七不思議は、通常七番目を知ってしまうと死ぬので、現実には六不思議であることが仕様でした。「七不思議の七番目」は「この世に存在しない物」という意味でもありました。
●作品550
ガターンゴトーン
作者:ここのか 葉月
短編
7,979文字
内容
幼い息子が姑の与える高価なおもちゃで遊ぶのを、気に入らない嫁
感想
いや、怖いですね。分かりにくい箇所もありますが、概ねすんなりと進みます。抑圧された人間のサイコホラーでもありました。
駅は登場しますが、駅ではなくて幼年玩具のホラーです。この類型には子供が原因な話と物が原因の話があります。このお話は、どちらなんでしょうね。嫁は、システムを理解してなかったのか、それとも?
今回はここまで
夜9時ごろ居眠りして、起きたら深夜1時半。あれれ。読んで書いて、そろそろまた眠くなりました。おやすみなさいませ。
お読みくださりありがとうございます
続きます




