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30 ファーリとリグレットの武器




 朝食の後、私たちはそれぞれの部屋に一度戻り、身支度を整えます。


 私は革製の胸当てに、ごく普通の動きやすい服とズボン。一応、見た目の為に子供用ショートソードを腰に携えます。

 実際の武器はエクスコルドで、ストレージに保管していていつでも取り出せます。

 それに、他のメンバーを考えると私は後衛で魔法主体で戦うことになるはずです。


 自分の準備が終わり、私はリグの方を見ました。


 リグの装備は紅い色の胸当て。

 羽織ったローブはえんじ色、ナチュラルカラーの革製ショートパンツに、紅いタイツを履いています。


 真っ赤です。きっと、赤が好きなのでしょう。


「あれ、リグは前とは違う銃剣を使うのですね」


 私は気づきます。


 すぐとなりで準備をしていたリグは、試験の時とは異なる銃剣を持っています。


 ごく普通の短銃に、手を守るように金属製の刃がぐるっと巻いています。そして、グリップの底からは少し長めのナイフのような刃が伸びています。


「今回は恐らく、クエラさんとアンネさんが前衛でしょうから。わたくしは魔法と射撃主体で戦いますわ」

「なるほど……」


 そして、私はリグが銃剣を取り出した箱を見ます。

 立派な装飾の箱で、中は硬めのスポンジ状の構造になっていて、ちょうど取り出した銃剣と同じ形に凹んでいます。


 そしてふと気付いて、周りを見回します。

 多分、昨日のうちに荷物が送られてきていたのでしょう。大きさの違ういくつもの箱が、たくさん並んでいます。


「もしかして、これ全部がリグの銃剣ですか?」

「そうですわ。なんなら、見せてさしあげましょうか?」

「ぜひ!」


 リグの使う武器は変わった形状のものばかりで、見ていて楽しいのです。


 箱を次々開けて、中を見せてもらいます。

 多くは試験の時と同じような構造で、銃身の下に直刀がついているものでした。

 銃や剣の種類、形状にバリエーションがあります。ショットガンのような構造の大きい銃もあれば、大剣に機銃のような大型火器というちょっと頭の悪そうな組み合わせのものまで。


 そして、一部には今リグが持っているような、特殊な形状のものもありました。

 普通の剣と、ナックルガードの部分に短銃が付いているような形状のもの。

 篭手とセットになっていて、篭手の方に魔法銃の構造がついているもの。


「わあぁ……なんか、すごいのです」


 これだけ色々あると、圧巻です。私は感動して、口が開きっぱなしになります。

 カッコよくて、前世の厨二魂がくすぐられます。


「ふふ、どうやら分かって頂けたようね」


 リグは満足げに笑います。


「さて、これぐらいにして早く出ますわよ。きっと他のお2人は私たちを待っている頃ですわ」

「そ、そうでした!」


 私は慌てて、リグと一緒に銃剣を片付けて部屋を出ます。

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