夏のホラー2020、初回掲載7/21③
●作品582
歯
作者:しいたけ
短編
2,359文字
内容
歯があった
感想
嫌すぎて読み飛ばしたくなるほど執拗に語られる。ドライな語り口なのにべったりジトジトした感じは、まさしく日本の怪異譚。森見登美彦の幻想怪異譚が好きな方には楽しめそうな雰囲気です。明治文学に憧れる平成小説家の作品に傾倒したラノベっぽい文体(伝わりますかね?)。数値を具体的に出すあたりも、そんな感じですよね。
余談
短編作家さんでしたが、最近では連載作品も投稿なさるようです。
●作品583
駅のベンチで空いている席
作者:ぬまちゃん
短編
1,376文字
内容
1人分空いているベンチなのに満席に見えている人
感想
目で語る内容が複雑すぎて驚きました
●作品584
メモリ
作者:檸檬 絵郎
短編
1,694文字
内容
森の中にある廃駅の噂
感想
「答えのないミステリー (掌編)」というシリーズの一つ。この作品だけで成立しています。ミステリーとありますので、作者がホラー味よりミステリーを優先したいのなら、企画作品としてはややグレー。オカルト落ちのサスペンスが流行した時代の人情映画のような作品です。
お話としては、ゾワッとするタイプの正統派ホラー。「森の中の廃駅」類型です。お好きな方は、是非。
●作品585
夢のつづき
作者:アンマンマン
短編
851文字
内容
電車に乗って居眠りをした。腕時計とスマホの時間とで進み方にずれがある。
感想
幽霊や化け物は出ませんが、冥界鉄道物の一種です。秀作。理不尽です。こんな目に遭うの、怖いですよ。
余談
作品128『社畜の行進』、作品238『アイドル』、作品250『大蛇』、作品264『プログラム』、作品292『待ち続けている人達』、作品306『無人駅』、作品320『誘われた』、作品337『今日も列車は走る 』、作品354『返事を返すな 』、作品409『脱走兵 』、作品417『電車の前に飛び込む物達』 作品428『仲間』、作品442『念じる』、作品458『役得』、作品454『行方不明になった人たちの行き先 』作品465『ネタ』、作品478『故郷』、作品490『コントラスト』、作品508『カンカンカン警告警告警告カンカンカン』 作品573『止まれない』の作者です
今回はここまで
お読みくださりありがとうございます
続きます




